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終了毛利悠子個展『おろち』

独特な機械構造を用いて展示環境全体を有機的かつユーモラスに構成するインスタレーションを制作する毛利の、新作インスタレーションを発表

  • 日程
    2013年01月19日 ~ 2013年02月19日

  • 時間
    13:00

  • 会場
    恵比寿西2-8-11渋谷百貨ビル3F 4B

waitingroomでは2013年1月19日(土)~2月24日(日)まで、毛利悠子の個展『おろち』を開催いたします。独特な機械構造を用いて、展示環境全体を有機的かつユーモラスに構成するインスタレーションを制作する毛利の、新作インスタレーションを発表します。なお本展は、2月8日(金)~2月24日(日)まで東京都写真美術館で開催される、『第5回恵比寿映像祭』の地域連携プログラムに参加しています。

作家・毛利悠子について
毛利は、1980年神奈川県生まれ、多摩美術大学美術学部情報デザイン学科卒業後、東京藝術大学美術学部先端芸術表現科を修了しました。在学中よりテクノロジーを使った表現に興味を持ち、コンピューターや情報、機械でしか表現出来ない領域について模索していました。そうして確立された1つのスタイルが、廃材や使われなくなった道具と機械部品を組み合わせて作るインスタレーション作品です。作品中の素材の1つ1つが生き物のような動きをするのが大きな特徴で、また、もともと音楽に強い興味を持っていたことから楽器を使用することも多く、無数のモーターやコードに組み合わされた楽器や道具が、音を出したり光を放ったりすることによって、独特の映像的空間を作り上げています。

日用品や機械部品という素材のハッキング、そして空間へのダウジング
長い時間をかけて集めた道具や日用品という素材を、「ハッキング」することから毛利の制作は始まります。目の前にあるモノや部品を見つめ、分解し再構築することによって別の文脈に置き換える。この作業を、毛利は「素材をハッキングする」と言います。そうして出来上がった作品のための素材の集合体を持って、今度は展示空間への「ダウジング」を行います。毛利作品のもう1つの大きな特徴は、展示空間特有の光や温度、湿度や景色、雰囲気といった空間的要素に、作品が密接に結びついているということです。2012年に発表した3部作『サークルズ』(waitingroom/東京)、『サーキッツ』(adanda/大阪)、『サーカス』(東京都現代美術館 ブルームバーグ・パビリオン/東京)では、同じ作品を違う条件の空間に構成するという試みを行いました。普段は気がつかない空間の中の細かい要素を出来るだけ多く読み取り、持参した素材1つ1つに組み合わせていく。それを毛利は、「まるで鉱物を探すダウジングのような作業」と言います。「素材のハッキングと空間へのダウジング」によって展示環境と一体化した作品を通して、普段は目に見えないエネルギーやモノそのものの性格を可視化し、そして空間やその土地固有の記憶を鑑賞者に無意識的に呼び覚ましたい、と毛利は言います。

「おろち」の「結び」から感じるエネルギー
本展のタイトル『おろち』は、作家自身の最近の興味である「紐」や「縄」という素材からつけられました。衣類を形成している糸や、家電製品のコード、モノとモノを1つにまとめる時に紐で縛るなど、私たちの生活に密接に関連している「紐」や「縄」という存在は、「磁力や重力と同様、なにか見えないエネルギーを発生することで、“結び”という人間の奥深いところで切っても切れない関係をつくるのでは」という毛利の問いから、その素材への興味が生まれました。

「かつて、とある電子通信機の会社の工場に、恐竜の骨格、あるいは大蛇の姿のようなグロテスクな機具が天井からぶら下がっていた。近づいてよく見てみると、それは赤、青、黄などを何十本もよりあわせ、束ねられた電線であった。そして、この“怪物”のことを職場の工員たちは“おろち”と呼んでいたという。私も、これまでの自分の作品の中で、電線を隠さないようにしてきた。モノとモノとのつながりを提示することで、鑑賞者に見えないエネルギーを感じてほしいという思いがあった。(毛利悠子)」

「紐」「縄」という特定の素材に向き合い、その力や意味を再構築することによって作り上げられた『おろち』という装置が、waitingroomの展示空間に繰り広げられます。そこで発せられるエネルギーを是非、体感しにいらしてください。

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