nishidaさんの日記
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2010
3月
20
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それぞれのホーミーが、それぞれの場所で鳴っている。
映画の冒頭、主人公のひとりであるザヤーが、アパートの屋上に立ち、ホーミーを奏でるシーンがある。大都市ウランバートルに職を求めたこの若者が、このとき何を想い、そして歌うのか、観客はまだ知らされていない。東京ほどではないが、鉄筋コンクリートのビルが建ち並ぶ近代都市、夕陽に染まる空に向かって放たれる、あまりにも強く叙情的な唄。何ら説明もなく挿入されるわずか数分間のこのシーンに、感情が強く揺さぶられ、迂闊...
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