118分!の夢の世界に迷い込んだようであった!
インド、ドイツ、イタリア、南アメリカなど世界各国を一つの物語とともに
時空を超えさまよっていたのであろう。それは、ひとえに主人公のアレクサンドリアとロイ・ウォーカーが紡ぐ世代を超えた人間どうしの付き合いと、ひとつの
壮大な物語が、我々見るものを夢の世界へと引き連れてくれたのだ。
この映画を見て、昔見た『ダスト』という映画を思い出した。
”どうか、私という物語を忘れないで!”
世代は去り、次の世代がくる、世界の事物は瞬く間に変わっていき、何年先その人の存在などはなくなるが、”物語”が存在する限り、人間が存在する限り”物語”は引き継がれていき、人々を夢の世界に引き連れてくれる!
『落下の王国』原題『The Fall』は、それぞれの解釈があると思うが、”物語”という物体が現在から過去へと落ちて行き、それを見守っているのは、我々観客である、という映像作家のターセムから突きつけられた挑戦状のようである。