2009-07-26

2009年7月25日(土) このエントリーを含むはてなブックマーク 

 昨日の疲れもあってひたすら眠り続ける。朝一度起きてから再び昼過ぎまで二度寝。
 注文していたDVD『愛のむきだし』が届く。4400円ほど。今年の日本映画を代表する大傑作だけにDVDは無理してでも買わねばならない。でも2枚に分けているのに片面1層なのは如何なものかとか、前篇・後篇の分岐点が劇場版とは違うシーンなのねとか思う。
 22時過ぎに家を出て池袋シネマ・ロサへ。オールナイト「或る夜のならず者たち」を観るため。雑誌『nobody』が主催する第一回イベントとなる。映芸もそうだが、映画誌がこういった形で観る機会の少ない作品をかけてくれるのは有難い。とは言え、今回のオールナイトで上映される4本の内3本は既に観ていたのだが。目的は唯一つ某日本人監督がフランスで撮った短編のスニーク・プレヴューにあったのだが、その作品が何かは言わずとも直ぐに分かったので告知が出た段階で慌てて前売り券を入手した。会場は盛況。しかし、『nobody』主催ということもあって大学映研、美学校方面みたいな若い層が大半で自分ですらここでは年長の部類のようだった。そのせいか最近のオールナイトでは珍しく知った顔にも合わず。 
 上映1本目はその例の作品からだが、主催者がタイトルを広言してくれるなと言っているので控えるが、まあ、あの監督の例のアレである。『●○○○』(☆☆☆★)。冒頭に映し出される建物のロングショットで既に建物の上部や窓枠には赤が配置され、これは赤の映画だと思わせたところで銃口をこちらに向けた若い女性のカットに変わる。切り返しの素晴らしさなど色々語りたくなる映画だが、赤という意味では主人公の女性の持つカバンの一部や靴に赤が配置され、やがては赤いダイナマイトを顔に巻くにまで至る。タイトルにも掲げられた赤の鮮やかな配置に息を飲みつつも、一度観ただけではすべてを語り切れない。しかし、これは見事なフランス映画というよりもアメリカ映画ではないのかと思いつつ、2本目は青山真治『軒下のならず者みたいに』(☆☆☆★)。再見だが、中村優子の鏡を使った見せ方と終盤の展開がやはり良い。そして青山真治と食との関係を考える上でも重要なラストのカラーライス。
 青山真治×斉藤陽一郎×結城秀勇によるトーク。『nobody』編集長の結城氏をはじめて見る。トークは結城氏が仕切らないせいでアル中映画監督のダラダラトークで辟易。「斉藤陽一郎さん、あなたは何故ジャン=ピエール・レオーではないのか?」という問いかけを繰り返して吉田喜重の『エロス+虐殺』じゃあるまいし、何を言うてるんやと。青山監督も同世代か年上になると、きちんとサービスに務めるのを何度か目にしているだけに、相手がこういう人たちで観客もこうだと途端にポーズを作ってしまうから困る。
 3本目古川卓巳『麻薬3号』(☆☆☆★★★)。昨年フィルムセンターでようやく初めて観ることが出来てその傑作ぶりに嬉々としていただけにまた再見できて嬉しい。何でも未見の青山監督のリクエストで上映が決まったとか。
 4本目はイエジー・スコリモフスキ『出発』(☆☆☆★★)。10年前にテアトル梅田で観て以来か。DVDも持っているが再見していなかっただけにスクリーンで再見できて幸い。フィルムセンター所蔵プリントを借りてきたとかで、オールナイト上映でも貸出するのだな。初見時と同じく傑作とは思わないが、随所で魅せられる。
 終了は朝5時過ぎ。既に日差しが照りつけている中帰宅。

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モルモット吉田

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モルモット吉田

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