映画のパンフだけを見ると「ターゲットは女子かな?」と思いますが、この映画は是非、男性にも観て欲しいです。
端的に言えば、ソフトにした映画「リリイ・シュシュのすべて」でしょうか? あっちは、レ○○とか凄まじく観終わった後、鬱になりますが、今回の映画は、観終わった後、清々しさ、そんな気持ちにさせてくれました。
男子生徒同士の確執、いじめ等も取り上げ、なので、決して、パンフの二人の少女に騙されてはいけません。
病気故、クラスから孤立した二人、この二人の少女は、決してお互いを溺愛せず、一定の距離感を最期まで置いています。 でも、心の何処かで繋がっている。その辺のさじ加減が、良い意味でのドライ感覚と言うべきか、この映画の感触を観ていて居心地の良い空気感を鑑賞者に与えているかと思います。
15歳の日常を捉えた、下手をすると、只それだけの、つまらない映画になりかねない危険もはらんでいる、そんな原作を、ちょっと追い切れなかったですが、巧く処理していると感じました。
映画を観終わった後に「原作も読みたくなる」そんな最近の邦画ではなかなかの佳作と思える映画です。
125分と長尺ですが、その長さを感じさせない作りに、監督以下、制作者陣の力量を見た感じでした。
素直に「良い映画だよ」と言える作品かと。