11月22日から銀座のシネスイッチで『未来を写した子どもたち』という映画が始まりました。2004年度のアカデミー賞・最優秀ドキュメンタリー賞を受賞した作品。
映画のオリジナルタイトルは『BORN INTO BROTHELS:CALUCUTTA’S RED LIGHT KIDS』。直訳すれば、売春窟(くつ)に生まれて:カルカッタの売春宿の子どもたち・・・でしょうか。このタイトルのとおり、映画はインド・カルカッタ(現在はコルタという地名)の売春窟で暮らす子どもたちと、彼らにインスタントカメラをもたせ、写真を教える写真家のザナ・ブリスキを追った作品です。
もともと売春婦の写真を撮ることを目的に1998年にインドにやってきたザナは、そこに暮らす子どもたちと出会い、子どもに写真の撮り方を教えはじめます。子どもたちの母親は売春婦。まだ幼い少女も、年頃になれば、母親のように売春をし、家族を支えなければならない。そんな将来を子どもたちは小さいながらも、感じ取っているのです。
そんな子どもたちを学校に入学させようと、ザナは行動します。しかし、売春婦の子どもを受け入れると言ってくれる学校は多くはなく、そう簡単にはいきません。
子どもたちがどうなったのかは、映画を見てください。
この映画から私が感じたものは
希望と現実
子どもと大人
です。
こうなりたい、こうだったらいいな、という希望と、
それを阻む現実。
そう簡単には変えることのない現実です。
いろいろなことを吸収して、大人になっていく子どもたち
子どもに何を与えることができるのか
親は何を子どもにしてあげられるのか
親ではなくても、周りの大人ができることは
家族でない大人ができること、できないこと、可能性と限界とは
こんな思いが錯綜するなか、映画はエンディングを迎えました。
そして、改めて、映画のタイトルに目を向けて、ぞっとしました。
『未来を写した子どもたち』
子どもたちが写した未来は何だったのでしょうか?
映画では、インスタントカメラを手にした子どもたちが撮影した写真が何度も登場します。
写真には、子どもたちの住処である売春窟のさまざまな風景もあれば、
動物園の写真、兄弟の写真などさまざまです。
そして、もう一つ思うのは、写真とは、写真を写す人間が切り取る生活の一部でもあること。
何を写して、何を写さないのか。
そこには選択の自由があるのです。
売春窟の子どもには、自分の将来に対する選択の自由があるのでしょうか?
公式ホームページに掲載されている子どもたちの集合写真が、
映画を見終えた後、胸に迫ってきました。
ぜひ、映画館に足を運んでください。
●写真展@劇場
公開初日から上映終了まで、劇場にて写真展が開催されているようです。
11/22より映画が公開されるシネスイッチ銀座のロビーにて、子どもたちが写した写真42点を展示します。 ぜひ映画と一緒にご覧下さい。
08.11.18
(公式HPより転載)
●写真展@JICA地球ひろば
「未来を写した子どもたち」写真展を開催。映画に登場するカルカッタの子どもたちが写した写真の展示。
JICA地球ひろば http://www.jica.go.jp/hiroba/
11月30日(日)迄
●公式サイト
未来を写した子どもたち http://www.mirai-kodomo.net/
注意:音がでます
●写真集
アマゾンに『未来を写した子どもたち』で登録ありますが、
現在取り扱っていないようです。
●ザナが設立したNPO
キッズ・ウイズ・カメラズ http://www.kids-with-cameras.org/
映画にでてくるザナが2002年に設立したNPO。社会的に無視されている子どもたちに写真を教えています。
同じ内容をhttp://alterna.justblog.jp/blog/2008/11/post-a096.html にも掲載しています。