ディズニーのドキュメンタリと言えば、子供の頃毎週金曜日、一週間置きにプロレスと交互に放送していた「ディズニーランド」というTV番組で時々観た、世界中の動物や魚の生態のドキュメンタリを思い出す。ディズニーランド無き後も「野生の王国」などの番組で、地球上の様々な動物の生態を、我々子供は毎週のように観て楽しむ事ができた。
クラスで1人ぐらいいるんだよね、そう言うドキュメンタリ番組が好きで、なんか見た事もない動物の生態にやけに詳しくて、本当はTVで観たのに、まるで自分が見てきたかのようにリアルに話して休み時間の人気者になったりするヤツ。
なんだよアイツーとか言いつつ、女の子に囲まれてるのを羨ましく思いながら、デキの悪い連中で仕方なく校庭でボール蹴ったりしてたワタクシではありますが、いや、オトナになってこうしてディズニー制作の自然ドキュメンタリをスクリーンで観る事ができるなんて!(笑)
さて、フラミンゴと言えば、関東圏の子供には「行川アイランド」のフラミンゴショーでの「団体でぞろぞろ歩いて飛んでゆくデッカイ綺麗な鳥」を思い出すが、正直言えば、多くの人は多分その程度の知識しか持っていないわけだ。しかし!「フラミンゴに隠された地球の秘密」(いや、原題の「The Crimson Wing」でいいじゃん、と思うのだが)を観ると、もうなんか、いっぱしのフラミンゴ博士になった気分。
だいたいフラミンゴの寿命が40年近くだなんて、フツーの人は全く知らないですよ。湖のコケ喰ってるだなんて初耳ですよ。フラミンゴのミルクが真っ赤だなんてオドロキですよ。世の中知らない事が多すぎると言うか、ひとりの人間が知ってる事なんて、地球の規模からみたらほんのひとカケラなんだなあと、改めて実感。飛行機で世界中に飛び回れるこの時代であっても、地球は広いもんです。
長い時間をかけて撮影されたであろうその映像は美しく残酷で、想像もできないようなシーンの連続は、作り物のお話が及ばないオドロキみ満ちている。もちろん恣意的な演出はあるだろうけど、画面は基本ウソをつかない。例えナレーションがなくても、直接ココロに届くような説得力がある。フラミンゴも我々人間と同じ地球に住む生き物の一員と言う事を、直に感じさせてくれる。声高に「環境ナンとか」だの「自然がどうとか」だの言わないのが素晴らしい。エコとか環境問題って、なんか標語みたいの言い出すと途端に胡散臭くなるんだもん。
というわけで、いやあ、参りました。実際、フラミンゴの情報そのものはインターネットで調べりゃ解るじゃん、なんだけれど、「映画」というメディアの持つ説得力は、まだまだネットが及ばないパワーを持っている事が実感できる。
この映画を観た多くの人は、にわか「フラミンゴ博士」となって、休憩時間や飲み屋でたぶん得意げに話すのだ。「フラミンゴの寿命って、実はね・・・・」とかイイながら(笑)。