webDICE 連載『消えたフェルメールを探して』 webDICE さんの新着日記 http://www.webdice.jp/dice/series/8 Tue, 17 Dec 2024 05:20:08 +0100 FeedCreator 1.7.2-ppt (info@mypapit.net) なぜ人々はこんなにもフェルメールに魅せられるのか?名画『合奏』をめぐるトークショーその5 http://www.webdice.jp/dice/detail/1025/ Fri, 24 Oct 2008 16:52:53 +0100

9/27の映画公開に合わせて来日したレベッカ・ドレイファスに、作品のこと、そして何故こんなにもフェルメールに魅せられるのかをお伺いしました。



── この作品を作るきっかけ


若い時に初めてイザベラ・スチュワート・ガードナー美術館を訪れ、最初に見たのが「合奏」でした。美術館と絵、両方に強く惹かれ、忘れられない体験となりました。この絵に魅せられ、住まいのあるニューヨークからボストンに何度も通いました。『合奏』の盗難事件で、よりによってその大好きな絵が盗まれたと聞き、非常に驚きました。どうして盗まれたのだろう、そんなふうに考えたのがこの映画を作るきっかけとなりました。



── 合奏との出会い


この美術館は変わったところで、建物に中庭があり、ヴェネチアの宮殿風の、古くて面白い建物です。アメリカというのは古いものが非常に少なく100年以上経ったものはとても少ない。日本やヨーロッパの方々は古いものに慣れているけれど、当時の、アメリカに住む若い私にとっては古いものばかりに囲まれること自体が既に特別なもので、一種の高揚感の中にありました。そんな中にオランダ系の絵画がある部屋に一歩足を踏み入れると、まっすぐ前にこの絵が見えるんです。あたかもその向こうに部屋があって、過去に戻ってその部屋にいるような錯角を覚えました。



── ガ-ドナーの遺言


イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館には、とても厳しいきまりがあるんです。イザベラ・スチュワート・ガードナーが残した遺言書で、オリジナルの状態から動かしてはならないということが決められています。だからこそ、絵が盗まれた後も空の額が置いてあるんです。代わりの絵を入れることはもってのほかですし、何も足してはいけない、取り去ってはいけない。その遺言が守られなかったときには、即座に美術館を閉鎖し、全ての美術品を売却し、その利益をハーバード大学に贈ると決められているそうです。



── ハロルド・スミスとの出会い


実はハロルド・スミスとはこの映画を作りはじめてから知り合ったんです。ハロルド・スミスありきで映画ができたのではなく、この分野の専門科の見解を聞く、という名目のインタビューのつもりで彼に会いました。彼と話したときに、彼がこの事件にとても執着していることを知りましたが、その後毎日電話してきたので、プロデューサーと一緒に「どうしようか?」と言っていたんです。ところがこんなに面白いキャラクターはないし、彼を知るたびに彼を好きにならずにいられないといった個性の持ち主でしたので、彼を軸に映画を撮ることにしました。こんな面白いキャラクターを人工的に作るのは無理ですからね。彼と出会えてよかったです。



── ハロルド・スミスの魅力


彼は見た目をすぐにジョークに変えてしまう。やはり最初に彼をみると皆たじろぐのですが、彼は「喧嘩相手のほうがもっと悲惨だったんだよ」とまるで喧嘩相手がいるかのような言い方をしてジョークにしてしまう。彼はその見た目をみじめなものとしてではなく、一つの個性として捕らえていた。また、彼の仕事というのはいろんな人と出逢うんです。例えば、美術の専門家、大学の偉い先生から美術泥棒の犯罪者に至るまで。彼は人によって態度を変えることは全くありません。大統領のような偉い人だからといってたじろぐことは絶対にないし、泥棒だからといって見下すこともない。彼は偏見が一切ないんです。美術泥棒を見つけるというのは、通常の犯罪のように指紋を見つけるとかではなく、情報から解決に導くもの。ですから情報収集という意味で、彼の持っていた術というのは彼の強みですね。



── 合奏は日本にあった?


実は日本にある、という噂もあったようですよ。
「日本のある家庭で合奏を見た」という通報があって、FBIの調査官を日本に送り込んでみたら、あきらかに偽物だったという話はあります。具体的に私が会った人たちから、「日本にある」という信頼すべき情報を得たことはありませんが。



── 監督は合奏がどこにあると思う?


可能性は全てこの映画に入れましたので、じっくり見てください!
フェルメールの魅力 すごく難しいけど・・多くの人を魅了してやまない素晴らしい画家ですし、30数点しかない彼の作品は非常にレアだということもあるでしょう。
そしてそこに描かれる静けさや日常生活からはなれた生活の断片が人をひきつけるのだと思いますが、決定的なこたえはみつかりません。
ただ、ひとつ覚えているのは、自分がこの絵をみたとき、一瞬自分を忘れるような、無になるような、気持ちを味わった。そんな気持ちにさせてくれるものは世の中にそうそうないと思う。そこに存在する静寂の中に無となって存在できるような気持ちを味わわせてくれるのが彼の絵です。






作品解説



消えたフェルメールを探して


一体誰が盗んだのか?フェルメールの名画『合奏』をめぐり、絵画探偵、美術収集家、美術品泥棒、フェルメール愛好家・・・それぞれの想いが交錯する美術/探偵ドキュメンタリー!



1990年に、ボストンの美術館からフェルメール作『合奏』ほか12点が盗まれた。フェルメール作品は全部で30数点と少ないため、被害総額はアメリカ美術品盗難史上最高額5億ドルにもなったという。10年以上経っても事件が解決されないことに業を煮やした監督は、美術の世界では高名な絵画探偵ハロルド・スミスとともに事件を追う。事件に関わった者として、有名な美術品泥棒、映画『ディパーテッド』のフランク・コステロ役のモデルと言われている、アイリッシュマフィアのボス、ホワイティ・バルジャー、そして米国上院議員、元大統領などの名があげられ、日本人コレクターによる依頼だという説もあったという。「合奏」に魅せられた人々と、事件の顛末、そして生涯をかけて『合奏』を追った絵画探偵ハロルド・スミスのドキュメンタリー!






『消えたフェルメールを探して / 絵画探偵ハロルド・スミス』


監督・撮影: レベッカ・ドレイファス

脚本:: シャロン・ガスキン

出演:ハロルド・スミス、グレッグ・スミス

2005年/アメリカ/83分

配給:アップリンク

字幕監修:朽木ゆり子

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なぜ人々はこんなにもフェルメールに魅せられるのか?名画『合奏』をめぐるトークショーその4 http://www.webdice.jp/dice/detail/1003/ Sun, 19 Oct 2008 23:18:05 +0100

10/5(日)

小池寿子(國學院大学教授)×Tak(BLUE HEAVEN、青い日記帳 管理人)




── 映画を観た感想


小池: 美術史が専門なので、つい美術的な観点から観てしまうのですが、おもしろかったのは、イザベラ・スチュワート・ガードナーと、バーナード・べレンソンの往復書簡。アメリカの個人コレクターが、どのようにしてヨーロッパから絵を収集して美術館を建てていったのか、という過程が見られるのが一番おもしろかったです。
私自身、美術史を始めたのは、探偵ものが好きで、探偵ものと美術史はとても関係しているところがある。真相を追究していく、謎を解いていく。それが上手くマッチしている映画でもある。



Tak: ガードナー美術館から絵が盗まれたというのは知っていましたが、あれだけセキュリティーが甘かったのだと、いうことを、改めて驚きと共に実感しました。特に、映画の中で美術館の関係者が出てきて、「セキュリティーは大学のバイトみたいなものだ」と語っていたのを見ると、それじゃぁ、盗まれてしまっても仕方がないんじゃないかと。なんて罪なことをしてくれたんだと思いました(笑)。フェルメールに関しては、『真珠の耳飾りの少女』の著者トレイシー・シュヴァリエや、『フェルメール
デルフトの眺望』の著者アンソニー・ベイリーなど、フェルメール関係の本を書いている方々のインタビュー映像が面白かったですね。中でもベイリーの「本当に素晴らしい作品なのに、なんてことになってしまったんだ・・・」という事件についてのコメントは、落胆のつらい気持ちが横顔に現れていて、自分とダブる気がしました。



── フェルメール全点踏破のきっかけとその魅力


Tak: 95~6年にかけて、ワシントンのナショナル・ギャラリーと、ハーグのマウリッツハイス王立美術館で『ヨハネス・フェルメール展』という大規模なフェルメール展がありました。(マウリッツハイス美術館では23点ものフェルメール作品を公開)そのときは、興味はありつつも、様々な理由から行くことが出来ませんでした。そうしたら、ちょうど「BRUTUS」が、フェルメール特集を出してくれた。450円で我慢するかと(笑)。ところが、これを買ってしまったのが始まりで…「この美術館に行くと、この作品がみれますよ」という全作品のリストがあり、これは全点見たいなと。そういった単純なきっかけから全作品を観るようになったのです。



小池: フェルメールの魅力は、触覚値。バーナード・べレンソンは、19世紀末から20世紀の美術史学を確立するときに、触覚値という概念を初めて美術史に取り入れた人なんですね。遠近法や立体的な人物を描くことによって、あたかもその空間に、その人物に触れるような感覚を起こさせる絵、というのが触覚値がある絵だと位置づけている。べレンソンは、その触覚値という言葉をルネッサンスの絵画について使うのですが、良く見ると、フェルメールが一番、触れて目で撫で回すような快感があるような気がします。空間を共有して所有できる感覚を、直感的に見る人に与えるんです。



Tak: フェルメールの絵は、他の画家同様、本や雑誌、webでいくらでも見られるのですが、やはり現物を観なくては駄目なんです。特にフェルメール作品ではそれが強く言えるかと。



小池: 絵画は2次元の世界ですが、そこに奥行きのあるような空間を表現するということを追及しているのですけれど、フェルメールの作品はこちらに向かって空間を開いてくれている。見ている人を、空間の中に取り込んでしまう。そのような効果を生むような工夫をしている。こちら側にある空間と、また別の3次元空間があるというわけではなくて、自分もまた、絵画の空間に入っていけるような親密な関係を築ける。



Tak: フェルメールは、年を重ねるごとにその技法を獲得していますね。今、上野に来ている『ワイングラスを持つ娘』なんかは、まだ若干弱い。その隣に展示されている、『リュートを調弦する女』は、かなりフェルメールらしい作品に近づいている。まるで恋人同士のように接すること出来ます。(笑)。
ただ、恋人同士でありながら窓の外を見ている。少し寂しい。だから、余計追いかけたくなるという。何とも心くすぐられ、揺さぶられる想いも。
今回上野で開催されている「フェルメール展」で、同じ時代の作家ピーテル・デ・ホーホの優品が数多く展示されています。あらためて「フェルメールとの違いは、何だろう」と、今回の展覧会で考えながら観たのですが、光の入れ方とか、実はそんなに違いが無くもしかしたらホーホの方が上手いくらい。でもフェルメールとホーホの決定的な違いは「切り取りの上手さ」ではないかと思いました。トリミングの上手さが、フェルメールなんですよね。その切り取りの上手さがあるからこそ、小池先生が言うような、親密さが生まれるのではないかと。ホーホの場合は第三者的な観方しか出来ずどうしても感覚的に引いてしまい「距離」が生じてしまいます。



小池: 額の向こう側という印象ですよね。フェルメールは、砂とか粒子を顔料に混ぜて塗っているために、表面がデコボコしている。モザイクの一種みたいに、画面の中に凹凸を作ってそれが光を乱反射する。雰囲気が出る工夫をしている。それに非常に高価なラピスラズリをふんだんに使って、色んなところに使う。彼は緑を使わないんです。画面に、青と黄色を置いてあの色を出している。



Tak: あれだけ人物を描きながら、緑を使っていない。顔を描くとき、普通緑って使いますよね。



小池: そうですね。



Tak: また観に行きたくなってきました(笑)。



小池: そういった知識を持ってみるとまた、おもしろいですよね。






小池寿子


美術史家・國学院大学教授。専門は15世紀北方フランドル美術・中世美術などの西洋美術史。美術作品から死生観を読み解く研究をしている。死の舞踏の研究者として知られる一方、近年は運命観・身体観を探る研究も展開している。著書に『死者たちの回廊――よみがえる「死の舞踏」』(平凡社)、
『屍体狩り』(白水社)、『死者のいる中世』(みすず書房)、訳書に『死と墓のイコノロジー――中世後期とルネサンスにおけるトランジ墓』(平凡社)などがある。



Tak


BLUE HEAVEN、青い日記帳 管理人。
1998年、フェルメール作品を全点鑑賞する"フェルメール巡礼"を開始。欧米各地を巡り、ついに2008年、『合奏』を除くフェルメール作品を全点鑑賞。


BLUE HEAVEN

青い日記帳







作品解説



消えたフェルメールを探して


一体誰が盗んだのか?フェルメールの名画『合奏』をめぐり、絵画探偵、美術収集家、美術品泥棒、フェルメール愛好家・・・それぞれの想いが交錯する美術/探偵ドキュメンタリー!



1990年に、ボストンの美術館からフェルメール作『合奏』ほか12点が盗まれた。フェルメール作品は全部で30数点と少ないため、被害総額はアメリカ美術品盗難史上最高額5億ドルにもなったという。10年以上経っても事件が解決されないことに業を煮やした監督は、美術の世界では高名な絵画探偵ハロルド・スミスとともに事件を追う。事件に関わった者として、有名な美術品泥棒、映画『ディパーテッド』のフランク・コステロ役のモデルと言われている、アイリッシュマフィアのボス、ホワイティ・バルジャー、そして米国上院議員、元大統領などの名があげられ、日本人コレクターによる依頼だという説もあったという。「合奏」に魅せられた人々と、事件の顛末、そして生涯をかけて『合奏』を追った絵画探偵ハロルド・スミスのドキュメンタリー!






『消えたフェルメールを探して / 絵画探偵ハロルド・スミス』


監督・撮影: レベッカ・ドレイファス

脚本:: シャロン・ガスキン

出演:ハロルド・スミス、グレッグ・スミス

2005年/アメリカ/83分

配給:アップリンク

字幕監修:朽木ゆり子


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なぜ人々はこんなにもフェルメールに魅せられるのか?名画『合奏』をめぐるトークショーその3 http://www.webdice.jp/dice/detail/982/ Sun, 12 Oct 2008 11:42:12 +0100

1998年に『フェルメールの囁き』という、フェルメールの絵画にインスパイアされた夢物語を監督した安藤さん。名作映画とフェルメールの絵画の深い関係を語っていただきました!また当日は『フェルメールの囁き』のダイジェストも上映いたしました。安藤氏次回作は「合奏」盗難事件をモチーフにしたものになるそう。







映画監督から見たフェルメール


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ジャン・リュック・ゴダールがカイエ・デュ・シネマの記者に「一番初めにインスパイアされた映像作家は誰ですか」と聴かれて「フェルメールだ」と答え、フェルメールは映画が始まる300年くらい前の人ですから、記者は、映画の父と言われるリュミエールと間違えた。そこでゴダールが「フェルメールは世界最初の映画作家だ」と言っている、という逸話があるらしい。ジャン・コクトーは「フェルメールの描いているものは、彼が描いていないものを描くためにある」つまり「見えないものを表現するという絵画をかいた」と言っています。
と言うように、フェルメールの作品は非常に映画的です。映画というのは、映像を撮って、その中にある人間のドラマ、愛情や悲しみなど、情念的なものを表現するもので、フェルメールの絵にはそれがあるんです。


また、ピーター・グリーナウェィはフェルメールのことを「きわめて写真的」とも言っている。
時間と光。時間というものを、止まった一枚の絵の中に描いた。振り向いた瞬間、手紙を渡されて「なんだろう」とふと見た瞬間の止まった絵なんだけれども、その動きの時間を感じる。まさに映画です。そして言語と音。絵の中に手紙がたくさん出て来たり、召使いと会話をしているような瞬間を描いていたり。楽器もたくさん出てきて、音楽を感じる。映像に音楽、言語が加わって映画になる、というのがまさにここにある。






映画の中のフェルメール


・ジャン・コクトー/『美女と野獣』(1946年)


美女と野獣の中でベルという主人公の女性がお姐さん達二人が着飾ってパーティに出かけると、彼女がうちを掃除している。そのときのベルの格好が、頭にターバンをまいている。もうおわかりかとおもいますが、コクトーは、「青いターバンの女」にインアスパイアされてあの髪型を作ったと言っている。モノクロですから"青いターバン"ではないですが。



・ピーター・グリーナウェィ/『ZOO』(1985年)


「婦人と召使い」がそのまま出てきますし、「絵画芸」「赤い帽子の女」の構図がそのまま、シチュエーションを作り替えて登場する。そして、フェルメール愛好家の外科医の名前が、バン・ミーグレン。有名なフェルメールの贋作家、ファン・メーヘレンのことですね。また、グリーナウェイは「フェルメールの手紙」というオペラを演出しています。



・パトリック・ボカノフスキー/『天使』(1984年)


「牛乳を注ぐ女」をモチーフとして、この格好をした女が、牛乳を注ごうとしてこぼし、また牛乳を取りに行って、注ごうとしてこぼす、その繰り返し。アバンギャルドなので、フェルメール的ではないかもしれませんが。



・トニー・スコット/『ハンガー』(1983年)


「音楽のレッスン」がモチーフになっているシーンがあります。少女が、ヴァージナル(家庭用の鍵盤楽器)ではなくバイオリンのレッスンをしている。その向こうに「音楽のレッスン」の絵がかかっている。そこに、忍び寄ってくるデビッドボウイの吸血鬼、という構図になっているのですが、もうひとつ。「音楽のレッスン」の中のヴァージナルの裏蓋に「音楽は喜びの伴侶、悲しみの薬」とかいてある。つまり。少女が弾くバイオリンの音楽は喜び、そしてボウイにとっては、今から血をすう喜び、快楽。悲しみ=ボウイの老化と少女の死、を感じさせる二重構造。そして、「音楽のレッスン」は、絵の中にある鏡にフェルメールが描いているキャンバスの足が写っている。それを匂わせるように、映画では、ボウイがこちら側にいるのがうかがえる。






安藤 紘平(あんどうこうへい)プロフィール


1944年 北京生まれ。
パリ留学後、寺山修司主宰の劇団・天井桟敷に在籍。映像作家・TBSでの勤務を経て、現在、早大教授とともに、日本映画監督協会理事を務める。作品に、
69年「オーマイマザー」(オーバーハウゼン国際映画祭入賞)、71年「息子達」(トノンレバン国際映画祭グランプリ)、94年「アインシュタインは黄昏
の向こうからやってくる」(ハワイ国際映画祭銀賞)、98年「フェルメールの囁き」(モントルー国際映像祭グランプリ)など。







作品解説



消えたフェルメールを探して


一体誰が盗んだのか?フェルメールの名画『合奏』をめぐり、絵画探偵、美術収集家、美術品泥棒、フェルメール愛好家・・・それぞれの想いが交錯する美術/探偵ドキュメンタリー!



1990年に、ボストンの美術館からフェルメール作『合奏』ほか12点が盗まれた。フェルメール作品は全部で30数点と少ないため、被害総額はアメリカ美術品盗難史上最高額5億ドルにもなったという。10年以上経っても事件が解決されないことに業を煮やした監督は、美術の世界では高名な絵画探偵ハロルド・スミスとともに事件を追う。事件に関わった者として、有名な美術品泥棒、映画『ディパーテッド』のフランク・コステロ役のモデルと言われている、アイリッシュマフィアのボス、ホワイティ・バルジャー、そして米国上院議員、元大統領などの名があげられ、日本人コレクターによる依頼だという説もあったという。「合奏」に魅せられた人々と、事件の顛末、そして生涯をかけて『合奏』を追った絵画探偵ハロルド・スミスのドキュメンタリー!






『消えたフェルメールを探して / 絵画探偵ハロルド・スミス』


監督・撮影: レベッカ・ドレイファス

脚本:: シャロン・ガスキン

出演:ハロルド・スミス、グレッグ・スミス

2005年/アメリカ/83分

配給:アップリンク

字幕監修:朽木ゆり子







イベント情報



2008年10月18日(土)

ゲスト:滝本誠氏(映画評論家)×岡部昌幸氏(帝京大学教授)



「古今東西、絵画盗難をテーマにした映画~専門家に聞く!」

絵画盗難って何?本作『消えたフェルメールを探して』に出てくる事件はもちろん、映画の中の盗難事件の疑問点を美術専門家に聞く!



開場/開映:14:00/14:30



会場:アップリンク

入場料は、通常の映画料金に準じます。

一般:¥1,500/学生¥1,300/シニア¥1,000




【関連リンク】

『消えたフェルメールを探して / 絵画探偵ハロルド・スミス』公式サイト

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なぜ人々はこんなにもフェルメールに魅せられるのか?名画『合奏』をめぐるトークショー その2 http://www.webdice.jp/dice/detail/959/ Tue, 07 Oct 2008 16:41:45 +0100

映画『消えたフェルメールを探して/絵画探偵ハロルド・スミス』公開に合わせて来日した監督、レベッカ・ドレイファス氏とスペシャルゲストとの対談を行いました。今回は第二弾、9/28に行われたレベッカ・ドレイファス監督×有吉玉青氏のトークの一部をご紹介します。第一弾、9/27レベッカ・ドレイファス監督×岡部昌幸氏のトーク記事もあわせてご覧ください。






9/28(日)

ゲスト:レベッカ・ドレイファス監督×有吉玉青氏(作家)



── ファースト・フェルメール



有吉:イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館に初めて行ったのは1990年。まだそのときは本物のフェルメールを見たことがなかったんです。フェルメールの『合奏』があるはずなのに、探したけどどこにもない。それで美術館の人に聞いたら「盗まれました」と。冗談かと思いましたよね。それが最初のフェルメール。会えなかったけれども。



レベッカ:その後、有吉さんがフェルメールを求めて世界中を旅するというところに非常に興味を覚えます。私は18歳のころ、イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館を初めて訪れ、とても感激しました。『合奏』と、美術館の両方にとても魅せられたんです。
私は、『合奏』がなくなってしまったから、この映画を撮ることになりました。
私たちそれぞれの「はじまり」が『合奏』だったということ。『合奏』がなくなったことが、多くの人の情熱をひきだす、感情を揺り動かすということ。私たち二人だけではなく、世界中にそのような人がいるんです。そこがとても興味深いと思いました。



── イザベラ・スチュワート・ガードナーという女性


レベッカ:美術館を作ったガードナー夫人は、フェルメールだけでなく美術品そのものに心奪われ、熱い情熱をかけてそれらを集め、この小さく心地いい美術館を作りました。そんな彼女の個性が色濃く出ているのがこの美術館です。ですからここを訪れた人はこれを作った人はいったいどんな人なんだろうと思わずにはいられないんです。



有吉:映画の中に「ガードナー夫人が生きていたら、絵はとっくにみつかっているだろう」というセリフがありましたが、本当にそうだろうと思いました。彼女は自分の子供を育てるかのようにしてこの美術館を作り上げた。子供を亡くした悲しみがあったわけですが、自分の子供のように美術品を愛したというその情熱にも非常に心を打たれました。
レベッカ:彼女はそれこそ「思い込んだら山をも動かす」というタイプの女性ですので、映画の中にも本当のことを言っているのかわからない人がたくさん出てきますが、彼女をだませる人は誰もいないんじゃないかと思います。



── フェルメールの魅力とは・・・?



有吉:よく、フェルメールの魅力はなんですかと聞かれるんですが、「一言で言えないから観てください」と言うしかありません。フェルメールは言葉を超えています。
映画の最後に出てくる学芸員のフランクの言葉。「サージェント作のガードナー婦人の肖像画から語りかけられた」。これが本当に「絵を見る」ということだと思いました。この体験が彼の人生まで決めてしまったんですね。
フェルメールの絵をただぼーっと見ていると、絵と自分が通じ合っている気がしてきます。それが絵が与えてくれる至福の時間です。



レベッカ:この美術館はまさにそういう経験をしてもらいたくて作られた美術館といっても良いと思います。それを象徴的にあらわしているのが、美術館に行くとよく絵の横にある「何年に何処で書かれたこれこれこういう作品で0」という解説をつけないように指示したという話。解説があると正直な自分の印象が阻害されてしまうので。小さなスペースで、一人で芸術作品と対峙できるというのを大事にしていたと聞きました。






ゲスト紹介



レベッカ・ドレイファス


NYに生まれ育ち、少女のころガードナー美術館で『合奏』に魅せられ、絵を見るためにボストンに通い詰める。SUNYのパーチェイス・カレッジで映画の学士号を取っており、彼女の最初の受賞長編作『Bye-Bye Babushka』は、ニューヨーク及び ロサンジェルスの批評家たちの絶賛を浴び、合衆国のPBSを含む、世界25カ国以上のテレビ局で放映された。二つの短編『The Waiting』と 『Roadblock』も、世界中で賞を受け、国内外でテレビ放映されている。現在彼女が取り組んでいるのは、ロマンチック・コメディだ。




有吉玉青


1963年東京都生まれ。作家。フェルメール作品を求めて欧米各地を訪ねる旅についてのエッセー『恋するフェルメール 36作品への旅』(白水社)のほか、『身がわり 母・有吉佐和子との日日』(新潮社 坪田譲治文学賞)、『月とシャンパン』(光文社)、『風の牧場』(講談社)など著書多数。







作品解説



消えたフェルメールを探して


一体誰が盗んだのか?フェルメールの名画『合奏』をめぐり、絵画探偵、美術収集家、美術品泥棒、フェルメール愛好家・・・それぞれの想いが交錯する美術/探偵ドキュメンタリー!



1990年に、ボストンの美術館からフェルメール作『合奏』ほか12点が盗まれた。フェルメール作品は全部で30数点と少ないため、被害総額はアメリカ美術品盗難史上最高額5億ドルにもなったという。10年以上経っても事件が解決されないことに業を煮やした監督は、美術の世界では高名な絵画探偵ハロルド・スミスとともに事件を追う。事件に関わった者として、有名な美術品泥棒、映画『ディパーテッド』のフランク・コステロ役のモデルと言われている、アイリッシュマフィアのボス、ホワイティ・バルジャー、そして米国上院議員、元大統領などの名があげられ、日本人コレクターによる依頼だという説もあったという。「合奏」に魅せられた人々と、事件の顛末、そして生涯をかけて『合奏』を追った絵画探偵ハロルド・スミスのドキュメンタリー!






『消えたフェルメールを探して / 絵画探偵ハロルド・スミス』


監督・撮影: レベッカ・ドレイファス

脚本:: シャロン・ガスキン

出演:ハロルド・スミス、グレッグ・スミス

2005年/アメリカ/83分

配給:アップリンク

字幕監修:朽木ゆり子







イベント情報



2008年10月18日(土)

上映+トークイベントあり!

開場/開映:14:00/14:30

ゲストは公式サイトにて発表いたします。



会場:アップリンク

入場料は、通常の映画料金に準じます。

一般:¥1,500/学生¥1,300/シニア¥1,000




【関連リンク】

『消えたフェルメールを探して / 絵画探偵ハロルド・スミス』公式サイト

イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館

FBIで現在も公開されている手配書

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なぜ人々はこんなにもフェルメールに魅せられるのか?名画『合奏』をめぐるトークショー その1 http://www.webdice.jp/dice/detail/936/ Wed, 01 Oct 2008 18:46:18 +0100

映画『消えたフェルメールを探して/絵画探偵ハロルド・スミス』9/27の公開に合わせて来日した監督、レベッカ・ドレイファス氏とスペシャルゲストとの対談を行いました。まずは、第一弾、9/27に行われたレベッカ・ドレイファス監督×岡部昌幸氏のトークの一部をご紹介します。






9/27(土) ゲスト:レベッカ・ドレイファス監督×岡部昌幸氏(帝京大学教授)



── まるで貴族の邸宅?ガードナー美術館



レベッカ: わたしは『合奏』をガードナー婦人に紹介してもらったと思っているんです。イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館はとても小さな美術館で、個人の、かなり個性的なお宅という感じでした。ガードナー婦人の指示によって全てが置かれ、なにも動かしてはならないという細かな指示が与えられている。私が最初に美術館を訪れた当時はまだ『合奏』があったけれど、絵を見る前にまず、彼女自身が作り出した不思議な雰囲気の中にもう飲まれていました。完全に舞台が整っている状態で『合奏』に出逢い、「夢かうつつか」というような衝撃を受けました。



岡部: ガードナー美術館は、外側から見ると普通の家のような感じで、大きいけど美術館の荘重なおもむきがない。瀟酒な形でたたずんでいるんです。この映画を観るとわかるように、外側は質素なんだけれど、中側にベネツィアの宮殿を模したような中庭がある。あと似た様なところに、NYのフリック美術館がある。どちらもヨーロッパの邸宅を模倣して建てられており、ヨーロッパの巨匠達の作品を持っている。両方フェルメールがありましたね。フェルメールの奥深さというのは、ちょっとした邸宅のきれいな壁に一点だけぽつっとある。たまたま部屋の中を歩いていくとそこにあるのがフェルメールだった、という感じの。それが本当の奥深さ。まさにガードナー美術館はこれみよがしじゃない、落ち着いた雰囲気。わたしもガードナー美術館を愛好しているんです。



── ガードナー夫人をめぐる男性たち。ベレンソン、岡倉天心、サージェント




レベッカ・ドレイファス監督×岡部昌幸氏(帝京大学教授)


レベッカ: ガードナー婦人というのは日本文化ととても深い関係を持っていたんです。ガードナー美術館の裏にあるボストン美術館に、ちょうど岡倉天心がいて交流があり、日本の文化にも造詣が深かったようです。美術館の1Fから3Fには、「何も一切動かしてはならない」という非常に厳しい遺言書が遺されておりまして、その遺言を破ったら、美術館は即閉鎖、というものなのですが、地下は指定外ということで、ギフトショップを創ってしまった。元々ガードナーは、そこに自分の仏像などを配置して、まるでお寺のような空間を作っていたんです。



岡部: ガードナーと天心の関係は深く、パトロンの一人だったようです。 天心は恋多き人で、いろんな人を好きになってしまう。秘訣は“筆まめであること”なんですね。余計なこと書いちゃうんでしょうね、「愛を込めて」とか。映画に出てくるバーナード・ベレンソン(ガードナー婦人の絵画購入のアドバイザー)とも単純な契約関係ではないですよね。婦人の肖像を描いたサージェントとも関係があるし。しかし彼らのあいだに恋があったかというと、そう深いものではないと思うんですよね。やっぱり芸術があったから。フェルメールをとるかベレンソンをとるかといったらやはり芸術を取るでしょうね。美を追求する仲間だったという気がするんですけれども。




美術館のセキュリティに不備があったか?



岡部: ガードナー美術館に初めて行ったとき、わたしは既に美術館建設の仕事をしていたんですが、随分とのんびりしたスタッフと警備だなと思っていたんですよ。それで思い出したのが、パリのマルモッタン美術館、こちらも貴族の邸宅だったところなのですが、そこも同じ様なのんびりした監視の人がいました。もっとピリピリした監視のところもありますよね。ピカゾのゲルニカがある、マドリッドのソフィア王妃芸術センターとか。何重もの防弾ガラスのところに、筋肉隆々とした男女が何人も見張っている。それはもう芸術という感じがしなかったですね。それに比べるとガードナー美術館とマルモッタン美術館は非常に品がよかった。でもその後、両方とも作品が盗まれたんですよね。私が犯人ではないんですが、これは狙えるな、と。危ないなと思った。



レベッカ: ガードナーが美術館を作った当時は、もっと人の気持ちを信じられた時代だったと思います。美術館というのは変化に対して最先端というわけではないので、セキュリティに関しても、取り残されていたという状況だと思います。映画の中にもありますが、学術員は高給をもらっているのに、ガードをする人たちは非常に安い賃金、時給10ドル以下で働いている。今はかならずしもそうではないですが、美術館が持つ矛盾がそこにはあった。






岡部: 研究をする学芸員が重要なんじゃなくて、本当は作品を守っていく人達が大切なんですよね。その辺が盲点だったという。



レベッカ: セキュリティをする人の芸術に対する造詣の深さとか・・・そうしたギャップも作用してしまうのかもしれません。



岡部: 本物か偽者か、とか、絵画が盗まれたとかいうのは、人ごとだと面白おかしく感じますが、美術館のスタッフの一員だと、こういったトラブルの話はしたくないんですよね、汚点なんです。「なんでも鑑定団」とか、見ている人は何となく偽物であることを期待してしまうというか、がっかりするのを望んでるところがある。でもそれは大変なことなんですよね。









ゲスト紹介



レベッカ・ドレイファス


NYに生まれ育ち、少女のころガードナー美術館で『合奏』に魅せられ、絵を見るためにボストンに通い詰める。SUNYのパーチェイス・カレッジで映画の学士号を取っており、彼女の最初の受賞長編作『Bye-Bye Babushka』は、ニューヨーク及び ロサンジェルスの批評家たちの絶賛を浴び、合衆国のPBSを含む、世界25カ国以上のテレビ局で放映された。二つの短編『The Waiting』と 『Roadblock』も、世界中で賞を受け、国内外でテレビ放映されている。現在彼女が取り組んでいるのは、ロマンチック・コメディだ。



岡部昌幸


1957年神奈川県生まれ。帝京大学文学部助教授、美術史家。特に写真史、ジャポニズム、世紀転換期のアメリカ美術を研究。『盗まれたダ・ヴィンチ』(青春出版社)、『すぐわかる画家別西洋絵画の見かた』(東京美術)、『世界美術大全集・第24巻』(共著・小学館)など著書多数。






作品解説



消えたフェルメールを探して


一体誰が盗んだのか?フェルメールの名画『合奏』をめぐり、絵画探偵、美術収集家、美術品泥棒、フェルメール愛好家・・・それぞれの想いが交錯する美術/探偵ドキュメンタリー!



1990年に、ボストンの美術館からフェルメール作『合奏』ほか12点が盗まれた。フェルメール作品は全部で30数点と少ないため、被害総額はアメリカ美術品盗難史上最高額5億ドルにもなったという。10年以上経っても事件が解決されないことに業を煮やした監督は、美術の世界では高名な絵画探偵ハロルド・スミスとともに事件を追う。事件に関わった者として、有名な美術品泥棒、映画『ディパーテッド』のフランク・コステロ役のモデルと言われている、アイリッシュマフィアのボス、ホワイティ・バルジャー、そして米国上院議員、元大統領などの名があげられ、日本人コレクターによる依頼だという説もあったという。「合奏」に魅せられた人々と、事件の顛末、そして生涯をかけて『合奏』を追った絵画探偵ハロルド・スミスのドキュメンタリー!






『消えたフェルメールを探して / 絵画探偵ハロルド・スミス』


監督・撮影: レベッカ・ドレイファス

脚本:: シャロン・ガスキン

出演:ハロルド・スミス、グレッグ・スミス

2005年/アメリカ/83分

配給:アップリンク

字幕監修:朽木ゆり子







イベント情報



2008年10月4日(土)

13:00の回上映終了後

ゲスト:安藤紘平氏(早稲田大学教授、『フェルメールの囁き』監督)

* フェルメールの大ファンであり、98年に『フェルメールの囁き』を監督した早稲田大学教授の安藤紘平さんによるフェルメールトーク!ご自身の作品についてもお話いただきます。



2008年10月5日(日)

13:00の回上映終了後

ゲスト:小池寿子氏(國學院大学教授)×Tak氏(BLUE HEAVEN青い日記帳 管理人)

* フェルメール作品を全点ご覧になったというTakさんの“フェルメール巡礼”や、何故フェルメール作品は日本で人気があるのか、盗まれた絵画が所蔵されている美術館のセキュリティの問題など、なかなか聞けないフェルメール対談!



2008年10月18日(土)

上映+トークイベントあり!

開場/開映:14:00/14:30

ゲストは公式サイトにて発表いたします。



会場:アップリンク
入場料は、通常の映画料金に準じます。

一般:¥1,500/学生¥1,300/シニア¥1,000




【関連リンク】

『消えたフェルメールを探して / 絵画探偵ハロルド・スミス』公式サイト

イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館

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「フェルメールの“合奏”の謎と魅力に取りつかれている」9/27,28 レベッカ・ドレイファス監督来日トークイベント http://www.webdice.jp/dice/detail/884/ Thu, 18 Sep 2008 12:18:21 +0100
レベッカ・ドレイファス監督


smith


フェルメールは生涯に30数点の作品しか残さなかったと言われている。その内7点は、現在東京都美術館の展覧会で見ることができるが、実は誰も見ることのできない作品が一点ある。



1990年にボストンのイザベラ・スチュワート・ガードナー美術館から盗まれた「合奏」だ。



その絵画を、絵画探偵ハロルド・スミスが生涯をかけて犯人捜索にあたったドキュメンタリー『消えたフェルメールを探して / 絵画探偵ハロルド・スミス』を監督したレベッカ・ドレイファスは、少女のころ「合奏」に心奪われた。



「事件から10年以上経って、いまだに自分が、その絵にまつわる多くの謎と魅力に取りつかれていることに気がつきました。この映画は、絵画がその後どうなったのかを突き止めようとした2年間の成果です」





彼女はこれまでに世界の重大窃盗事件を解決してきた絵画探偵、ハロルド・スミスに協力を仰いだ。



「その過程で、私達はさまざまな人に出会い、世紀と大陸によって引き離されていた人々を偉大な芸術作品によってひとつにすることができました」



盗難事件に関わった者として、アイルランド系地下組織の大物や日本人コレクターによる依頼だという説もあったという。アメリカの美術品盗難史上最高額5億ドル相当(当時)と言われるこの事件の顛末を、劇場でお楽しみいただきたい。






『消えたフェルメールを探して / 絵画探偵ハロルド・スミス』

2008年9月27日(土)よりアップリンクにて公開



監督・撮影:レベッカ・ドレイファス

出演:ハロルド・スミス、グレッグ・スミス、他

2005年/アメリカ/83分

配給:アップリンク



★公開記念トークイベント開催!

●9月27日(土)15:00の回終了後

ゲスト:レベッカ・ドレイファス監督×岡部昌幸氏(帝京大学助教授)

●9月28日(日)13:00の回終了後

ゲスト:レベッカ・ドレイファス監督×有吉玉青氏(作家)


【関連リンク】

東京都美術館『フェルメール展 光の天才画家デルフトの巨匠たち』


FBIの美術品盗難公式サイト



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