2009-06-28

がっかり某仏教系エコ学会&「パレスチナではレズビアンが殺されている」にどう答えるか このエントリーを含むはてなブックマーク 

 昨日は六時前に起きて、朝食に蒸かしたベジ饅頭を食べてから、豊島区の大正大に、今年新しく入った、或る仏教系エコ学会の大会へ。

 いつも通りしっかりと下調べをしていたのだけれども、電車を間違えて赤羽まで行ってしまったり、板橋駅から道に迷ってしまったりした結果、会場にはギリギリの到着。会場整理は大正大の仏教学科の院生が当っているようで、やたらと坊主頭が目立つ。

 受付のおばちゃん達(大学職員?よう分からん)の対応がお粗末で、また他の参加者がスーツ姿の年輩者ばかりで(僕はアロハにジーンズ)、ゲンナリ。

 様子見で参加した、午前中の個人発表はまあまあで、質問もし、名刺交換などもする。

 しかし、昼食時に受付で受け取った資料を見ていたら、午後のシンポジウムでは、2006年末に与党の強行採決で成立してしまった、壊悪教育基本法の制定に携わった、当時の文部科学省の事務次官(現山形大学長)が、なぜか「環境部門」のパネラーとして登壇するとある…。しかもよりによって、この壊悪教育基本法の意義を強調するという形で発言するようだ…。当時、旧教育基本法壊悪に対する反対運動に参加して、強行採決時には国会前にいた人間の一人として、唖然としてしまった。

 中野区では自民党の都議会議員候補が、緑の日の丸をポスターに使ったりもしているから、エコと反動政治の結合は十分あり得ることだけれど、なぜに学会で???

 このことを知った時点で帰ろうかとも思ったけれども、夜高田馬場で別のイベントに参加する予定があったので、気を取り直してシンポの会場へ。

 しかし、そうしたら、な、何と、会場では文科省作成の壊悪教育基本法の宣伝パンフが、当日の配布資料として配られている!

 会場校の挨拶等を聞き流しながら、それを見ていたら、言い知れぬ嫌悪感に襲われて、そそくさと退室。

 夜まで、馬場の区立図書館で持参した、『啓蒙の弁証法』を読んで過ごすことに決めて、大正大を後にして馬場へ。

 年会費+会場費で4500円も払ったのに〜!同額で、九月初頭の中目黒のショーロクラブのライヴに行けるのに〜!腹立つ!

 蒸し暑い週末だからか、馬場の図書館は、結構な人出で、閲覧席を確保するのにもひと苦労。おまけに、意図的なのか冷房の効きが悪く、微妙に暑いし、近くにあるカウンターでの中高年の男性の利用者の甲高い声が耳障りで、参った。

 昔の東京の写真集や、『賃貸宇宙UNIVERSE for RENT』(後にちくま文庫で文庫化)を見て、気分転換をしながら、二時から六時頃までノートを取ったり、書き込みをしたりしながら読書。

 その後懐かしさもあって(1994年から2000年まで早稲田に住んでいて、馬場〜飯田橋あたりは当時の散歩コース)、チェーンではない喫茶店を探しながら、早稲田通りをブラブラ。

 かなり早稲田側まで近づいたところにある場所に、見覚えのある茶店を見つけて(店の造作はそのままだったけれど、店名は変わっていたような気がする)入店。アイスコーヒーを飲んで一服。

 その後、ちょっと馬場側に戻って、お目当てのイベント「“パレスチナではレズビアンが殺されている”にどう答えるか」会場へ。

 これは先週の日曜に参加した、『関西クィア映画祭が東京にやってくる』の一環として行われるイベントの一つ。

 http://kansai-qff.org/2009/TOKYO/E_0627.html

 日曜の同Bプログラムは、超満員だったので、少し早めに行ったら、意外に空いていた。最終的にも七〜八割がたの入りだったよう。

 また、この日のオーディエンスには、FtMやMtFの方等、(こういう言い方をしていいものか、やや悩むが)見た目で分かる性的マイノリティーの方は殆どおらず、パレスチナ/イスラエル問題に関心のある20代の若者が殆ど。

 上映されたのは、『〇メートルの隔たり』(原題:“Zero Degrees of Separation.”、監督:Elle Flanders、2005年、カナダ)。本作は、イスラエル「建国」に参加した、監督の祖父母が、パレスチナ/イスラエル各地をバスで回りながら、本当に楽しそうに観光する様子を撮った、昔の映像を織り交ぜながら、各一組の、ユダヤ系イスラエル人とパレスチナ人のレズビアンとゲイのカップルをインタヴューするドキュメンタリー。

 http://kansai-qff.org/jimaku/sakuhin/zero-degrees/

 ちょっと機材の調子もよくなかったようで、やや見辛い箇所もあったが、欧米での差別と迫害を逃れて、自分達がマジョリティとなれる新しい国を作ったユダヤ人が、今度はパレスチナ人をものすごい仕方で虐待し続けているという事態について、また、イスラエルという欧米の侵略と植民地支配、そして最近では酷いアパルトヘイト体制の結果、同国では或る程度、とは言え日本とは比べ物にならない程に進んでいる、男女平等や女性の社会進出やLGBTの権利擁護といった、今日のマトモな左派なら当然視するような事柄が、パレスチナも含めた、イスラム圏では、欧米の文化的侵略だと見做されてしまうパラドックスについて等々、観る者にいろいろと考えさせられる佳作だった。

 上映後に行われた、ひびのまことさんのトークは、このあたりの事情をとてもクリアにしてくれた。

 ちなみに、登場するレズビアンカップルのパレスチナ人女性は、来月、東京レズビアン・ゲイ映画祭で上映される、『分断の壁』にも登場しているとのこと。

 http://tokyo-lgff.org/2009/program/pre/16_city.html

 また、ゲイカップルのイスラエル人男性は、イスラエル軍によるパレスチナ人の家屋破壊に対する抗議活動中に拘束され、現在起訴されていて、懲役刑に処せられる危機にあると言う。

 http://www.supportezra.net/

 結局イベント終了は十一時。暑い中、朝八時から出ずっぱりだったので、さすがに疲れた。 

 また、大正大の近くでも馬場〜早稲田でも、幸福の科学がつくった、幸福実現党の選挙ポスターがやたらに貼ってあって、驚いた。拙宅の近くでは今まで見たことがないのに。早稲田には中で若者が談笑している、幸福の科学の事務所もあったし。

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知世(Chise)

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