12月21日(日)
池袋リブロで『実録 この殺人はすごい!』購入。1300円。
ギンレイホールでタナダユキ『百万円と苦虫女』(☆☆☆★)を観る。
百万円をどうやって貯めているのかが一切描かれない。たいして収入の良さそうなバイトでもないのに百万円を貯めるには、普通の生活では無理だろう。喫茶店に入っているようなシーンが何度か出てくるが、百万円を貯める人は入りはしない筈。水筒を常に持ち歩いたり、無駄な電気を止めたり、トイレも流さず1日分まとめて流したり…。節約のハウツー映画にする必要はないが、「百万円」があまりにも記号でしか機能していないのが引っかかる。
作品としては嫌いじゃない。どうもタナダユキに対する圧倒的な讃辞(主にスケベな映画評論家か映画ライターがタナダユキというだけで何でも誉める)と、松江監督に見られるような厳しい意見には、どっちも納得していなかったが、『俺たちに明日はないッス』を観た後にこの作品を観てしまうと欠点は明らかで、主人公と監督自身の距離が近すぎる。それで脚本も自分で書いたオリジナル作品となれば、タナダユキの顔が画面から浮かび上がってくるようで、自意識の発露が、都合の良いシチュエーションと主人公以外の人々の都合のいい行動、台詞となって出てくるのが鬱陶しい。田舎のシーンなど特に作為的すぎて不快。冒頭の嶋田久作とのあまりにもステレオタイプな台詞のやり取りもどうなのだ?
しかし、終盤の地方都市での森山未來との関係性などは、やはりタナダユキの非凡な才を見せているとは思ったが、結局あまり巧くもない作為性が邪魔していた。
ラストは目線が合ってしまっているのでは?という意見も耳にしたが、蒼井優が合ってて敢えてそうしたのだと解釈すれば面白いが、森山未來の目線が蒼井優を見てしまっているようにも思えなくもない。
タナダユキの本領発揮は、他人の脚本(向井康介)で、男子を主人公にした『俺たちに明日はないッス』での距離感が演出で昇華されるのを待たねばならない。
パンフレット購入。700円。
飯田橋のブックオフで中古DVD『YUMENO』購入。1500円。劇場で観たのが懐かしい。
仕事へ。早く終われば誘われていた忘年会に顔を出そうと思っていたが無理だった。
夜、近所のTSUTAYAで、渡辺ペコ『ラウンダバウト』の3巻を購入。
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