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いや、別に「安住紳一郎さんはスゴイ」とか、それが言いたいがためではないのだが、まわりくどく語りたい、そんな気分なので、これから何回かに分けて、今日の、否、正確に記すとすれば、今から15時間程前の出来事に向かって、粛々とひたすら書きたいと思う。
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「いいとも出演 他局アナ25年ぶり」、そんなニュースを目にしたのは、昨秋。
興味本位に、動画サイトYou tubeに上がったTBSアナウンサー安住氏出演のフジテレビの笑っていいともを観て、スコーンと射抜かれた。
今まで安住アナの印象というのは、ぼんやりと、なんだかボソボソと半端に斜に構えたような分かりやすい陰気な人、というようなものしかなく、たぶんそれは〝からくりTV〟での替え歌コーナーの寒々しい佇まいによるものなのだろうかな、と思う。そんな印象しかなかったのが、笑っていいとも!に出る安住アナを観るなり、その計算尽くしの「分」をわきまえた物言いと、演じきりつつ捨てきれない恥ずかしさをときに見せるハニカミにやられてしまった。
で、彼ってどういう人?と検索したりしたところ、彼が「日曜天国」という自分の名前を冠したラジオ番組をやっていることを知った。そのサイトでは、彼のこれまでのそのラジオでのオープニングトークなどがポッドキャスティングで聞けるようになっているのだが、これが抱腹絶倒、そこらへんの噺家を軽々と凌駕する抜群のオモシロサなのだ。
そして迎えた日曜日。AMラジオにあわせるのは高校生以来の久々で、自動チューニングで探すも、そもそも電波状態が悪いこともあり、なかなかTBSラジオを捕まえられない。簡易アンテナをあれやこれやと掲げて電波を探す。そして、やっとスピーカーから聞こえてくる安住アナの声。そのうちに、その週のダイジェストが流れる笑っていいともの自分の出演シーンをリアルタイムで観ながら、「フジテレビ体験」をまた絶妙な小噺にして繰り広げる。
なぜそれほどまでに痛快なのか。
少し考えてみたのだけれど、それは「普通」だとか、「一般的」には、とか、「社会人」としてだとか、大人の対応を成人男性として行ってしかるべきなのにだとか、そういうところから逸脱して物を言い、感情をときにおもむろに表し、おかしいことはおかしい、ワルイことはワルイ、ずるいことはずるい、そして俗物的な話題も笑いにかえるのが巧みで、実に豊かな感受性でココロ踊らせ、ひとつひとつ呑み込むような余白ある話しぶりが魅力なのだろうと思う。心身を崩すことも隠さない、「全開人間」。ときには、露わに涙することさえある。そんな風にかつて感情を剥きだしにしながらそれをまたユーモアを交えて言葉に適切に置き換えられることができる人がいたかな、と。体当たりで計算し尽されながらもその原点にある素直な気持ちに触れるとき、ふとココロの襞にじっと沁み入っていくようだ。それはまた、自分のなかにある「子ども」を生かしてくれるコトバでもある気がする。
(つづく)
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memo
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TBS安住アナ「いいとも」出演 他局アナ25年ぶり:
2008.11.25 12:49 産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/media/081125/med0811251255000-n1.htm
TBS安住アナ・いいとも出演で「赤坂のみんなやったよ!」:
2008年11月25日(火) 13時31分 TV LIFE
http://www.tvlife.jp/news/081125_03.php
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●安住紳一郎の日曜天国:
いまから聞ける、至極のオススメ〝小噺〟
美少女30人と刈払機に心躍る秋
2007年09月16日放送分
http://podcast.tbsradio.jp/nichiten/files/20070916.mp3
皆さんは熊本の合唱をする中学生ですか?
2008年10月19日放送分
http://podcast.tbsradio.jp/nichiten/files/20081019.mp3
憧れの寿退社。私は専業主夫になりたい!?
2007年09月30日放送分
http://podcast.tbsradio.jp/nichiten/files/20070930.mp3