ぶんさんの日記
-
2013
11月
05
-
『マイ・マザー』クロスレビュー:ぶつかりあう“葛藤”
この映画を観ると、ほとんどの男性は自分が思春期だったころの母親との関係が思い出されて、主人公に感情移入できるのではないだろうか。 幼いころは母親からの愛情を素直に受け入れいたはずなのに、いつから耐え難く受け入れられない存在になってしまったのか。そして、また母親もいらだつ息子を受け止めきれないように見える。描かれる母子の衝突は誰もが経験したような出来事が多い。母親の服装が気に入らない、食べ方が...
-
2012
11月
29
-
『サイド・バイ・サイド:フィルムからデジタルへ』クロスレビュー:映画への愛情と情熱
日本でも富士フィルムが映画フイルムの生産を中止したり、デジタル化に対応できない映画館が閉館するといったニュースが伝えられ、映画のデジタル化ということに関心があったのでとても興味深かった。 公開されている映画がその完成までの過程で大きな変化が起きているということにまず驚かされた。劇中でも紹介されているが、技術開発によってデジタルカメラの性能が格段にアップしたことやスムーズに撮影が進められるとい...
-
2012
9月
16
-
『ハンガー・ゲーム』クロス・レビュー:主人公カットニスのアクションをもう少し楽しめたら
アメリカでは4週連続1位になっていて原作も人気があるという。しかし、観終わって感じたのは物足りなさだった。 ゲーム開催までに訓練を受ける過程で、元優勝者のアドバイザーやスタッフのスタイリストらとの連帯感の芽生えや、同地区のプレイヤーであるピータから打ち明けられた想いへの戸惑いなどが描かれる。また、ゲームが開始してからもピータとの関係や最年少プレイヤーであるルーとの交流といったドラマが中心にな...
-
2012
8月
08
-
『わたしたちの宣戦布告』クロスレビュー:いっそう強くなる二人の絆
まずタイトルの『宣戦布告』という言葉がとてもインパクトがあった。 カップルの名前がロメオとジュリエット。「私たちは悲劇の恋人?」ジュリエットが笑いながら言う。惹かれあって結婚し、息子のアダムを授かるまでの幸せそうな二人がスクリーンに映し出される。そして“悲劇”が起こる。アダムを襲った脳腫瘍という病。 結婚してもそれぞれの夢を追い続けていた二人は現実と対峙することになる。イラクへの攻撃を伝え...
-
2011
6月
29
-
『ミラル』クロスレビュー:愛と教育が築く平和
映画の冒頭にアラブ、ユダヤ、イギリスと国籍・宗教の異なる人々が一緒になってホテルでクリスマスを祝うシーンがあります。イスラエルの建国が宣言され、現在まで続くパレスチナ問題が起こる以前のこのシーンはとても印象的でした。 主人公はミラルというアラブの女性ですが、もう一人、ヒンドゥ・ホセイニという女性が登場します。彼女はイスラエル軍の侵攻によって、孤児となった子供達を引き取り、私財をつぎこんで...
-
2010
7月
06
-
『ぼくのエリ 200歳の少女』:情感漂うホラー映画
スウェーデン映画の「ぼくのエリ 200歳の少女」を観て、とても詩的で情感のある映画だと思った。 暗闇に舞う雪、その雪に包まれた夜の町を見下ろす主人公の少年・オスカー。窓ガラスに映る彼の孤独な表情から映画は始まる。彼は両親が離婚したため、好きだった父親と離れ母親と暮らしている。学校では友達もいない。いじめを受けているがそのことを母親は気付いていない。毎夜、やり返す練習をしているが、そんな勇気はなく...
-
2010
5月
28
-
『ザ・コーヴ』クロスレビュー:アカデミー賞は受賞したけど…
日本で行われているイルカ漁を扱ったドキュメンタリーで今年のアカデミー賞を受賞したこともありとても興味があった。 リック・オバリーは『わんぱくフリッパー』の調教師だったがイルカが死んだことからイルカ解放活動家になった。彼と撮影隊が和歌山県太地町で食用にするために密かに行われているイルカ漁をカメラに収めようとする。その課程はスパイ映画を観ているよう。ダイバー、特殊効果マン、軍経験者、素潜りチャン...
- 1-7/7