大﨑 雄二さんの日記
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2013
10月
07
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『もうひとりの息子』クロスレビュー 人間の可塑性というひとすじの光
同様に新生児の取違え事件を題材とした『そして父になる』(第66回カンヌ国際映画祭審査員賞受賞)で脚本も担当した是枝裕和監督は、「血のつながりか、愛した時間か」という命題をたて、私たちに「親子とは、家族とは」というきわめて原初的ながらも「正解」の存在しない問いを投げかけている。この映画、『もうひとりの息子』 は、そうして改めて父となり、母となり、きょうだいとなるという二つの家族の試練を描きながら、...
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2009
9月
27
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世界の現在(いま)と真実(ありのまま)を凝縮した65分
この映画が描き出しているのは、現代社会、否、欲望むき出しの人間社会の本質である。それは、「新自由主義」だとか「『テロ』を生む社会的背景」だとかというお行儀のよい言葉でくくられるレヴェルではない。さらに原初的なケダモノの仲間としてのヒトの集団のありのままの姿だ。 佐野監督は、そうした真実を覆い隠している「美しい羽衣」をやさしくはぎ取り、ウジがわくほど汚い弱肉強食のドロドロを我々の前にそっと...
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