『映画は監督のものである』とある韓国俳優が言ったのを覚えている。そして自分は、監督になりたいと。その時、よく理解できなかったが、この映画をみて映画製作の内側がよく分かり、興味深い。監督は俳優にもっとリアルなアクションをと求め、本気をだして共演者を怪我をさせてしまえば映画なんだから怪我させるなと言う。また、何度も全速力で走らされ疲労困憊でも監督が納得するまで走らなければならないからだ。俳優は派手に見えるが、大変な肉体労働である。暑くても汗をみせてはならないし、寒くともシャツ一枚、夏の格好での演技も寒さに震えてはならない。監督が求めるならば。でも、やはり映画は俳優あってこそだとも言える。この作品では、ヤクザに限りなく近いように思える俳優スタと俳優になりたかったヤクザのガンペのせめぎ合いであり、俳優カン・ジファンとソ・ジソブの戦いである。相対することで、互いを知り認めあうようになる。最後の泥の中のシーンは死闘とも言える。俳優の本気度が際立つ作品だ。決して妥協しない二人の俳優の本気に心から拍手を送りたい。
今回、webDICEさんのご厚意でマスコミ、プレス試写会に参加でき大変感謝している。韓国本国では、公開されているものの日本でいち早くこの作品を見ることが出来、幸せだった。
独特の世界観を持つキム・ギドク監督の原案・指揮ということと、ソ・ジソブの除隊後、最初の作品である。特典つき前売り券も2000枚以上売れているということだ。ジソブのファンとして喜ばしきことだ。一つだけ残念だったのは、配給会社の不手際である。プリンターがなく、名前を言えば良いとのことだったがリストもなく、名前を書くのはいいとしても本人確認証明の提示を求められた。パスポートをたまたま持っていたので事なきを得たが、問題はその後に起こった。プレス用パンフレットを渡されたのに追いかけてきて返せというのである。一度渡したものを返せと言われ、非常に不愉快だった。会場でもプレスの人に挨拶するのは良いにしても一般の人への態度の差が明らかで作品を公平に見られなくなってしまったのを申し添えたい。
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