土日と東京新橋のヤクルトホールで行われた、アムネスティ・フィルム・フェスティバルに参加し、朝から晩まで映画漬け。
スケジュールと上映作品は以下の通り。
17日(土)
11:00 『免田栄 獄中の生』(監督:小池征人、1993年、シグロ)
12:35 元確定死刑囚で再審無罪となった免田栄さんと森達也さんの対談
13:30 『にくのひと』(監督:満和勇咲、2007年)
15:00 『アンナへの手紙』(監督:エリック・バークラフト、2008年、スイス)
16:45 『刑法175条』(監督:ロブ・エプスタイン&ジェフリー・フリードマン、1999年、米国)
18:25 『プロミス』(監督:ジャスティーン・シャピロ、B.Z.ゴールドバーグ&カルロス・ボラド、2001年、米国)
18日(日)
11:00 『関西公園 〜Public Blue』(監督:アンケ・ハールマン、2007年、日本・ドイツ)
12:40 『サルバドールの朝』(監督:マヌエル・ウエルガ、2006年、スペイン)
15:10 『スタンダード・オペレーティング・プロシージャー(原題)』(監督:エロール・もリス、2008年、米国)
17:20 イベント カポエイラ 〜日本の中の多文化共生って?〜
18:00 『ヴィットリオ広場のオーケストラ』(監督:アゴスティーノ・フェッレンテ、2006年、イタリア)
作品の内容等は以下のURLを参照。
http://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=1950
チェチェンでのジェノサイドから新生ロシアの「闇」を断固として追い続けたがゆえに、06年に暗殺されたロシアのジャーナリスト アンナ・ポリトコフスカヤを撮ったドキュメンタリー『アンナへの手紙』と、権威主義体制の生け贄として残虐に処刑された左翼青年を描く『サルバドールの朝』は各々一度観たことがあった。
一番印象に残った作品は『刑法175条』、一番考えさせられた作品は『関西公園 〜Public Blue』。
とは言え一番印象的だったのは、一日目のトークショーでの免田栄さんの発言だった。現在83歳と高齢のために、やや反応が遅い点や、司会の搆さん(アムネスティ日本理事長)と森山さんからの質問や問いかけから外れた発言をする点には苦笑してしまった。しかし半生を死の恐怖に怯えながら獄中で過ごすことを余儀なくさせた免罪が、日本社会そのものの前近代的で権威主義的な在り方そのものに起因すること、そしてそれを変えるためには、まず主権者としての権利を行使する際に、利権やしがらみからではなく、国を一人一人の人権保障を第一に考えるように、つまり民主的・近代的に方向に変えるために本当に役立ってくれるのかという観点から、投票する候補者を決めるべきだと、延々と訴え姿には、半生を犠牲にして得た揺るぎない力があった。
貧困問題等でようや広く認識されるようになり始めた、日本の「闇」は、とても根深いものであるということ、自分自身も含め国民も、国の在り方も、根本的に変わることなくしては、その解決は困難であることを、改めて認識させられた次第…。
映画祭とは全く関係のない話では、研究というのはインスピレーションの閃きや、部分的な洞察の面白さではなく、テクストと思想家の体系的理解に裏打ちされた論理展開や説得的な論証に重きをおくべきものであるということを、今更ながら再認識させられた、と言うよりようやく理解出来た。
一日目は帰りに久しぶりに寄った代々木上原の自然食品店で、草木染めの国産オーガニックコットンの長袖Tシャツを二枚購入。金欠だけど、抗菌消臭効果があるし、半額セールだったし、ま、いいか(笑)。
二日目の帰りには、新橋駅近くの鳥取県のアンテナショップで鳥取産葡萄100パーセント使用の赤ワインを購入。夕食はそれを呑みながらヴェジ春雨をソースにしたパスタ。ワインもパスタも美味しかったけれど、フリースにヴェジ春雨をベットリ着けてしまったことを、今日発見(ガチョーン)。まあ、洗濯すれば済むことなんだけど。
今週は月末締切の書評を取り敢えず完成させてしまうのと、同じく月末まで募集の公募の応募に必要な書類をそろえてしまうのと、エコサイコロジーの本を読み込む予定。金もないので、タダ券のある映画を観るくらいしか、出かける予定もないので、集中出来るでしょう(苦笑)。