あのピナ・バウシュが死去したとのことです。
どんなにお金のないときでも来日すれば、何とかして公演に
行ってしまうほど好きでした。
一度だけ本人を見かけたことがあります。
ロンドンのサドラーズ・ウェルズで公演があるということで、当時つきあっていた
彼女(舞台美術の勉強をしていた)に見せたくて、強引に連れていったときです。
建物に入る直前、壁の前に立っているピナ・バウシュがいました。
黒い服を着た線の細い天才的な老振付家。
その佇まいとは対照的にユーモアがふんだんに盛り込まれた、戦慄するほど
鮮烈な舞台は本当に凄かったです。
「Coffee with Pina」という短いドキュメンタリーが存在するので
どうにかDVDで発売したいですが、難しいのかもしれません。
今のところピナ・バウシュの舞台を少しでも映像に捉え流通して
いるものはおそらく映画「トーク・トゥ・ハー」だけだと思います。
彼女が死んだという事実に過剰に反応して大げさな表現をしたかも
しれませんが、本当に素晴らしい芸術家だったと思います。