芝居はきっとこれで、役者はきっとこれで、演出はきっとこれで、本を書くとはきっとこれ。そんな芝居を観た。興奮がオサマラナイ。笑っているうちに泣いていた。自意識が飛ばされていった。明日明後日まで。スズナリに急げ。感想というものを書こうなんて代物ではないくらい、よかった。綿密な戯曲、綿密な演出、綿密な演技。近ごろのあたしは役者はその役者が舞台の上にいることではないかと答えに辿り着いている。その同一線上にあることだと想うが、今日の役を演じた下條アトムさんの日常も人となりも知らないが、この人の芝居を観ているうちに、この役者自身が浮き彫りになってきた。いや、そう思い込んでしまった。この役はアトムさんではないことは確かなのに、錯覚していくのだ。これは一瞬たりともこの役者が停まっていないからにちがいない。後半の明かりのタイミングにちょっと欲もでてしまうが、欲は深いものだから、いっか。演出と役者のいい呼吸と信頼がみえる。なんて理想的なことなんだ。あたしは鳳さんのことば遊びもしつこくて大好きだ。ことば遊びをたった数秒で劇的に変えてしまう作劇の巧さと演出。オソレ入谷の鬼子母神よ。こういう演劇的、劇的なものが、まだまだあるってこと。稽古は強いってこと。ブラボー!作・演出 鳳いく太、出演 下條アトム 思ヒ出二、タダイマ! ☆観たい方はチケットややこしいので、あたしまで。4000円
下北沢 ザ・スズナリ
25日 土曜日 14時
26日 日曜日 14時
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