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東京都 渋谷区

2016-03-23 15:45


映画公開!バンクシーは「世界を変えたい」と言った

映画公開!バンクシーは「世界を変えたい」と言った
映画『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』より

2016年3月26日(土)より渋谷シネクイントで、4月2日(土)より渋谷アップリンクでロードショーとなる『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』の公開に先駆けてフライング上映会が4日間連夜開催。22日に行われたフライング・イベント初日は「バンクシー、お前は誰だ?!」をテーマに座談会が開催された。登壇したのは、かつてバンクシー本人にインタビューをしたこともあり、昨年イギリスのディズマランドを取材したライターの鈴木沓子さん、評論家でバンクシーの書籍『HOME SWEET HOME』の翻訳と解説をした小倉利丸さん、日本におけるバンクシーの映画・出版の仕掛け人であるパルコの金子学さん。アップリンク代表の浅井隆を聞き手に、トークが繰り広げられた。

なお、登壇予定だった、朝日新聞国際報道部記者の高久潤さんはベルギー・ブリュッセルでの爆破事件の取材のため急遽欠席となった。

フライング上映会は、この後も3月23日(水)には荏開津広さん(DJ/オールピスト京都・京都精華大学非常勤講師)、24日(木)は丹下紘希さん(人間/映像作家/NOddIN)、平井有太マンさん(ライター)、25日(金)はしりあがり寿さん(漫画家)、毛利嘉孝さん(社会学者)、鈴木沓子さんをトークゲストに迎え行われる。

3.22イベント
3月22日シネクイントにて行われた座談会「バンクシー、お前は誰だ?!」にて。右から、金子学さん、小倉利丸さん、鈴木沓子さん、聞き手の浅井隆(アップリンク代表)。

■バンクシーは99%の側に立つアーティスト

鈴木さん:2003年にロンドンで200万人規模のイラク戦争反対デモがあって、そこでバンクシーは仲間とプラカードを配っていた。当時街角でよく見かけていて、これはアートなのか、広告なのかずっと気になっていたんです。それで、インタビューをしたいと思い知り合いのアーティストに頼んで取材することになりました。当時バンクシーはストリートアートの雑誌などで、素顔はかくしていたけど取材はうけていました。私がインタビューしたときも、顔を写すのはNGと言われたけど取材には応じてくれて、たしか1時間ぐらい話したと思う。特に印象的だったのは、バンクシーが「世界を変えたい」と言ったこと。グラフティという手法を使って社会を改革したいという意思は当時からはっきりありましたね。すごく大きなことをいうなと、その時は思っていたのですが、今これだけ大規模な活動を展開し始めているので、その頃から今のような大規模なプロジェクトを考えていたなと思うんです。それにバンクシーは一部の富裕層だけの為のアートではなく99%の側に立つアーティストなんです。

■バンクシーは観る側の行動を喚起させる

小倉さん:バンクシーについてみんな誰だ?って思い作品を観に行くんだけど、観に行く私たちとバンクシーの間に、ある種の大きな違いがあるとするなら、それは彼が行っていることが、半ばイリーガルであるということ。そのリスクを彼は負いながら表現している。私たち観る側としては“観る”だけで犯罪者になることはないし、その違いをバンクシーは自覚し、そそのかしている。すなわち“観る”ことで社会を変えるわけではないし、行動に移さなければならない。行動に移す事を観る側が行うか、行わないかが、社会を変えていくひとつの重要なポイントで、“観る”という受け身から、自分も何か行動に起こせるかを問いかけているのではないのかな。

映画『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』より
映画『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』より

■次回作はHIP HOPのDJ映画!?

金子さん:僕の役割はバンクシーのことをもっと広く伝えることだと思う。これまで映画の配給をいくつも行ってきて思うのは、例えばとても素晴らしい監督がいても、日本での配給がバラバラだと、それぞれの配給会社で理解と解釈や、世に出す方法が違うから、本来の魅力が十分に伝わっていない気がするんです。だからバンクシーにおいては、作品に手は出せないけど、それ以外のものは一元管理していきたいなと思っている。ちなみにバンクシーの次回作はまだ、本当かどうかわからないけどHIP HOPのDJ映画を撮りたといっているそうで、もちろん配給したいと思っています。

■バンクシーはノーベル平和賞!?

浅井(アップリンク):バンクシーは新作を必ず自分のホームページで公開するのだけど、アップした途端世界中のメディアがそこに取材に行く。今日登壇する予定だった朝日新聞の高久さんも会社より指令があって、仏カレー難民キャンプに描かれたスティーブ・ジョブズの壁画の取材をしに行っていました。同様に昨年のノーベル平和賞は、チュニジアの「国民対話カルテット」が受賞したので高久さんは取材に行ったと言ってました。ノーベル賞の中でも平和賞は、受賞者に世界中からスポットライトが当たる効果があるとノーベル委員会は知っていて、その効果を狙って誰に受賞させるかを決めています。バンクシーも同じで、自分の新作をホームページにアップすると世界中のメディアがその場所に取材しに行き、描かれた問題が世界に報道されるということを自覚し、作品づくりをしています。だからバンクシーの作品はストリートのノーベル平和賞と言えると思います。




映画『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』より
映画『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』より

映画『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』
フライング4days!!!!!

上映作品:『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』
日程:3月25日(金)まで開催
時間:19:30~
会場:渋谷シネクイント(東京都渋谷区宇田川町14-5 渋谷パルコ パート3・8F)
料金:一律1,500円(シニア割引等各種割引対象外)
チケットは窓口・オンラインともに上映日の各3日前より販売開始
※前売券もご利用いただけます。(窓口での受付のみ)
※書籍『バンクシー・イン・ニューヨーク』ご持参/その場でご購入で1,000円で鑑賞可能

【ゲスト】
3月23日(水)
荏開津広(DJ/オールピスト京都・京都精華大学非常勤講師)
「バンクシーがニューヨークでアートをすること」
3月24日(木)
丹下紘希(人間/映像作家/NOddIN)×平井有太マン(ライター)
「バンクシーという〝在り方“について」
3月25日(金)
しりあがり寿(漫画家)×毛利嘉孝(社会学者)×鈴木沓子(ライター)
「バンクシーとは現在の『サウンド・オブ・サイレンス』である」

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応募締切:2016年3月26日(土)午前11時
対象SNS:Twitter、instagram、facebook

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【関連記事】

映画冒頭22分を全国100ヵ所でゲリラ上映!バンクシーが問うストリートアートの意義(2016-03-16)
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『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』SNS動画をネタに映画を作った監督インタビュー(2016-03-10)
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映画『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』
3月26日(土)渋谷シネクイント、4月2日(土)渋谷アップリンクほか全国順次公開

監督:クリス・モーカーベル
提供:パルコ
配給:アップリンク、パルコ
宣伝:ビーズインターナショナル
2014年/アメリカ/81分/カラー/16:9/DCP


公式サイト


▼映画『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』予告編




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バンクシー監督作
『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』

日時:2016年3月28日(月)~4月1日(金)17:00の回
会場:渋谷シネクイント(東京都渋谷区宇田川町14-5 渋谷パルコ パート3・8F)
料金:一律1,000円

第83回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門ノミネート!アート界のみならず、映画界においても賛辞の的となった、バンクシーの初監督作品。これは真実なのか?それともすべてバンクシーに仕組まれたことなのか……?現代のアート業界を痛烈に皮肉りつつ、最高にユーモアの溢れたドキュメンタリー!

監督:バンクシー
出演:ティエリー・グエッタ、スペース・インベーダー、シェパード・フェアリー、バンクシー、ほか
ナレーション:リス・エヴァンス
音楽:ジェフ・バーロウ(Portishead)/ロニ・サイズ
提供:パルコ
配給:パルコ、アップリンク
特別協賛:SOPH.Co.,Ltd.
2010年/アメリカ、イギリス/90分




書籍『HOME SWEET HOME』

書籍『BANKSY'S BRISTOL:HOME SWEET HOME』
著:スティーヴ・ライト 翻訳:小倉利丸、鈴木沓子、毛利嘉孝
発売中

消失した初期作品から代表作まで166作品+友人・仲間の証言+作品解説+バンクシー本人インタヴュー収録。

3,024円(税込)
作品社

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『バンクシー・イン・ニューヨーク』

書籍『バンクシー・イン・ニューヨーク』
著:レイ・モック 翻訳:毛利嘉孝、鈴木沓子
発売中

現地の凄腕グラフィティ・ライターが、バンクシーのニューヨークでの活動に完全密着。撤去された作品も全て見られる貴重な作品集/ルポルタージュ。

2,376円(税込)
パルコ出版

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