2009-07-23

『未来の食卓』試写会他 このエントリーを含むはてなブックマーク 

 今月に入って、蒸し暑いのと、かなり忙しかったのと、つい先日、ちょっといろいろあって、ダウンしていたため、日記の間が空いてしまいました。気持ちの整理もつき、腹も括れて、何とか「復活」したので、久しぶりに映画の感想など。

 昨晩は九段下の九段会館で、『未来の食卓』(監督:ジャン=ポール・ジョー、2008年、フランス)の試写会へ行って来ました。

 余裕を見て、開場三十分弱前に会場に着いたのに、既に100人以上待っていて、ビックリ!昨晩は結構涼しかったけど、九段会館の玄関ホールは人いきれで、蒸し蒸し。開場までの待ち時間の辛いこと、辛いこと!軽い半袖シャツとショートパンツでしたが、汗だくです。

 初めて入った九段会館は、外見も中もかなり重厚な感じの洋風建築。ただし、試写会の行われるホールの椅子は、かなりくたびれていて、丈も低いため、長身の僕には辛かったです。

 しかも、この作品、上映時間二時間弱ですから!正直、上映開始後45分くらいで、腰が痛くなり、残り時間はあとどのくらいか、何度も時計を見てしまった程でした。

 で、肝心の映画について。

 『未来の食卓』は、農薬や化学肥料による農家の健康被害や、殺虫剤による子どもの癌、そして各種食品添加物の身体への悪影響などに危機感を覚えて、村の学校給食と高齢者向けの宅配給食を、オーガニックにするという試みに挑戦している、南仏バルジャック村の「実験」プロセスと、以上のような点を意識しない食生活が、如何に人々の健康を蝕んでいるかを明らかにする国際学会の様子が、入れ替わり立ち替わり映される、フランスのドキュメンタリー作品。

 出来るだけ地元産のオーガニックの食材による給食づくりを、精力的に進める村長の協力なリーダーシップの下、全く普通の人々から成る、しかも、(外見からはそうは見えないが) 経済的にはあまり豊かでない、 バルジャック村の住民や、そして子ども達が、一歩一歩、手作りで安全な食事の重要さと、それを支える地元でのオーガニック農業の意義を認識していく姿は、何かワクワクさせてくれると同時に、未来のために行動を起こす勇気を与えてくれます。背景となる、南仏の夏の景色も素晴らしい。

 また、劇中の食事風景で映される料理は、どれも本当に美味しそうで、観ているだけでお腹が空きました〜。

 他方で、加工食品や殺虫剤等、日常生活で使われる化学薬品の恐ろしさや、農薬や化学肥料が、どれ程農家の健康を害し、土壌の活力を失わせるかも、強調されていました。

 また、ゆるヴェジとして好感が持てたのは、作中の食事はオーガニックとは言え、動物性食品もふんだんに使われいたものの、ちょっとだけ、肉食を減らすことが、どれ程世界の食糧事情を好転させるかが説かれている、講演のシーンが挟まれていた点です。

 しかしその反面、父兄の中に、原発関連施設で働いていながら、農薬や化学肥料による健康被害には敏感で、食事は出来るだけオーガニックだと言明する人物がいるなど、ユーロッパの原発「大国」フランスらしく(?)、原子力の「平和/民生」利用が人々に及ぼす、破滅的な悪影響には、一切言及されていないのは、気になりました。化学薬品の害は最初から最後まで、口を酸っぱくして、強調され続けているんですから、尚更です。

 それ以外でも、農薬や化学肥料の過剰使用を除いて、フランス的な価値感が無条件に肯定・称揚されている点は、ちょっと鼻につきました。元々、エコロジーとナショナリズムって、結び付いていた訳ですからね。

 また、上映時間二時間は長過ぎるでしょう。冗長な印象が否めないし、観ている方も苦痛です。

 詳しい内容は、↓の公式ホームページを参照。

  http://www.uplink.co.jp/shokutaku/

 上映終了後、アンケートを書いてから、会場を出ると、外の空気は本当にひんやり涼しく、ホッとしました。地下鉄を乗って、代々木上原の駅に出てもそれは変わらず。

 今日の日中も涼しく、お陰で、ぐっすりと眠れました。このところの心労から来る睡眠不足を解消し、疲れを癒すために、今日は夕方近くまで寝ていましたが、汗ばむこともなく、快適でした。

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知世(Chise)

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知世(Chise)

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