何処にでもありそうな平凡な一親族達の日常を、下手をすれば単なるそれだけの「つまらない」映画となりかねない、そんな危険をはらんだ単純なストーリー展開でしたが、それを、「普通に面白い」佳作に仕上げた是枝裕和監督以下、制作者陣の力量と言うか底力を観終えって感じました。
勿論、各役者達の見えないけど、確かにそこにいる存在感を与える演技力も見所のひとつでしたが。
表層上の展開はとても静かですけど、上記の通り巧みな演出力で最後迄観客を飽きさせません。
脚本も、「これで映画を作れ」と言われたら、力の無い脚本家は、断るか、非常につまらない脚本を仕上げるかと思われ。 しかし、各シーンの何気ない会話で観客の笑いを取っているのは、素直に凄いなと。
平凡で億劫だけど、小さな幸福、不幸、それらが絡まり合いながら、こうやって「普通の日常」は淡々と進行するのだろうと観客は感じる筈。
これを映画化した是枝裕和監督は、映画「誰もしらない」同様、確かな実力派監督と言えるでしょう。
普通に愉しめました。
あと、サントラはゴンチチでしたが、上手くこの映画とマッチしていました。彼等のゆる~い、まったり感がこの映画にはまって、、、心地よい空気感を醸し出して、見事に映画にマッチしていましたね。