2008-07-13

「落下の王国」レビュー このエントリーを含むはてなブックマーク 

原題「THE FALL」の示すとおり、キーワードは「落下」である。
主人公のロイがスタント中の事故で落下するシーンをモノクロのハイスピード撮影の連続で見せるオープニングで始まるその物語。微速度で動く写真集のようだった。病院でオレンジの木から落下し、手を骨折したアレクサンドリアに出会い、自殺を図るロイはアレクサンドリアに薬を取ってこさせるため、作り話を始める。二人はおとぎ話の世界に落ちていくのだ。

この映画は世界遺産13箇所、24カ国で撮影されたということだ。私も訪れた覚えのある場所がいくつかあったのだが、その風景が一つの物語の流れの中でつながり、違和感を感じさせない。
そのカットの一つ一つが写真集のようである。

物語が進行していくにつれ、ロイとアレクサンドリアは自分たちの創り出した虚構と現実の事件がクロスオーバーしていき、自らの運命を左右していく。

ターセム監督は自費でこの映画を製作したというが、CMなどの撮影技術の経験の蓄積があって始めてこの映画の完成度があるのではないか。

映像美を感じる映画を見たい人にはお勧めできる映画であると思う。

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LEO SATO

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