ファヴェーラ、という日本人は聞きなれない異国の地。
でも、そこで生きているのは私たちとなんら変わらぬ人間である。
親もいれば、恋人もいて、セックスをすれば子どもができ、
大事な友人がいて、喧嘩もする。
ただ、ファヴェーラが日本と違うのは、そのBGMは銃が発砲する乾いた音であり
人々はしばしばマフィアの闘争で寝る場所がなくなってしまう。
しょっちゅう人が死ぬ。誰かが”いなくなる”ことは日常。
それでもそこを好んで住む人がいて、その結果そこに新しく人が生まれる。
そんな世界に住む二人の青年の人生を、ざらりとした明るさと陽気な映像で
切り取ったのがこの映画だ。独特のラテンのエネルギーにひきこまれ、
観た後はちょっと消耗するが、それでも、大事な親友とまた観にいきたくなる映画である。