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終了アキバタマビ21 第47回展覧会 「夜間実験」

多摩美術大学造形表現学部の廃止が決まり、一つの歴史が終わりを迎えようとしています。本展は、造形表現学部を卒業を中心とした展覧会になります。

  • 日程
    2015年09月18日 ~ 2015年10月18日

  • 時間
    12:00

  • 会場
    アキバタマビ21 東京都千代田区外神田6-11-14 3331 Arts Chiyoda 201・202

【展覧会内容】

 多摩美術大学造形表現学部の廃止が決まり、一つの歴史が終わりを迎えようとしています。本展は、二部構成に渡りこの造形表現学部を卒業したごく一部の小さな表現者を紹介する展覧会になります。
 第一部は、造形学科の卒業生のみの絵画を主体とした展示になります。第二部では、造形表現学部(造形学科、デザイン学科、映像演劇学科による三学部)全体での展示がつくれないかと動きだし、造形学科と映像演劇学科の卒業生による複合的な展示が可能となりました。同じ部屋、同じ学科から同じ学校、同じ表現者での広がりを、一つの展覧会を通じて感じていただけますと幸いです。

第一部『ハイブリット画』
造形学科は、従来の美術教育では歴然と区別されてきた日本画と油画の境界を取り払い、両者の技法や伝統を横断的に取得する学科でした。そこで出会った表現はまさしく混合されたものであり、本展覧会の第一部を構成するテーマとなりました。そして、第一部は絵画のみで構成しており、混合した絵画の在り方を[油画×日本画=ハイブリット画]と称し、それぞれの特性のイメージをクロスオーバーした、シンプルに考えた絵画とは何かということを展示のテーマと掲げ、概念にとらわれない見せ方を実験的に提示します。
 透過性のある絹本を用いて、画面の表と裏に相互に浸透し合う非対峙的なイメージを提示する北口広美。紛失した絵画の物語を壁をも一つの作品にする鈴木圭。模倣によるオリジナルの消失を反復行為と時間を用いて提示する砂川啓介。カワヲワタルによるライブペインティングでは動く線を描画し、着地点をもたないイメージの成長を狙います。

第二部『フィルタリングアクト』
 第二部では、第一部で行った絵画のみの構成ではなく、写真や立体などの複数のメディアを使った四人の作家、白井晴幸、阪中隆文、岡本純、砂川啓介による新作作品を発表致します。
総体としましては「フィルタリングアクト」と称す一つのテーマを設けました。
フィルタリングアクトとは、作品を捉える際に生じる外的なるものと、内的なるものの多くの情報の境界をフィルター(作品)として扱うことで輪郭を弱めます。それは、観るという一方向の行為の中から生まれてくる思考を、テキストや行為、行ないによってそこから発する複数のイメージを制御することで、本来の姿を見直すことを意味します。見直すことによりそのものに属する在り方の再解釈をほのめかします。

以上の第一部『ハイブリッド画』、第二部『フィルタリングアクト』、この二部構成による表現の多様性を是非ともご堪能下さい。

【出品者名】 

●カワヲ ワタル KawawOwataRu
1982年 青森県生まれ。
2012年 多摩美術大学造形表現学部造形学科日本画専攻 卒業    
〔個展〕
2014年 「手繰る」 GALLERY MoMo Projects/東京
2015年 「INTERLUDE」ミツメ/東京
〔グループ展〕
2012年 「2人展 -Still-」 TokyoWardrobe Gallery/東京
     「YOUNG ARTIST JAPAN Vol.5」明治神宮外苑/東京      
2013年 「ワンダーシード2013」 ワンダーサイト本郷/東京
     「TDW ART FAIR」 明治神宮外苑/東京
2015年 「SICF16」 スパイラルホール/東京
〔受賞歴〕
2015年 第6回 アダチUKIYOE大賞 大賞受賞

人体と記号を組み合わせて、デジタルに還元可能な身体と、強調される身体の生っぽさを同時に提示したいと考えています。 近年では記号として、血を連想させる赤い線を用いたシリーズを中心に制作しています。

●北口 広美 Hiromi KITAGUCHI
1979年 奈良県生まれ。
2008年 多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻日本画領域博士前期課程 修了
〔個展〕
2007年 gallery b.Tokyo/東京
2010年 art space kimura ASK?/東京
2012年 art space kimura ASK?/東京
2015年 art space kimura ASK?/東京
〔グループ展〕
2006年 シェル美術賞展
2013年 FACE2013 損保ジャパン美術賞展
2014年 第6回トリエンナーレ豊橋 星野眞吾賞展
日常で出会った対象や情景、また絵画のプロセスや構造的な諸要素は、私の作品の中でそのどちらもが同じくらい重要な契機として存在する。描く、絵具で覆う、あるいはその絵具を取り去る。絹本の場合には、表やその裏側から互いに呼応させ画面に触れる。そうした作業の痕跡が重なり合い、目にした情景の表層を超えて現れてくるものを画面にとどめたい。

●鈴木 圭 Kei SUZUKI
1983年 東京生まれ。
2012年 多摩美術大学造形表現学部造形学科 卒業
〔個展〕
2016年 「Kei Suzuki (仮) 」shonandai MY gallery/東京
〔グループ展〕
2011年 「GENOMICA」 東邦アート/東京
2011年 「千代田芸術祭3331アンデパンダン」3331 Arts chiyoda/ 東京
2012年 「MY Harmonious Exhibit 2012」shonandai MY gallery/東京
2013年 「BIG WORKS,BIG WORLD Vol.1」REIJINSHA GALLARY/東京
2014年 「GENOMICA3」東邦アート/東京
2015年 「next」REIJINSHA GALLARY/東京
2015年 「MY Way  shonandai」MY gallery/東京
2015年 「真夏の美の夢」耀画廊/東京
     「shonandai」MY gallery/東京
〔受賞歴〕
2011年 シェル美術賞2011 入選
2012年 多摩美術大学造形表現学部造形学科 卒業制作展優秀賞
2012年 シェル美術賞2012 入選
2015年 ザ・チョイス 入選

世界は繋がっている様でいて其の実、重なる事のない風景がいくつも点在している。
そのような、いつかどこかで紡がれている物語を描きたいと想い作品を制作しています。

●砂川 啓介 Keisuke SUNAKAWA
1985年 広島生まれ。
2011年 多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻油画領域 博士前期課程修了
〔個展〕
2009年 「砂川啓介展」壹零參堂/神奈川
2015年 「仮説としての平和」gallery W/東京

芸術とは何か。思考し、ものを生み出すという事はどういう事なのか。
意味や価値意識が私には重くのしかかる。
表現するという事は多様な在り方が姿を消しては、現れ、時に交差し繰り返され、連続性の中で複雑に存在し、伝達している。勿論芸術に答えはないのであろう。
その日々変化し続ける世の中で、私なりのリアリティー(知覚の違和感を通した現実と非現実)を表現で伝えていければと考えています。

●岡本 純 Jun OKAMOTO
1988年 東京生まれ。
2015年 多摩美術大学造形表現学部造形学科油画専攻 卒業

絵画を中心とした視覚表現に取り組んでいる。
近頃は場所に固有の壁を美的対象としてとらえ、「壁の絵」をひたすら制作している。

●阪中 隆文 Takafumi Sakanaka
1989年 東京在住。
2013年 多摩美術大学造形表現学部造形学科映像演劇学科 卒業
〔主な展示〕
2015年 「The more it changes,the more it stays the same.」モデルルーム/東京
2010年 「群馬青年ビエンナーレ2010」群馬近代美術館/群馬
2009年 「ぴちぴち行動展」ターナーギャラリー/東京
〔受賞〕
2015年 「1_WALL」入選
2010年 群馬青年ビエンナーレ2010」入選

自身のリアリティと社会をつなぎ合わせるための壮大な冒険として、あるいは誇大妄想としてのプロジェクト型作品、ヴィデオや写真作品を制作する。
主な作品に渋谷川暗渠にてカタストロフの予行演習を行う「They’ re following
after the subject, and more and more keep coming. 」、20 歳の誕生日に参加
者の頭上を泳いで目的地に向かうパフォーマンス「沢山の人達に支えられて2 点間
を移動する」、ルーマニアで独裁者が造った謎の地下導水管を使い、好きになった女
の子への告白を試みる「大きな穴」群馬で行われる若手向け公募展までバスタブに
乗って川を遡る旅「TORYUMON 2010」がある。
主な展覧会に「群馬青年ビエンナーレ2010」、イスラエル人作家のパフォーマンス
を代行した「対話展」。また会期中に作家達が会場を訪れパフォーマンスを行うこと
で展示作品が増えていく現在進行形展覧会「ぴちぴち行動展」などの企画。

●白井 晴幸 Haruyuki SHIRAI

1981年 東京生まれ。
2010年 多摩美術大学造形表現学部造形学科映像演劇学科 卒業
〔受賞〕
2012年 第6回写真「1_wall」入選
2014年 第11回写真「1_wall」入選
2015年 TokyoFrontLine PhotoAwead2015 入選

技法の創造からはじまる奇術的ユーモアと、幻像を寓意する写真哲学を指針としている。主な展示に2013年「影像2013」(世田谷美術館)、2014年「白井晴幸展 どろん景」(神奈川県立相模湖交流センター)などがある。
http://www.shiraiharuyuki.com

【展覧会詳細】

「夜間実験」 “yakan jikken”
第1部:9月12(土)~9月27日(日)
第2部:10月1日(木)~10月18日(日)
開館時間 12:00~19:00(金・土は20:00 まで)、火曜休場
※9月28日(月)~9月30日(水)は展示入れ替えの為、休場

【イベント】

●オープニングパーティ 
第1部:9月12日(土)17:00~
第2部:10月3日(土)17:00~

●トークイベント 
第1部:9月19日(土)14:00~
ゲスト:小金沢智 氏(日本近現代美術史) 
17:00~カワヲワタル×委細昌嗣 氏(音楽家)によるライブパフォーマンス

第2部:10月11日(日)14:00~
ゲスト:未定
※ 詳細が決まり次第、アキバタマビ21のHPでご案内致します。
http://www.akibatamabi21.com

●クロージングパーティ 10月18日(日)17:00~

【展覧会場】

アキバタマビ21
〒101-0021 東京都千代田区外神田6-11-14 3331 Arts Chiyoda 201・202
電話:03-5812-4558
URL: http://www.akibatamabi21.com

アクセス:
東京メトロ銀座線末広町駅4番出口より徒歩1分
東京メトロ千代田線湯島駅6番出口より徒歩3分
都営大江戸線上野御徒町駅A1番出口より徒歩6分
JR御徒町駅南口より徒歩7分
JR秋葉原駅電気街口より徒歩8分

※「アキバタマビ21」は多摩美術大学が運営する、若い芸術家たちのための作品発表の場である。ここは若い芸術家たちが、互いに切磋琢磨しながら協働し共生することを体験する場であり、他者と触れ合うことで自我の殻から脱皮し、既存のシステムや権威に依存することなく自らをプロデュースし自立していくための、鍛錬の場でもある――そうありたいという希望を託して若い芸術家たちにゆだねる、あり得るかもしれない「可能性」の場であり、その可能性を目撃していただく場所である。

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