marble*さんの日記
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2011
12月
02
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『瞳は静かに』クロスレビュー:眼差しのむこうにあるもの
この作品で一番印象に残ったのはやはりアンドレス役の少年の瞳。 とても印象的で素晴らしかった。『瞳は静かに』という邦題にも納得。 アルゼンチンの歴史について、正直あまり詳しく知らなかったこともあり、 鑑賞後にいろいろと知ることが多く、考えさせられてしまった。 子どもの心はとても繊細で、大人が思う以上に敏感に周囲のいろんなことを 感じとっている。小さいなりに一生懸命に理解しようとしてい...
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2011
10月
24
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『サルトルとボーヴォワール 哲学と愛』クロスレビュー:哲学について考える。
サルトルとボーヴォワールの神話は、「契約結婚」というセンセーショナルな 言葉が一人歩きし、写真で見るその姿は、2人の偉才がシュールな関係を まるで誇示しているかのように、そして、苦悩と無縁の世界がそこに あるかのように映っている。 しかし彼らの関係が、2人であったからこそ、また2人でなければ 成立しなかったということをこの作品を通じて感じることができた。 サルトルやボーヴォワール...
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2011
6月
11
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『BIUTIFUL ビューティフル』クロスレビュー:すさまじくも荘厳な生きざま
過酷な現実。逃れられない運命。思わず目を背けたくなるような悲惨な生活の中で、あるかなしかの活路を見出そうともがく、ハビエル・バルデム演じるウスバルの姿にスクリーンから一時も目が離せなかった。 それは、異なった現実に生きる困難な道のりを生きる者に共通な生きざまを彷彿とさせる。家族を守ること、残される子供たちにできるだけのことをする、そして、ただ生き延びるだけのために。何でもやる男の姿だ。 ...
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2010
7月
28
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『ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』クロスレビュー:この国の美術館は、市民が作る偉大な作品だ
この映画を見てよかったのは、芸術のことをこの上もなく大事に思う人たちが、日々の生活を新美術館のために奉仕し、その完成を夢見ている姿、そのリアルな姿を見ることができたことだ。 学芸員たちは、膨大なコレクションが新しい居場所を与えられ、芸術たちがまた輝きだす日を心待ちにしている。コンペを勝ち抜いた建築家は、考え抜いたプランが立ち上がり機能する日のために、忍耐強く設計のやり直しを行う。警備員は、置...
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