(story)
同じ会社に勤めるジジ(ジニファー・グッドウィン)、ジャニーン(ジェニファー・コネリー)、ベス(ジェニファー・アニストン)の3人が、仕事よりも盛り上がるのは、もちろんガールズ・トーク、つまりは恋愛話。
ジャニーンは学生時代から付き合っていたベン(ブラッドリー・クーパー)と数年前に結婚、ベスは恋人ニール(ベン・アフレック)と同棲7年目。ジジだけは、最高のパートナーを探して、いまだ迷走中。ジジの恋愛遍歴は、聞くも涙の失恋エピソード満載だが、いつも前向きな彼女は、今夜もジャニーンに紹介された不動産の仲介業者コナー(ケビン・コノリー)との初デートに乗り込んだ。出逢いから1週間、コナーからの電話はナシ。留守番電話にメッセージを吹き込むが、返事はナシ。遂にジジは、コナーの行きつけの店で待ち伏せするという暴挙に出て、店のオーナーのアレックス(ジャスティン・ロング)に女のカン違いをズバリと指摘される。「彼が電話して来ないのは、君に気が無いからさ」
そのひと言で、目が覚めるジジ。相手が浮気しても、ダメ男でも、幸せになった女たちの話を心の支えにしてきたが、彼女たちは”例外”なのだ。結局、私は法則通りなの-徹夜で考えたジジの恋愛論に激しく動揺するベス。
ニールは結婚否定主義者。ベスは、妹の結婚を喜ぶニールに「妹の結婚がめでたいなら、私たちが結婚しないのは、自然の法則に反すると思わない?」と訊ねてみたが、「結婚は自信がない奴らがすることだ」と一刀両断。我慢も限界、遂に爆発したベスは、「結婚を信じないと言ってた男が、半年後にジムで逢った24歳の女と結婚してる。よくある話よ。あなたの言うことはただの言い訳よ!」と別れを宣言する。
新居の完成も間近、ただ独り幸せを満喫しているはずのジャニーン。ところが、彼女にも思わぬ災難が!ベンがヨガ講師をしながら歌手を目指すアンナ(スカーレット・ヨハンソン)と恋におちたのだ。偶然出逢った2人は、初対面から強く惹かれあう。ベンは、最初こそ彼女の誘いを断るが、友人のメアリー(ドリュー・バリモア)に「運命の人と出逢った時に自分が既婚だったら、そのまま諦める?」と煽られたアンナの情熱的なアプローチに、あっけなく屈してしまう。
いつでも相談に乗ってくれるアレックスって私のことが好きかも、とまたまたカン違いのジジ。そんなジジに呆れながらも、彼女の電話が待ち遠しいアレックス。別れたものの、互いのことが忘れられないベスとニール。結婚の意味を見直し始めるジャニーンとベン。アンナもメアリーもコナーも、最高のパートナーとの出逢いを夢見る想いはひとつ。
女のカン違いも男のホンネも乗り越えて、素敵な恋をつかむのは、誰-?
(プレス・シートより)
この夏、最高にキュートで最高に笑えて、最高にイタイ映画が、豪華キャスト陣に「25年目のキス」の脚本家コンビが再び脚本を書き、「SEX AND THE CITY」の脚本スタッフコンビの大ベストセラーの映画化という形で実現した。
男のホンネに女のカン違い、というストーリー仕立てではあるが、一方で、男のカン違いと女のホンネも見え隠れしている辺りは絶妙のさじ加減。
誰しもが最高の恋愛を経験し、ハッピー・ウェディングを迎え、幸せな人生を生きたい、そう思っているが、そこに辿り着くまでの道のりは様々。
その様子を、豪華キャスト陣が、実に等身大の一般ピープルになりきって、演じて見せてくれるのだから最高なわけだ。
それぞれの経験する物語は、実にリアルで身近なもの。
「あ~、そういうこと、あるある」
「イタタタタ……」
「そう言われてみれば、そうなのかも」
とにかく、笑いをこらえられないシーン満載ながら、ちょっぴり目をそむけて見たくなったり、思わずニンマリしてしまったり、ドキッとしたり……。
ハリウッドのラブコメとしては、今までに無いくらい身近な感覚で見ることが出来る作品になっており、確かに女性ウケする映画なのかもしれないが、男から見ても面白くてイタイ、痛快なコメディであり、ラヴロマンスである。
断っておくが、僕自身にはそれほどの恋愛経験もなければ、遊んできた経験も無い。
だから、むしろそれぞれ恋に必死なヒロイン達に近い目線で映画を見ることが出来たのかもしれない。
特に、恋愛体質でありながら、妙に積極的だったり、異様に前向きだったりするジジの姿は、笑えもしたし、イタイ気持ちにもなったし、応援してあげたくもなった。
でも、「カン違いってのも怖いな~」と感じたのも事実だったりする。。。
一方で、ここで描かれる男のホンネ。
それも、様々なスタイルが描かれている。
結婚否定主義者が見せる恋模様……何ゆえ、ベン・アフレックとジェニファー・アニストンがタイトルロールの最初に出てくるのか分かるラストは必見。
浮気してしまう「弱さ」を見せた男の結婚生活……たとえ一瞬見失ってしまうことがあったとしても、自分の想い、本心、一番大切にしなきゃいけないもの、したいものってのを見失いっぱなしじゃ、やっぱりダメ男。
恋をしない遊び続ける男のホンネ……そういう男達のホンネには詳しいけど、実は自分の本心って見えてなかったりする、強気を装った男の弱さ。
なんかウザイ、都合のいい時に利用される男……ダメ男っぽいけど、一途なところもあったりして、良し悪しが分かれるタイプかな。
それぞれの男達のホンネや、揺れ動く気持ち、男の弱いところやイタイところを、的確に突いてきている。
その突き方に容赦は無く、グサッと胸に突き刺さる出来事があったり、ゲゲッと驚かされる場面があったり、「遊ぶ男はそういうもんなんだ」と妙に勉強になることがあったり、ドキッとさせられたり……自分の生き方を改めて考え直してしまうこと間違いなし。
幸せになるためには、自分の幸せが何なのか、ってのをちゃんと分かってなきゃいけないし、そのためにやるべきこと、やってはいけないことってケジメもきちんとつけておかなきゃならない。
それって、男女共通なのかもしれない。
カン違いにホンネ……複雑に絡み合い、男女それぞれの想いを揺らしている、男女それぞれの特徴に恋の駆け引き……でも、実はお互いは意外と単純だったりするのかもしれない。
パターンがあって、法則があって……。
その実に気付かないところが、恋に盲目になってしまっている時の心境なのかもしれない。
それはそれで、ある面ハッピーだし、楽しいことでもあると思うのだけど。。。
この作品の素晴らしいところは、5人のヒロインに4人の男性陣が加わった、様々な群像劇として、色んな恋愛話を盛り込み、色んな出来事を起こし、しかも一般ピープルにとって身近なところで進むストーリー展開を見せながらも、ただカン違いとホンネのすれ違いを描くだけではなく、恋につき物のすれ違いや気持ちのアップダウンも見事に見せてくれながら、最終的には、それぞれが納得する結末へと導いてくれる素晴らしいストーリーテリングにあると思う。
登場人物が多く、それぞれの経験する恋愛や人生の一場面を丁寧に、そして身近なところで描いてくれているだけに、コメディとしては長めかもしれない2時間10分という時間も理解できるし、全くその長さを感じさせない。
絶妙に登場人物それぞれの立場からの出来事が描かれており、また、時折組み込まれるテーマに沿ったストーリー展開になっていたり、ドキュメンタリータッチで一般人?かと見違うような人々の恋愛経験が語られる場面があったりして、全然飽きが来ないのだ。
エンドロールが始まっても、席を立ってはいけない映画の典型でもある。
ちゃんとそこにも仕掛けがあるから。
とにかく笑えて、時に涙をグッとこらえて、ちょっぴり目を背けたくなってみたりもするけれども、ある意味恋愛マニュアルとしても十分通用するのではないかと思えるくらいリアルな設定、展開があり、それでいて最後は爽やかな感動も与えてくれる作品。
期待以上の内容に大満足。
機会があれば、嫁さんにも見に行ってもらおうかな、と思った。