12月13日(土)
新宿TSUTAYAでセルDVDが全品20%OFFなので、ジョン・カーペンター『要塞警察』購入。3100円ほど。
吉祥寺に向かい、バウスシアターで21時から並びはじめて21時半から配布開始の「門外不出! 8ミリ映画地獄篇」の整理券を待つ。そこまで早くから並ぶ人は予想に反して少なかったが、開場してみると9割席が埋まる盛況ぶりだった。上映作品は、篠崎誠『霊感のない刑事(長尺版)』(☆☆☆★★)、篠崎誠『デスラトル』(☆☆)、鶴田法男『トネリコ』(☆☆☆)、田山秀之『東京から遠くはなれて』(☆☆☆★★)、万田邦敏・黒沢清『逃走前夜』(☆☆☆★〉、塩田明彦『優しい娘』(☆☆☆★〉、高橋洋『夜は千の眼を持つ』(☆☆☆★)、高橋洋『ハーケンクロイツの男』(☆☆☆★★)の8本立て。『デスラトル』上映後に篠崎誠×高橋洋×鶴田法男のトークショーがあった。
『東京から遠くはなれて』『逃走前夜』『優しい娘』は再見。それにしても外れなしの濃密なオールナイトだった。短編とはいえ、8本にもなると観る方の疲労もたまるというものだが、全部面白いのだから疲れていられない。『デスラトル』だけは長過ぎると思ったが、描写は凄いし何より17歳の時に作ったと知って茫然となった。
トークではそれぞれの持ち寄った活劇的な一景をスクリーンに上映しながらのトークとなり、鶴田法男は『唖侍鬼一法眼』『要塞警察』、高橋洋は『ザ・シャウト』『神獣の爪』など。今日たまたま買ったばかりの『要塞警察』が上映されたので驚く。良いタイミングで買ったものだ。
再見したかった『東京から遠くはなれて』はやはり傑作だった。素人たちばかりの筈なのに、あの演技はどうやったら引き出せたのだろうか。黒沢清のヤクザも凄い。当時から既に演技者として異彩を放っている。俯瞰で段ボールを使って殴るシーンに、まさかこの後段ボールに取り憑かれようとは、と思う。
そして今回の目玉というか映画美学校の上映で見逃していた高橋洋の監督作『夜は千の眼を持つ』『ハーケンクロイツの男』をようやく観ることができた。個人的には『ハーケンクロイツの男』の方が好きだが、『夜は千の眼を持つ』の子供が不気味な歌を唄いながら縄跳びするシーンの反復や、『ハーケンクロイツの男』で風呂場の曇りガラスに浮かぶ笑い顔や、天井板を押し上げると階段が降りて来て天井裏部屋に通じる部屋の不気味さ、夜の道を走る車中を街灯が一定のリズムで照らし出す恐怖など、既にこの時期から高橋洋は高橋洋なのだと感嘆する。
『黒沢清デラックス』という15年前のアテネ・フランセでの黒沢清初期作上映会用に作られたパンフレットが限定で売られていたので早速購入する。こういうものが作られていることを知らなかったので驚く。500円。
上映終了後、外に出ると雨が降っていた。
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