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cinema

2015-10-30 16:00


J.メカスの60年代スクラップブック 出版支援募集

J.メカスの60年代スクラップブック 出版支援募集
▲ジョナス・メカス(左)とアンディ・ウォーホル(右)

リトアニアの映画監督/作家ジョナス・メカス(92歳)が、1954年から2010年の間に執筆した文章をまとめた書籍『Scrapbook of the Sixties』(60年代のスクラップブック)出版へ向けてのクラウドファンディングを、米キックスターターで実施している。

メカスはアメリカの実験映画のシーンのなかで、私的な日常を日記のように綴る手法「日記映画」を確立。作家としても1958年からニューヨークの「ヴィレッジ・ヴォイス」誌で映画評の執筆を開始した。

このプロジェクトはドイツの出版社SPECTOR BOOKSによる企画で、未発表を含む37作のテキストを編纂。アーティストのアンディ・ウォーホルやナム・ジュン・パイク、作家のスーザン・ソンダク、ミュージシャンのジョン・レノンとオノ・ヨーコ、振付師のエリック・ホーキンズといった人物へのインタビューをはじめ、映画以外のアートをテーマにした文章が収録されるという。

プロジェクトの紹介動画のなかでメカスは、映画を出自としながらも、それ以外の様々なアートについても執筆を行うようになった理由を「60年代は画家もダンサーも写真家も映画監督もみんな一緒に活動していたから、他のアートについて書くことはとても自然なことだったんだ」と語っている。

ジョナス・メカス
キックスターター・プロジェクト紹介動画より、ジョナス・メカス

文章だけでなく、使用される写真についてもジョナス・メカスと息子のセバスチャンによるセレクトとのこと。今回のクラウドファンディングでは印刷のための資金を15,000ユーロ(約198万円)を目標に、2015年11月9日まで募る。10月30日現在、2,983ユーロ(約39万円)の資金を獲得している。

プロジェクトには5ユーロから支援可能で、35ユーロで初版本が、100ドルで協力者の名前の入ったメカスのサイン入りエディションがプレゼントされるほか、300ユーロ(約3万9千円)のサポートで、ベルリン(11月25日)とニューヨーク(2016年1月6日)で開催される、メカス出席のディナー・パーティーに参加できる権利が用意されている。

メカスは2014年11月に渋谷アップリンクで上映された『幸せな人生からの拾遺集』(2012年)など、現在も精力的に創作活動を行っており、10月31日(土)より公開となるファッション・デザイナーのアニエスベーの監督作『わたしの名前は...』にも、哲学者アントニオ・ネグリが出演するシーンに撮影担当として参加している。


映画『わたしの名前は...』より ©Love streams agnès b. Productions
映画『わたしの名前は...』より、ジョナス・メカス撮影によるアントニオ・ネグリの出演シーン ©Love streams agnès b. Productions

【Kickstarter】『Jonas Mekas “Scrapbook of the Sixties”』
https://www.kickstarter.com/projects/spectorbooks/jonas-mekas-scrapbook-of-the-sixties

SPECTOR BOOKS公式サイト:
http://www.spectorbooks.com/


▼ジョナス・メカスによる『Scrapbook of the Sixties』プロジェクト紹介動画



映画『わたしの名前は...』
2015年10月31日(土)より、渋谷アップリンク、角川シネマ有楽町ほか全国順次公開

監督・脚本・撮影・美術:アニエス・トゥルブレ(アニエスベー)
ゲストカメラマン:ジョナス・メカス
音楽:デビッド・ダニエル、ソニック・ユース
オリジナル音楽:ジャン=ブノワ・ダンケル(Air)
出演:ルー=レリア・デュメールリアック、シルビー・テステュー、ジャック・ボナフェ、ダグラス・ゴードン、アントニオ・ネグリ
原題:Je m'appelle Hmmm...
提供:アニエスベー
配給・宣伝:アップリンク
2013年/フランス/126分/カラー、一部モノクロ/16:9/DCP

公式サイト:http://uplink.co.jp/mynameis/

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