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2016-03-30 11:30


中国の青島が文字通りアジアのハリウッドに

中国の青島が文字通りアジアのハリウッドに
2017年に完成予定の中国版ハリウッド「青島東方影都」

先週、中国電影事業管理局は、年間興行収入のうち外国映画の占める割合が1/3以下の映画館チェーンには通常5%の税金を半分にすると発表した。

これは国内映画産業の保護政策の一環で、中国はこれまでにも動員が増える夏季や祝祭日に外国映画の上映停止期間をもうけたり、映画の年間輸入枠を34本とする割当制度を施行したりしている。2011年までこの輸入枠は20本だったが、アメリカが世界貿易機関(WTO)に中国を提訴し2012年に34本に広がった経緯がある。ただ、不動産開発大手の大連万達集団(ワンダ・グループ)は、ハリウッドのレジェンダリーを買収しており、今後レジェンダリー作品は中国映画として中国では公開されるので、外国映画枠34本にはカウントされないと思われる。

2015年の中国の総興業収入は、前年比48.7%増の約8160億円と驚異的な伸びを見せた。現在、世界第1位の北米市場の2015年の興行収入は約1兆3300億円だったが、2017年には中国が抜くと予測されている。ちなみに日本の2015年の総興行収入は2171億円と中国の4分の1。

また、2015年の中国の総興業収入のうち、中国映画が占める割合は61.6%で、2016年は3月時点で70%を超え、ハリウッド映画が占める割合は下がり続けている。

2017年には、ワンダ・グループが手掛ける中国版ハリウッド、「青島東方影都(オリエンタル・ムービー・メトロポリス)」が山東省青島に完成する。20の撮影スタジオや音響施設、アニメ製作所などを備え、外国映画30本を含む年間100本の映画製作を想定した世界最大の映画スタジオとなる。また青島国際映画祭も計画されているという。

【参照元】

China to Reward Cinemas for Favoring Local Films Over Hollywood Imports(「Hollywood Reporter」2016/3/27)

「世界第1位」達成予想は3年後、中国映画市場の2015年度興行収入は8160億円―中国(「レコード・チャイナ」2016/1/3)

青島に「中国版ハリウッド」 大連万達が8000億円投資(「日本経済新聞」2013/9/24)

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