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2016-05-16 00:40


京都の劇場みなみ会館がD.ボウイ初主演作を買付

京都の劇場みなみ会館がD.ボウイ初主演作を買付
写真:『地球に落ちて来た男』より © 1976 Studiocanal Films Ltd. All rights reserved.

1月10日に亡くなったデヴィッド・ボウイの初主演作で、ニコラス・ローグ監督の1976年の作品『地球に落ちて来た男』が、京都の映画館みなみ会館の出資により、7月16日(土)からロードショー公開されることになった。本作を提供することになった経緯について、2012年より館長を務める吉田由利香さんに電話で話を聞いた。

「これまでも、オールナイトの上映のために1日限定で海外から権利を買い付けてきて日本にある素材で上映してきたことはあったのですが、ロードショーとしてできる旧作をこの1、2年探していたんです」

『地球に落ちて来た男』はウォルター・テヴィスの同名SF小説を『美しき冒険旅行』『赤い影』を手がけたローグ監督が映画化、新天地を求めて地球に降り立った宇宙人をボウイが演じている。今年4月にはYEBISU GARDEN CINEMAで開催された「commmons10健康音楽 爆音映画祭」で上映された。このイベントに協力していたのが「爆音映画祭」の運営で知られ、今回配給を担当するboidだった。「樋口泰人さんがboidで行ってきた過去作の権利を買い付けてきての上映をやってみたいと思っていたのと、デヴィッド・ボウイが亡くなった直後ということもあり、追悼上映としても、いま上映するならいちばんぴったりな作品だと手を上げました」

本作のみならずボウイ好きのスタッフの総意で買い付けを決定。1988年生まれの吉田さんにとってボウイは「後追い」でその存在を知り、「はっきり言って細かい内容はあまり覚えてなかったです」と笑うが、「ほんとうにボウイが美しくて、ビジュアルに訴えかける作品」とクオリティについては太鼓判を押す。

買い付け金額については非公表だが、「むちゃくちゃ高いというわけではなく、手が出る範囲でした」。初めての試みということもあり、権利交渉については配給を担当するboidに依頼したものの、今後は交渉の部分も含め、評価の定まっている旧作を上映できるようにしていきたいと展望を明かす。「新作については、それぞれの配給会社にやっていただいて、日本で観られない埋もれてしまった名作をきちんとかけていきたい。そうした映画が思い出に残っている方が、久しぶりに観に行ってみようと、映画館に足を運んでもらえるきっかけになったら嬉しい」

みなみ会館を運営する巌本金属は、2015年に公開されたグザヴィエ・ドラン監督の『Mommy/マミー』を鈍牛倶楽部と共同で提供しているが、吉田さんは「今回は自分たちの映画館でかけられるものを、ということで『映画館発信』でやっています」と現場からの声で生まれた企画であることを強調する。「大阪のシネ・ヌーヴォもそうでしたが、かつてのように映画館が旧作の権利を持って映画館から発信することがまた増えていったらいいなと思います」




映画『地球に落ちて来た男』

映画『地球に落ちて来た男』
7月16日(土)よりユーロスペース、シネマート心斎橋ほか全国順次ロードショー

監督:ニコラス・ローグ
脚本:ポール・メイヤーズバーグ
原作:ウォルター・テヴィス
音楽:ジョン・フィリップス、ツトム・ヤマシタ
撮影:アンソニー・B・リッチモンド 
出演:デヴィッド・ボウイ、リップ・トーン、キャンディ・クラーク、バック・ヘンリー 、バーニー・ケイシー、ほか
原題:The Man Who Fell To Earth
1976年/イギリス/カラー/139分/デジタル
提供:京都みなみ会館、boid
配給:boid

【先行爆音上映】
「爆音映画祭 in 京都 2016」 :5月19日(木)、20日(金)
「爆音映画祭 in 神戸 2016」 :7月16日(土)~22日(金)[予定]
*以降、「爆音映画祭 in 仙台」、「YCAM爆音映画祭2016」でも爆音上映

京都みなみ会館公式サイト:
http://kyoto-minamikaikan.jp/

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