宮崎駿も真っ青!?『天才祭りのはるか彼方へ』『鉄コン金クリート』のなんたらという
キャッチでつられて行ってしまったが、予想以上のできばえだった。
スピーディーな展開と、緻密なアニメーション映像の動き。ストーリの面白さ。どれをとっても今までのアニメーションの中で最高峰の映画である。(いいすぎ?)
中でも、前田監督の『GALA』と田中監督の『陶人キット』は見ものである。
何が面白いかって言うと、『GALA』は、日本人が好きそうな、言ってみれば宮崎映画のアニメのような古代大和大国の文化?を伝えるような、遥か昔の日本の風習を漂わせつつ、それでいてどこかグロテスクな危険度で迫力満点のアニメーション技術と次に何が出てくるかわからない、わくわく、ドキドキするような
展開にいつの間にか、大和大国のスペクタクルに引きづり込まれてしまう。ストーリーはあるのだろうが、内容以上に、もちろん内容があってこそなのだろうが、アニメ本来の動きとグラフィックモーションで観客を楽しませてくれるのではなかろうか。
『陶人キット』は、グロテスク。だけど、『GALA』とは対照的に、無機質な近代社会ニッポンの病的な興奮を活性化させる。確か、このアニメは言葉は一切発せられなかったと思うが、
手塚治の近未来マンガに出てくるような、どこか毒々しい危険さと、はかなさが感じられた。
こわい、気持ち悪い、かわいそう、という言葉は出てくるが、見終わった後、心に残るのは
我々、子孫への切実な”平和な暮らし”な願いなのではと、一人ごちてしまった。
必見の映画である。