2008-09-20

ウンベルト・ステファネッリ 「...I Stand At The Door And Knock」 このエントリーを含むはてなブックマーク 

ウンベルト・ステファネッリさんの展覧会を見に行く。
僕は、神田の現像所を利用しているのだが、その現像待ち時間をいかに有意義にすごすかが、テーマでもある。だから、おもしろそうじゃなくても写真展は、そこそこチェックしている。

今日は、久しぶりに、おもしろかった。靖国神社の南に、イタリア文化会館というのがあり、そこでやってたので、距離的にも都合が良かった。

和紙や金箔の上に、写真乳剤を転写するという特殊技法で制作されている。
詳しくは、下記参照されたし。
http://www.polaroid.co.jp/product/business/emaljon/image_manual.html

ポラロイド社が、インスタントフィルム業界から撤退したのは残念だ。
ちなみに、ポラロイドって、すっかり、一般名刺になってるが、あくまで会社名、ブランド名であり、インスタントフィルムというのが、商品カテゴリーの名称だ。他社であるはずのフジフィルムのポラロイドといういい方まで存在するが、正確には、フジフィルムのインスタントフィルムという。ポラロイド社撤退の理由はみんな知ってる。フジの方がきれいだから。

僕は、駆け出しカメラマンだった時代、しばらく、ポラロイド社の製品ばかり使っていた。それで、どうして、他のカメラマンのようにきれいにならないのか悩んでいた。紙を剥がすのが下手なのだろうかとか。いろいろ試したけど、わからなかった。最後に試してみたのがメーカーを変えることで、あっさりと解決した。なあんだ、どうりでみんなフジを使うわけだ。

ただし、商品ラインナップは、ポラロイド社の方が充実していた。とくに、バイテンサイズと呼ばれる20cm×25cmサイズのインスタントフィルムは他社にはない。

今回のウンベルト・ステファネッリ展で用いられていた画像転写もバイテンサイズだ。シノゴサイズと呼ばれる10cm×12.5cmサイズより一回り小さいものならフジフィルムにもあるが、これでも、画像転写はできるのだろうか?
できたとしても、ちょっと、迫力に欠けるので、積極的にチャレンジする気にはなれない。

一応、僕も、写真家の端くれなのでわかるが、ウンベルト・ステファネッリ展で展示されていたものは、けっして一発で、バイテンポラロイドで撮影していない。中には含まれているかもしれないが、大半は、一旦、もっと小型カメラで撮影し、それをプリントしたものか、ポジ自体を、バイテンポラロイドで複写している。たぶん、ネガで撮影して、プリントした物を複写しているのが大半だ。

自分がしたことのない技法を見ると、チャレンジしたくなるが、もうチャレンジするための材料がない。ここ数年、アナログが、ひとつひとつ消えていっている。さびしい。

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米原敬太郎

ゲストブロガー

米原敬太郎

“ビジュアルショックフォトグラファー”