本日見たのは、上記発売DVDのうち、その中心的な作品ともいえる52分間の「ヴォイス・オブ・エンジェルズ」と18分間の「微熱」。ドキュメンタリーの「リジョイス」が見られなかったのは残念だったが、それなりの意図があってのことだろう。
しかし、70分見終わって、一番感じたのが、もっとドキュメンタリーで、少年合唱団の歌声をしっかりと聴きたかったということ。だからこそ、「リジョイス」がDVDには入っているのだろう。
では、見た2作品はどうか?はっきりいって不思議な作品だった。ベルギーの作品でフランス語で作られたとあっては、フランス文化圏らしく独特の美を堪能できたのは間違いないが、いまひとつ奥行きのなさをどうしても感じざるを得なかった。
全編を通じて、短い命の散り行く花だからこそ美しい少年ソプラノだけれども、それならばもっと、深くどこかで掘り下げるか、あるいは、徹底的に美しい声で魅了してもらう場面がどうしても必要だったように感じる。
そして最後に残った疑問は、それならどうして少女ソプラノではだめなの?という疑問。ヨーロッパだからこその宗教的な意味合いもあるのだろうけれども、日本のヴューアーが見るには、もうひとつ何かが物足りなかった。
以上、不満はあるものの、映像は独特の美しさ、全編流れる(ぶつ切りなのは仕方ないとして)美しい音楽、独特の角度からの合唱団に在籍する少年の表情は楽しめた。