annapriqueさんの日記
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2010
2月
07
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男女の往きて還りし物語
これは男女の往きて還りし物語だ。静謐で規則正しい日々から夫と妻がそれぞれ出てゆき、そしてゆっくりと戻ってくるお話。彼らの暮らしは穏やかだけれど、時計の刻む音やマッチを擦る音がその静けさを増幅させていて、言葉にならない言葉が部屋中に隙間なく充満して息苦しいほど。その充満した気圧から逃れるように窓を開ける瑠璃子と大音量でゲームをする聡。 登場人物たちのなかで、私には聡だけがふつうだと思った。他の...
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