2008-06-27

「赤い風船」「白い馬」試写会、感想。 このエントリーを含むはてなブックマーク 

最初に「白い馬」の上映、時間は40分の短編。

白黒ですが、1953年にカンヌでグランプリ受賞作品です。

主人公の家とか、おじいさんとか、妹とか、映画全体に漂う雰囲気が「飛行石が降ってきたぞ!」的な、宮崎駿の世界観っぽくあり。何かほのぼのと、鑑賞中は只ひたすらまったりしていました。

短編ですが、馬同士の格闘シーン?とかありますけど、VFX技術がない(当たり前だ)時代に、実に、見事にその辺を撮影しています。 やはり、忍耐強く調教したのでしょう… 結構短いですけどそんな見所がある映画です。 今観ても「出来が良い」と思わせるのは、やはりグランプリ作品だからでしょうか?

40分の短編だからと侮れない、いや、40分の尺だからこそ、これだけ濃密な映画を制作できたのかも知れません。 面白かったですよ。「赤い風船」目当てに来たのですけど、意外と掘り出し物的な映画でした。

インターミッション無しで(当たり前)、次は「赤い風船」の上映。

上映時間は30分、これも同じく1956年にカンヌでグランプリ受賞しています。

ちょっとポエトリックなお話。ですが、これも、「この時代に実に巧く撮影しているなぁ」と主人公について回る風船に感心。 映画的に、30分の作品を映画と言うべきか躊躇われますが、しかし、これだけ上映時間中に破綻の欠片も見せない画は「映画的」と言って差し支えないかと思います。

いわさきちひろって人が、絵本の題材にしたくなる、そんな理由も分かります。実にポエトリック、且つ、短いながらこれも要所要所が面白い。

50年代当時にカラー映画って珍しいと思うんですよ、で、そのカラー映像を巧みに利用したラストは、「嗚呼、当時の人はこう言うのを観るときっと感動するんだろう(絵的に)」なビジュアル感覚もとても優れています。 まぁ、グランプリ受賞作品ですからそんなの当たり前と言えば当たり前。

前記の「ポエトリック」なのって、「風船が可愛い」のですよ、健気で、風船故の儚さとか。

こちらは、カラー映像だからか、「美しさ」ってイメージが鑑賞後の印象に残りました。

どちらもお勧め、今観ても、色褪せない、そんな完璧で破綻のない詩的映像感覚は鑑賞者に居心地の良い空気をもたらすでしょう。

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breakupme

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“試写会ホリック”