あなたは普段、コーヒーを飲むだろうか。
もしオフィスに勤めているのなら、インスタントコーヒーを飲んだり、近所のコーヒーショップから買ってきたりするだろう。
ところで、あなたが手にしている大手コーヒーチェーンのコーヒー1杯のうち、いくらがコーヒー豆生産者にいくか想像してみてほしい。1杯分が約330円として、利益はたったの3~9円。ここにはあるカラクリが潜んでいる。
当然、生産者の暮らしは楽ではない。それにもかかわらず、エチオピア国民の5人にひとりがコーヒー豆の生産に従事している。たびたび発生する飢饉のため過去20年間にわたり外国からの緊急支援に依存する状況が続いている。この状況下では子どもたちが教育を受けられる機会はきわめて少ない。
しかしタデッセ・メスケラはそんな厳しい現実に真っ向から勝負を挑む。エチオピアの貧しい家庭に育ち、素足で学校に通った彼は大学を卒業したのちに農協を設立する。農民がすこしでもまともな生活を送れるよう、孤軍奮闘、世界を飛び回る毎日だ。
はたして彼の挑戦は世界を変えることができるだろうか。
できるだけたくさんの人にこの事態の目撃者となってほしい。
タデッセは語っている。「知ることは変革への最初の一歩」であると。