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2016-02-27 20:30


元ピンクフロイド「パレスチナ支援は業界で禁句」

元ピンクフロイド「パレスチナ支援は業界で禁句」
2016年2月20日付のINDEPENDENTより

今月のグラミー賞で、名盤『死滅遊戯』(1992年発表)のリマスター版が、最優秀サラウンド・アルバム賞を受賞した元ピンク・フロイドのロジャー・ウォーターズに、先週、英インディペンデント紙がパレスチナ支援活動についてロング・インタビューを行なった。ウォーターズはその活動によって、長年、“ナチス”や“反ユダヤ主義”のレッテルを貼られている。


「特に音楽業界では、パレスチナ問題について声を上げることすらできない。僕の他にイスラエルBDS(Israel BDS=Boicott, Divestment and Sanctions/イスラエルに対するボイコット、資本の引き揚げ、制裁を求める運動)に賛同しているのは、エルビス・コステロ、ブライアン・イーノ、マニック・ストリート・プリーチャーズとか、数人いるだけ。自分が今住んでいるアメリカ(※ウォーターズは英国人)には誰もいない。何人もと話したが、みんなひどく怯えているんだ。公の場で(反イスラエル)発言をすれば、キャリアを失い、業界から抹殺されるからだ。僕は、彼らが怖がらずに立ち上がってくれるよう、何とか勇気づけたい。ベトナム戦争を止めるためミュージシャンがプロテストに加わる必要があったのと同じように、パレスチナ問題でもミュージシャンが必要とされている。」──ロジャー・ウォーターズ(INDEPENDENTより


生後間もなく父親をナチスとの戦いで失くしたウォーターズは、かねてから反戦思想が強く、また、共産党員だった母親の影響もあり、自らを社会主義者と公言し、左翼的な歌詞で知られている。

彼は2006年にツアーでイスラエルを訪れた際、パレスチナ人アーティストや、イスラエル人の反体制運動家らと会ったことがきっかけで、イスラエルBDSに参加したという。

2014年には、イスラエル公演を予定していたニール・ヤングと、イスラエル企業のCMに出演したスカーレット・ヨハンソンに宛てて、イスラエル政府がパレスチナ人に対して行なっている人権侵害に目を向けるよう個人的な手紙を書いたことを自身のフェイスブック上で明らかにしている。(ヤングとヨハンソンの両名とも、ウォーターズの手紙に返信することはなかった。)

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