20世紀のアメリカをデザインした夫婦の軌跡を描くドキュメンタリー『ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ』が2013年12月13日DVDリリース。それにともない、12月11日、渋谷ヒカリエ/8COURTにて発売記念イベントが開催された。当日はイームズのシェルチェア100席を有する8COURTで『ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ』上映の後、BEAMSクリエイティブディレクターの青野賢一さんとgroovisions代表・デザイナー伊藤弘さんが、このドキュメンタリーと20世紀のデザインに大きな影響を与えたイームズの魅力について語った。
視認性の高いデザイン、時代のアイコンになりうる存在
最初に、家具、建築、映像作品と多岐にわたるイームズのデザインの独自性について、青野さんは「それと見てすぐ分かる視認性の高さは、大きなロゴがついていることよりも、圧倒的なオリジナリティ。ストレージユニットのパネルのモンドリアンのような色使いがすごく印象に残っています」と語った。また伊藤さんは、イームズについて「ものをシンボル化、アイコン化する天才」と表現。「プロダクトだけでなくデザイナーとしてもシンボルになっている。ふたりが写っている写真も、何気ないようでいて本当に計算し尽くされていて、時代のアイコンになりうる人」と、イームズ夫妻の存在自体が当時のアメリカの象徴としてシンボリックであった、稀有なクリエイターであると解説した。
シンボル化されたキャラクターといえば、伊藤さんのgroovisionsが生み出した代表的作品chappieもその代表だが、伊藤さんはイームズ作品自体よりも、その哲学や仕事への姿勢についてシンパシーを感じているという。
「クリエイターはふつう、家具を作る人は映像を作らないし、映像を作る人は展示デザインまでやらない。イームズの『なんでもやる』クリエイティブのあり方はすごく現代的だと思いました。なんでもやれるスタジオを作って、そのスタジオからいろんなものが生まれるクリエイティブな環境を作った。その点はかなり影響を受けているような気がします」(伊藤)。
大量消費のなかでも残っていく強度
また青野さんも、当時IBMの企業PRを手がけるなど、ビジュアルコミュニケーターとして情報をデザインしたイームズの才覚について「今の時代にも通用するアプローチ」と評価する。
「企業や商品について課題を与えられて、それを、映画のなかで何度も言われているように『解決していく』ことを、彼らは様々なアプローチで行い、映像で伝えていった。いちデザイナー、いち建築家という範疇では捉えられない。箱を作るというよりは、箱の中身を考える方が好きな人という感じがしますよね」(青野)。
そのイームズの現代性には、イームズがアトリエを構えたカリフォルニアの地域性も関係があるのではないかとふたりは指摘する。
「ロサンゼルス、カリフォルニアはヒッピー発祥の地ですけれど、イームズのオフィスもある種コミューンというかコミュニティ的で、そうした自由闊達な空気のなかなにかを作っていく。そういう匂いはありますよね」(青野)。
「例えばアップル社がガレージから始まったインデペンデントなメーカーであったように、西海岸のシリコンヴァレーのイメージと、イームズの作っていた工房は、シームレスに繋がっていく」(伊藤)。
そして伊藤さんはイームズが古くならない理由として「素材もしっかりアップデートされながら、設計思想は残っている」ことだと語ると、青野さんも「作り続けられているところに高い価値がある」と同意した。
「ディスコンティニューにならないものってなかなかない。北欧だとアルヴァ・アアルトやウェグナーといったデザイナーの製品は、同じ設計思想、同じプロダクションでずっと作られていますが、イームズの製品は、アメリカの大量生産のただなかでで作られてきた。そういう大量消費のなかでも残っていく強度。そこが他のデザイナーにはあまり見いだせないところかなと思います」(青野)。
使う人のことを考えた“もてなしの心”
『ふたりのイームズ』には、第二次世界大戦中に椅子の成型合板を作るために新たな装置カザム・マシーンを自ら考案し、その曲面が特徴的なフォルムを作ったことなど、その時代ごとに、できないことをできるようにするための不断の努力を続けてエピソードが数多く収められている。DJとしても活動する青野さんはアメリカのポップ・ミュージックに第二次大戦の影響が見え隠れすることを例に挙げながら、「物資の少ない時期を挟んでいるものの、より豊かな生活のために、使う人のことを考えたものづくりの姿勢は一貫している」と語ると、伊藤さんもイームズが全盛のミッド・センチュリーを「うらやましい」と答えた。
「社会の発展と素材や技術の発展とデザインが同時に進んでいた時代だから、いろんな素材に飛びついた人だと思うんです。ものを作ることに対する可能性は今よりもっと大きくて、なんというか、夢があったように思います」(伊藤)。
1975年の「フランクリン&ジェファーソン展」などで、現在のインターネットの世界を先取りしたかのような表現を試みたイームズ夫妻。「21世紀の世界でイームズ夫妻がいたら、どのようなものづくりをしていたか」という質問に、ふたりは次のように答えた。
「ものを作らないで、体験をデザインするみたいなことをやっていたのかもなぁと思ったりするんです。バーチャルの世界にたくさんの階層を作って、一度見たら全て分かるような作りにするかもしれないですね」(青野)。
「『パワーズ・オブ・テン』がグーグルアースみたいだ、という指摘があるように、インターネット時代の情報設計を先取りしていた人だから、きっと今の時代と相性がいい人のような気がします。何の無理もなく、グーグル的な発想でプロダクトを作ってしまえるような人なんじゃないでしょうか」(伊藤)。
夫妻の孫で現イームズ・オフィス代表のイームズ・デミトリオス氏が「イームズの作品の中心には常に人間があり、“もてなしの心”がありました」と語っているように、大量生産・大量消費のなかで生まれながら、そこに人の心をより豊かにしようというふたりの信念があるから、イームズの家具は使い続けられている。
ちなみにふたりのイームズの作品の所有については、青野さんは90年代のミッド・センチュリー・ブームに逆らって、ハウス・オブ・カード以外1つも持っていない、と語る一方で、伊藤さんは事務所のすべての椅子をアルミナム・チェアで統一しているとのこと。そんな青野さん、伊藤さんそれぞれの視点から、イームズの作家性と現代まで続く影響力があらためて感じられるイベントとなった。
なお今回のDVD化にあたり、映像特典として、イームズ夫妻がアトリエ901スタジオのあるカリフォルニアをドライヴしながら巡るシーンを収録。本編でも描かれたチャールズとレイの正反対のキャラクターが色濃く現れているので、ぜひそちらも観てみてほしい。
DVD『ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ』
特装版(初回限定生産)
発売中
監督:ジェイソン・コーン、ビル・ジャージー
ナレーター:ジェームズ・フランコ
出演:ルシア・イームズ(チャールズの娘)、イームズ・デミトリオス(孫)、ポール・シュレイダー、リチャード・ソウル・ワーマン(建築家、グラフィックデザイナー、TED創設者)、ケビン・ローチ(建築家)、ジェニーン・オッペウォール(元イームズオフィス・デザイナー)、デボラ・サスマン(元イームズオフィス・デザイナー)、ゴードン・アシュビー(元イームズオフィス・デザイナー)
制作:アメリカ/2011年/英語/カラー&モノクロ
日本公開日:2013年5月11日
日本語字幕:額賀深雪
商品仕様:本編84分+特典24/本編=5.1ch/特典=ステレオ/吹替えなし
品番:DABA-4529
定価:5,670円(税込)
◆映像特典 : オリジナル予告編、日本版劇場予告編
◆封入特典
・オリジナルメモパッド
・越前伝統工芸のブランド"Hacoa"とのコラボマグネット
・ブックレット
・特製スリーブ
★アマゾンでのご購入はこちら
公式サイト:http://www.uplink.co.jp/eames/
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▼『ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ』予告編
レイ・イームズの回顧展『RAY EAMES: A CENTURY OF MODERN DESIGN』が、米国カリフォルニア州サクラメントのtarget="_blank">カリフォルニア美術館にて、今年2月23日から来年2月23日まで開催されている。サクラメントで生まれ育ったレイ・カイザーが、チャールズ・イームズと結婚する以前に制作した100点を超える絵画などを中心に、イームズ・オフィスのプロダクトの数々やイームズ家の秘蔵品が集められ、芸術家レイ・イームズのキャリアに新たな光を射す展示となっている。
現在公開中の映画『ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ』の中でも元イームズ・オフィスのスタッフが証言しているとおり、世間的なレイの認知度は低く、女性であることさえ知らぬ人がいたり、チャールズの兄弟と誤解されていたりした。
今回の企画展を統轄したカリフォルニア美術館のブレナ・ハミルトンは、「レイは最も影響力のある20世紀のデザイナーの一人で、アート界で活躍する女性の先駆者でした。それにもかかわらず、地元サクラメントでまだ認められていません」と話す。「レイが生涯に生み出した作品の数は、多すぎて把握できないほど。小さい頃に紙の着せ替え人形を作って、大人になってからも作り続けた。そういう子供のような創作性を失わない人でした」。
1912年にカリフォルニア州サクラメントで生まれたレイ・カイザーは、ゲームやおもちゃを楽しんだり、自然の中で遊ぶことを大事にする両親のもとで育った。高校で美術部に入ると絵画に熱中し、ノートを埋めつくすほどスケッチ描き始める。21歳のとき、ニューヨークでドイツ人抽象画家ハンス・ホフマンの創設した美学校に入り、6年間ホフマンの門下で絵画を学んだ。24歳のとき、アメリカ抽象芸術家協会というグループの創設メンバーになる。その後、絵画以外の美術表現への興味から、28歳のときに友人の勧めでクランブルック美術アカデミーに願書を出し、そこで生涯のパートナー、チャールズ・イームズと出会った。チャールズと結婚し、ロサンゼルスに移住してからの2年間、『アーツ&アーキテクチャー』誌の表紙を手がけたり、定期的に絵を描いていたが、以後ほとんどの時間をチャールズとの共同作業に費やした。1978年のチャールズの死後も、イームズオフィスの膨大な作品や資料を整理しながら、書籍版『パワーズ・オブ・テン』の刊行に尽力し、講演を行なうなど精力的に活動した。そしてチャールズのちょうど10年目の命日である1988年8月21日に76歳で亡くなった。
なお、展示の様子はこちらのサイトにも詳しく紹介されている。
THE FILMES OF CHARLES & RAY EAMES
イームズ夫妻による映像作品37本を7日間限定上映!
会場:渋谷アップリンク
料金:一律500円
詳細はこちら
◆主な内容
【プログラム1】(87分)
『パワーズ・オブ・テン、ハウス:ケース・スタディ・ハウス#8』など7作品
【プログラム2】(54分)
『IBMマスマティックス・ピープ・ショウ』『ポラロイド SX-70』など11作品
【プログラム3】(57分)
『コマ』『IBM館』『小さな水クラゲ』など10作品
【プログラム4】(56分)
『メキシコの祝日~死者の日』『ソーラー何にもしないマシーン』など9作品
◆上映日時
プログラム1
05/22(水)19:15
05/25(土)12:30
05/29(水)16:45
06/02(日)14:45
プログラム2
05/22(水)15:15
05/25(土)14:45
05/29(水)14:45
06/02(日)16:45
プログラム3
05/22(水)16:40
05/26(日)12:30
06/01(土)16:45
06/05(水)14:45
プログラム4
05/22(水)18:00
05/26(日)14:45
06/01(土)14:45
06/05(水)16:45
映画『ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ』
渋谷アップリンク、シネマート六本木にて公開中、他全国順次公開
監督:ジェイソン・コーン、ビル・ジャージー
ナレーター:ジェームズ・フランコ
出演:ルシア・イームズ(チャールズの娘)、イームズ・デミトリオス(孫)、ポール・シュレイダー、リチャード・ソウル・ワーマン(建築家、グラフィックデザイナー、TED創設者)、ケビン・ローチ(建築家)、ジェニーン・オッペウォール(元イームズオフィス・デザイナー)、デボラ・サスマン(元イームズオフィス・デザイナー)、ゴードン・アシュビー(元イームズオフィス・デザイナー)
アメリカ/2011年/英語/カラー&モノクロ/HDCAM/84分
配給:アップリンク
宣伝:ビーズインターナショナル
協力:ハーマンミラージャパン
公式サイト:http://www.uplink.co.jp/eames/
公式twitter:https://twitter.com/EamesMovieJp
6/1(土)12:15の回アフタートーク・ゲスト:柏木博さん
プロフィール:デザイン評論家、武蔵野美術大学造形文化・美学美術史教授。デザインをとおして近代を読み解く作業をしている。主な著作に『「しきり」の文化論』(講談社/2004年)、『モダンデザイン批判』(岩波書店/2002年)、『家具のモダンデザイン』(淡交社/2002年)、『20世紀はどのようにデザインされたか』(晶文社/2002年)など。「田中一光回顧展」(東京都現代美術館/2003年)ほか多くの展覧会を企画監修している。
▼『ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ』予告編
ミッドセンチュリー・モダンの旗手、イームズ夫妻の軌跡を辿るドキュメンタリー映画『ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ』が、5月11日(土)から公開となる。家具デザイナーとして有名なイームズが、映像クリエイターでもあったことはあまり知られていない。映像作家としてのイームズを、映画評論家ミルクマン斉藤氏が解説する。
また、公開を記念して代表作『パワーズ・オブ・テン』ほかイームズ夫妻の手掛けた映像作の上映も行われる。
全作品に通底する、明快な構成力、硬質にして繊細な色彩とデザイン、リズミカルな編集センス ───ミルクマン斉藤
ほんの十数年前まで、チャールズ&レイ・イームズが「映画作家」であるとは、ほとんど認識されていなかった。代表作『パワーズ・オブ・テン』以外、上映される機会が少なかったし、彼らの創作活動全般の中に占める映像の位置が判然としなかったせいもある。だが実際は、余技の範疇を遥かに超えていたのだ。その数、約120本。さらに未完成の断片が100本あまり残されているという。
いまデザイナーが映像を作るとなると、いわゆる「モーション・グラフィックス」的アプローチになりがちだろうが、イームズのそれはまさに「映画作品」というに相応しいもの。もっとも物語的なものではなく、動くデザイン・アートと呼ぶべきものではあるが。
残念ながらいまだに、とりわけ日本では「映画作家」としてのイームズに馴染みが薄いと思われる。そこで、例えばどんな作品があるのか傾向ごとに紹介してみるのも無駄ではないだろう(邦題を記した作品は2008年発売の『チャールズ&レイ・イームズ 映像作品集 DVD-BOX』[※発売元:IMAGICA TV/販売元:ジェネオン エンタテインメント]に準ずる)。
Ⅰ.「科学啓蒙映画」
公園で寝そべる男を出発点に、ミクロ/マクロの奇妙な相似と、アートマン/ブラフマンの一元性を暗示する哲学を、たった8分あまりで図示してみせる至高作『パワーズ・オブ・テン』(77年、原型作品は68年に完成)。数学や天文学の概念をアニメーションを用いて判りやすく解説した『IBMマスマティックス・ピープ・ショウ』(61年)、『ケプラーの法則』(74年)。ローマ帝国の興亡をヨーロッパ勢力地図の変遷でのみ図示した『版図』(76年)……など。
Ⅱ.「CF的映画」
『イームズ・ラウンジ・チェア』(56年)、『カレイドスコープ・ジャズ・チェア』(60年)、『ファイバーグラス・チェア』(70年)、『コンピュータ用語集』(68年)、『ポラロイド SX-70』(72年)……など。ただの商品宣伝ではなく、イームズ特有のグラフィカルでフェティッシュな視線が炸裂。Ⅰと同じく、理系映像好きは悶絶必至。
Ⅲ.「プレゼンテイション映画」
新空港での乗客搬送プランをクールなアニメーションで図示した『空港の拡張』(58年)、ワシントンD.C.に建設予定だった大規模施設の紹介にとどまらず水の生態系が魅力的に語られる『国立漁業センター&水族館』(67年)……など。建築家や公的機関から依頼されたプレゼン用フィルムだが、総じてお洒落でグラフィック性高く、しかも知的好奇心に満ちている。こんなの持ち込まれたらクライアントはイチコロでしょう。
Ⅳ.「イヴェント用映像(あるいは記録の再構成)」
NYワールド・フェアでのIBM館の記録をコマ落とし多用で再構成した『IBM館』(65年)、建国200年記念「フランクリンとジェファーソンの世界」展の総括映画で、膨大な博物学的史料を駆使して建国の父ふたりの年表を横スクロール・アニメでどーっと見せるシーンが圧巻の『The World of Franklin & Jefferson』(76年)。あるいはイームズ・ハウスの記録写真をまとめた『ハウス:ケース・スタディ・ハウス#8:5年後の記憶』(55年)展など。
Ⅴ.「純粋映画」
夫妻のコレクションである玩具を用いて、色彩とフォルムと動きの面白さを捉えた『パレード』(52年)、『おもちゃの汽車のトッカータ』(57年)、『コマ』(69年)等のいわゆる「トイ・フィルム」。 アスファルトの校庭を洗浄する水と泡の流れを追った『ブラックトップ』(52年)、トランジスタのような多面体浮遊生物の接写とバッハが神秘的に結合する『小さな水クラゲ(ポリオーキス・ハプルス)』(70年)……など。
ただし、この区分は多分に便宜的なもので、それぞれ複数の要素を併せ持つものが少なくない。数多くの作品で協働するグレン・フレックによるイラスト&アニメーション、そしてエルマー・バーンスタインの音楽も素晴らしい。何より全作品に通底するのは、明快な構成力、硬質にして繊細な色彩とデザイン、リズミカルな編集センス。見事なまでに完成された独自性は、その時代の実験的映像作家を眺めてみても突出していて映像至上主義者にとってはまさに至福のフィルム群だ。
最後にイームズが関わった超有名作品を。夫妻は熱心な20世紀美術コレクターでもあった巨匠、ビリー・ワイルダーの親友だったけれど (このドキュメンタリー『ふたりのイームズ』中にも一瞬登場)、彼がリンドバーグの大西洋単独横断飛行を扱った異色作『翼よ! あれが巴里の灯だ』(57年)にはチャールズが“Montage by”としてクレジットされている。タイトル・デザイン界の開拓者ソウル・バスにも同様にクレジットされた作品があるが、これは監督が特殊な映像コンポジションを求め、いわばヴィジュアル・コンサルタントとして起用したことを意味しているだろう。例えば、機体を設計・製作するシークエンス、機が大西洋横断に飛び立つ際のメカニックへのこだわり(ワイルダーを敬愛する中平康は『紅の翼』(58年)でよりフェティッシュに模倣した)などを観れば、イームズの痕跡は瞭然である。
1963年生まれ。映画評論家。グラフィック・デザイン集団groovisionsの、唯一デザインしないメンバー。日本のクラブ・シーンにおけるVJのさきがけでもあり、ピチカート・ファイヴのステージ・ヴィジュアルを8年間手掛ける。1999年と2003年の「中平康レトロスペクティヴ」、’2001年の「鈴木清順レトロスペクティヴ STYLE TO KILL」ではスーパーヴァイザー的役割と予告編制作を務めた。著書に『中平康レトロスペクティヴ――映画をデザインした先駆的監督』(プチグラパブリッシング/2003年)、『至極のモダニスト 中平康』(日活/1999年)がある。月イチの映画トーク・ライヴ「ミルクマン斉藤の日曜日には鼠を殺せ」を大阪で主宰。
映画『ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ』
5月11日(土)渋谷アップリンク、シネマート六本木他全国順次公開
監督:ジェイソン・コーン、ビル・ジャージー
ナレーター:ジェームズ・フランコ
出演:ルシア・イームズ(チャールズの娘)、イームズ・デミトリオス(孫)、ポール・シュレイダー、リチャード・ソウル・ワーマン(建築家、グラフィックデザイナー、TED創設者)、ケビン・ローチ(建築家)、ジェニーン・オッペウォール(元イームズオフィス・デザイナー)、デボラ・サスマン(元イームズオフィス・デザイナー)、ゴードン・アシュビー(元イームズオフィス・デザイナー)
アメリカ/2011年/英語/カラー&モノクロ/HDCAM/84分
配給:アップリンク
宣伝:ビーズインターナショナル
協力:ハーマンミラージャパン
公式サイト:http://www.uplink.co.jp/eames/
公式twitter:https://twitter.com/EamesMovieJp
THE FILMES OF CHARLES & RAY EAMES
イームズ夫妻による映像作品37本を7日間限定上映!
『ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ』の公開を記念して、代表作『パワーズ・オブ・テン』ほかイームズ夫妻の手掛けた映像作品37本を7日間限定上映! 単なる広告映像でもなければ、ドキュメンタリー映画でもアート映画でもない、どんなカテゴリーにもあてはまらない映像作品の数々を、この機会にぜひお見逃しなく。
会場:渋谷アップリンク
料金:一律500円
トーク付上映のみ1ドリンク付きで1,000円
■プログラム1(87分)
1.パワーズ・オブ・テン 8:48
Powers of Ten(1977)
2.パワーズ・オブ・テン:ラフ・スケッチ 8:01
Rough Sketch of a Propsed Film Dealing with The Powers of Ten(1960)
3.ブラックトップ 10:49
Blacktop(1952)
4.カレイドスコープ・ジャズ・チェア 6:32
Kaleidoscope Jazz Chair(1960)
5.ハウス:ケース・スタディ・ハウス#8 5年後の記憶 10:45
House: After Five Years of Living(1955)
6.おもちゃの汽車のトッカータ 13:30
Toccata for Toy Trains(1960)
★特典映像★901:チャールズ&レイとイームズ・オフィス 45年の記憶 28:32
Special Feature. 901: After 45 Years of Working(1990)
■プログラム2(54分)
1.デザインQ & A 5:27
Design Q & A(1972)
◆IBM マスマティックス・ピープ・ショウ
IBM Mathematics Peep Shows(1961)
(5作品:エラトステネス、幾何学、シンメトリー、関数について、2のn乗)
2.エラトステネス 2:14
Eratosthenes
3.トポロジー 1:57
Topology
4.シンメトリー 2:38
Symmetry
5.関数について 2:09
Something about Functions
6.2のn乗 1:57
2ⁿ
7.ポラロイド SX-70 10:49
SX-70(1972)
8.コペルニクス 9:27
Nicholas Copernicus(1973)
9.ファイバー・グラス・チェア 8:36
The Fiberglass Chairs(1970)
10.「もの」について 6:25
Goods(1981)
11.追いかけっこ 2:33
The Chase(1975)
■プログラム3(57分)
1.コマ 7:36
Tops(1969)
2.IBM館 7:31
IBM at the Fair(1965)
3.コンピューター用語集 8:28
A Computer Glossary(1968)
4.イームズ・ラウンジ・チェア 2:00
Eames Lounge Chair(1956)
5.空港の拡張 9:25
The Expanding Airport(1958)
6.ケプラーの法則 2:50
Kepler’s Laws(1974)
7.パン 6:04
Bread(1953)
8.小さな水クラゲ(ポリオーキス・ハプルス) 2:49
A Small Hydromedusan:Polyorchis Haplus(1970)
9.コマ(「スターズ・オブ・ジャズ」より) 3:01
Tops [from Stars of Jazz](1958)
10.黒船 7:40
The Black Ships(1970)
■プログラム4(56分)
1.メキシコの祝日~死者の日 14:48
Day of The Dead(1957)
2.S-73(ソファ・コンパクト) 10:35
S-73 [Sofa Compact](1954)
3.ベバッジの計算機 3:33
Babbage’s Calculating Machine or Different Engine(1968)
4.α 1:16
Alpha(1972)
5.指数 3:01
Exponents: A Study in Generalization(1973)
6.ソーラー何にもしないマシーン 2:11
Solar Do-Nothing Machine(1957/edited 1991)
7.国立漁業センター&水族館 10:34
National Fisheries Center and Aquarium(1967)
8.パレード 5:34
Parade, or Here They Come Down Our Street(1952)
9.版図 4:57
Atlas(1976)
◆上映日時
プログラム1(87分)
05/22(水)19:15~20:42 20:50~トーク開始 ※一律¥1,000(1ドリンク付き)
05/25(土)12:30
05/29(水)16:45
06/02(日)14:45
プログラム2(54分)
05/22(水)15:15
05/25(土)14:45
05/29(水)14:45
06/02(日)16:45
プログラム3(57分)
05/22(水)16:40
05/26(日)12:30
06/01(土)16:45
06/05(水)14:45
プログラム4(56分)
05/22(水)18:00
05/26(日)14:45
06/01(土)14:45
06/05(水)16:45
http://www.uplink.co.jp/movie/2013/11632
▼『ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ』予告編
20世紀をデザインした伝説の夫婦のドキュメンタリー映画『ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ』が、5月11日(土)から公開となる。イームズ夫妻は家具デザインの分野で広く知られているが、大規模な展示のプロデュースも数多く手がけている。エキシビション・プロデューサーとしてのイームズについて、『DESIGN=SOCIAL――デザインと社会とのつながり』(ワークスコーポレーション刊)の著者でもあり、展覧会のキュレーターなども務める柳本浩市氏が解説する。
理解されないほどの未来を見据えていたイームズ
──柳本浩市
1955年、友人でありコラボレーターでもあるアレキサンダー・ジラルドの依頼で彼のディレクションする「インドのテキスタイルと装飾」展の映像制作に協力した事がイームズ初の展覧会仕事になりました。イームズの活動は1つの仕事が伏線となり、他の仕事へとリンクされています。この展覧会もまたインドの産業発展の道しるべとなる58年の「インド・レポート」や65年、前年急逝したインドの首相ネルーの功績を紹介した展覧会「ネルー:その生涯と祖国」への協力、そして展覧会の映像関連作は59年にモスクワでおこなわれた「アメリカ博」へと繋がっています。この「アメリカ博」は、当時冷戦中だったソ連でアメリカの産業を紹介する極めて政治的な博覧会でした。ここで放映される映像としてアメリカ政府は技術や産業の豊かさを見せつけたいという意図があったと思います。しかしイームズは7つのマルチスクリーンを使って映画「アメリカの1日」を紹介しました。直接的でないにせよ、そこには末端まで入り込んだ豊かさが反映されており、それはプロパガンダの要素を含んでいました。それも直接的なプロパガンダではソ連側を憤慨させたかもしれませんが、日常に目を向ける事によって感動的に仕上げてしまったのです。クライアントの意図を全く違う視点から、しかも有効的に伝達する。イームズのビジュアルコミュニケーションの成功は60年代に入ってますますニーズが高まってきます。
61年、イームズは初めての展覧会のプロデュースをおこないました。それはカルフォルニア科学技術博物館の新館開設にあたり、IBMの依頼で手がけた「マスマティカ:数の世界…そしてその行方」展です。数学というものを子供から専門家に至るまで納得させ、純粋な気持ちで知識に触れられる展示でした。家具のデザイナーとして有名な夫婦ですが、ここではゲーム感覚で体験する事の出来る多くの展示マシーンを設計しています。そして複雑なコラージュによる近代数学者年表を制作しましたが、後に触れる「フランクリンとジェファーソンの世界」展へと繋がっていきます。イームズはこの後も「コペルニクス」展や「フィボナッチ」展など教育的視点に立った展覧会をプロデュースしています。そしてIBMとの関係性もますます強くなっていきました。
その最たるものが64年に行われたニューヨーク万博でのIBM館でした。エーロ・サーリネン設計の卵型パビリオンで有名ですが、移動式の劇場のアイデア、パビリオン中庭のサーカステントのような簡易施設、そして22つのマルチスクリーンを使った映像「THINK」をイームズは制作しています。私はイームズを説明する際、しばしばサーカスを例えに出します。サーカスは危険と隣り合わせゆえ、厳密な制約などに縛られていますが、観客には一切感じさせず、楽しさだけを提供しています。イームズのデザインの根底には常にこの制約に対する非常に真摯な作業がありますが、私たちには魅力や楽しさのみを伝えてくれます。これらの展覧会でも共通しているのが、複雑かつ難解なテーマがありながら、観客には老若男女問わず感動を与えているところです。しかし、晩年の展覧会で酷評される出来事がおこりました。それが「フランクリンとジェファーソンの世界」展でした。
75年、アメリカ建国200年を記念しておこなわれた展覧会で、言わずと知れたアメリカ建国の貢献者であるベンジャミン・フランクリンとトーマス・ジェファーソンという2人の人物に触れながらアメリカ200年の歴史を紹介していこうという壮大な内容でした。イームズの孫であるデミトリオスはこの酷評が歴史博覧会を美術館で行った事による抵抗だと述べていますが、大量なテキストと資料展示によって観客が理解出来ないものであったことは別に事実として存在しています。この前後からイームズはもう衰えたデザイナーと烙印を押されるようになりました。
しかし、本当に彼らは終わってしまったのでしょうか? 現在の美術館や博物館はある文脈をもとにそれに関連する展示品を収集しています。このスタイルが出来る以前18世紀まではヴァンダーカンマー(驚異の部屋)と呼ばれる、何でも集めて部屋をいっぱいにするスタイルが一般的でした。私たちは現在インターネットが生活の一部となっており、ウェブ上はヴァンダーカンマー状態にあります。そして実は整理された状況でなく、この混沌の状態の中でリンクされる情報から文脈をそれぞれが見いだす編集力こそが意味あるものと認識されるようになり、21世紀以降の美術館・博物館の収集スタイルが問われています。
「フランクリンとジェファーソンの世界」展はリアル上に情報を集約させたために、当時の人々には把握する事ができませんでしたが、まさにこれはインターネット時代の情報のありかたと私たちとの関係を予感させたものだったのだと思います。イームズは終わったのではなく、理解されないほどの未来を見据えていたのでしょう。これからもイームズが遺した概念の意味を私たちは発見していくでしょう。だからこそ現在においても、多分これからもイームズが私たちを魅了しているのだと思います。
企業の商品開発から、展覧会プロデュース、ショップのコンセプトディレクション、執筆など幅広い活動を行なう。エアライン・ブーム、北欧デザイン・ブーム、コネクトオークションなどトレンドの仕掛け人。2002年にGlyph.を設立。近著は『DESIGN=SOCIAL』(ワークスコーポレーション/2008)。手掛けたイベントに「10 designers in Koloro desk」(2013年/ミラノサローネ)、「BRAUN展──形状を超えたデザイン──」(2005年/AXISギャラリー)、「Braniff Airline Expo」(2004年パルコミュージアム)などがある。
映画『ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ』
5月11日(土)渋谷アップリンク、シネマート六本木他全国順次公開
監督:ジェイソン・コーン、ビル・ジャージー
ナレーター:ジェームズ・フランコ
出演:ルシア・イームズ(チャールズの娘)、イームズ・デミトリオス(孫)、ポール・シュレイダー、リチャード・ソウル・ワーマン(建築家、グラフィックデザイナー、TED創設者)、ケビン・ローチ(建築家)、ジェニーン・オッペウォール(元イームズオフィス・デザイナー)、デボラ・サスマン(元イームズオフィス・デザイナー)、ゴードン・アシュビー(元イームズオフィス・デザイナー)
アメリカ/2011年/英語/カラー&モノクロ/HDCAM/84分
配給:アップリンク
宣伝:ビーズインターナショナル
協力:ハーマンミラージャパン
公式サイト:http://www.uplink.co.jp/eames/
公式twitter:https://twitter.com/EamesMovieJp
▼『ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ』予告編
1940~1960年代、アメリカの近代主義から生まれたデザインの潮流“ミッド・センチュリー・モダン”の旗手、イームズ夫妻の素顔に迫ったドキュメンタリー映画『ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ』が、5月11日(土)から公開となる。家具、建築、映像、エキシビションと、幅広い分野で活躍したイームズ夫妻の仕事のうち、モダン建築の傑作といわれるイームズ邸について、建築家の岸和郎氏が解説する。
イームズ・ハウスの奇妙な配置計画の謎
──岸和郎
イームズ・ハウスを初めて訪れたのは、もう随分昔のことになる。それは1981年のことだった。今はもう覚えている人も少ないかもしれないが、1980年代は「ポストモダニズム」の時代だった。奇妙な形をした歴史主義的な建築の時代だったのだ。そんな時にモダニズム、それもカリフォルニアの1960年代までのモダニズムの建築に興味を持つ人などいるはずはない。私のような数少ない例外を除いては、だ。
私自身は1950年代から60年代にかけて、ロサンジェルスで展開した「ケーススタディハウス」に興味があった。それはジョン・エンテンザが発行人をつとめた『アーツ・アンド・アーキテクチュア』という雑誌が始めた企画であり、新しい時代の住宅像をメディア、クライアント、施工業者、メーカーまでを一体的に巻き込みながら、メディアが主導する形であたらしい南カリフォルニアの住宅を提案するというものだった。結果として、二十数件のケーススタディハウスが実現した。
我々がごく当たり前だと思っている、夫婦二人+子供の核家族のための自動車2台のパーキングがついた住宅というプログラムは、実はここで歴史上初めて提案され、実現したものだ。
また、平屋のオープン・プランを基本とするという平面計画のルールは、オープン・キッチンという新しいスタイルを生み出し、そこで展開されるであろう新しいライフスタイルを我々に垣間見せてくれた。
それ以外にもこのケーススタディハウスがはじめて提案したものは沢山ある。南カリフォルニアの温暖な気候を積極的に取り入れた提案、たとえばパティオでの屋外ダイニングやプールのあるライフスタイル、あるいは今ではアジアのリゾートホテルでは定番となったリフレクティング・プールという水の表現もここが起源である。
1980年代に、時代遅れだと思われていた住宅群、ケーススタディハウスを探し求めて、地図を片手に慣れない左ハンドルのレンタカーを運転しながらロサンジェルスの住宅地を走り廻っていた。そんな時にケーススタディハウスNo.8、イームズ・ハウスに出会う。
この住宅はケーススタディハウスとしては規格外だ。平屋ではなく2階建てだし、単なる住宅ではなく、スタジオを併設した2棟の建築でもある。ケーススタディハウスのプログラムに乗ってはいるものの、例外だらけの住宅である。
最初にここを訪れた1981年には、たまたまみんなが出掛けていたため、そこに居たメイドさんが、「1分だけよ。レイがもうすぐ帰ってくるから」と言って、内部に招き入れてくれた。その幸運にわくわくしながら内部を見学したのだが、あまりの興奮のためか、あるいはレイが帰ってきて怒られたらどうしよう、などと考えていて、内部の印象はほとんど記憶にない。その時の手ぶれしたスナップ写真だけが手元に残っているだけだ。ただ、そんな最初の訪問の時から、建築の配置計画の奇妙さには気が付いていた。
次にこの住宅を訪れたのはそれから約30年近く経った、2007年である。イームズ・ハウスについての本を執筆することになり、そのための写真撮影の立ち会いを兼ねての訪問である。撮影はフランスのカメラマン、フィリップ・リュオーと一緒だった。
南カリフォルニア特有の気持ちのいい春の日の朝、撮影が始まった。イームズ・オフィスのディミトリアスが現れてちょっとした事件が起きたり、2階に今も残っていたレイの衣装や様々な身の廻りのモノ達からの溢れるメッセージを聞きながら、あの住宅で春の一日を過ごした。昼食に近くのスーパーマーケットで買ってきたサンドイッチやサラダ、飲み物やなんかを前庭でみんなでピクニックのようにして戴いた時は、この歴史的な建築が本来そうであったような、単なる「住宅」に戻った希有な瞬間だったと思う。最後にレイが亡くなった時のまま、時間が停止しているかのように眠り続けてきたイームズ・ハウスがその瞬間だけ、我々を包み込む「住宅」に戻ったのだ。
そんな時間の中、再びあの奇妙な配置計画の謎を考え始めた。
このイームズ・ハウスには、第1案がある。現在建っているものは第2案であり、この住宅は市販されている鉄材や建築材料を組み合わせてつくる、現代風に言うと「プレハブ」であるため、第2案に変更しても、梁以外の全てのパーツは再使用可能だったとイームズは述べているが、そこには「プレハブ」であることを強調するためのレトリックが多分に含まれているものの、それを差し引いてみても第2案への変更が突然であったことが分る。
では、第1案から第2案への変更とは何だったのか。
まず敷地条件として、このパシフィック・パリセーズの敷地は太平洋に面している。第1案はその景観を十分に取り入れるためであろう、ピロティで2階に持ち上げられた建築のメイン・ヴォリュームは太平洋に正対している。
ところがその案は破棄され、建築のメイン・ヴォリュームは90度向きを変えられ、太平洋にはそっぽを向き、むしろ谷に面し、しかも後ろの斜面に押し付けられ、2階建てのヴォリューム二つへと、変形させられている。さらに、軽快な鉄骨造の構造体にガラス開口部をセットするという、開放的な表情であるにも関わらずその建物前面、その開口部に沿うようにユーカリの樹木が植樹され、建物を覆い隠している。
私自身の分析のプロセス、それはあえてここに記さない。少々長い、映像と建築の知識を必要とする分析になるからだ。興味を持たれたら、あらためて私の本を読んでいただきたい。ただ、その結論だけを記しておく事にする。
イームズ・ハウス、一見すると建築の形をしているが、イームズ夫妻にとってはむしろ映像実験装置だったのではないか、という結論だ。
それは代表的な映像作品である『パワーズ・オブ・テン』が世界の構造と対峙する映像であったのと同じことだ。このイームズ・ハウスも世界の構造と対峙する建築であったのではないか。『パワーズ・オブ・テン』が10のn乗で世界と映像を対峙させているとすれば、この住宅は別のやり方、実は螺旋状の空間構造で世界と対峙している。緯度と経度でグリッド状に定義される直交座標系の世界、これが我々の世界の基本構造だとすれば、一見するとそれに従っているように見えるイームズ・ハウスには、実は螺旋が潜んでいる。
私がそうしたように、一度、じっくりこの建築を体験される事をお勧めする。
1950年生まれ。建築家。京都大学大学院工学研究科建築学専攻教授。1981年、岸和郎建築設計事務所を設立(現・K.ASSOCIATES / Architects)。主な建築作品は「日本橋の家」(1992年)、「紫野和久傳」(1995年)、「ライカ銀座店」(2006年)、「GLASHAUS/靱公園」(2007年)など。近著は『重奏する建築――文化/歴史/自然のかなたに建築を想う』(TOTO建築叢書/2012年)、『イームズ・ハウス/チャールズ&レイ・イームズ』(東京書籍/2008年)、『逡巡する思考』(共立出版/2007年)など。
映画『ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ』
5月11日(土)渋谷アップリンク、シネマート六本木他全国順次公開
監督:ジェイソン・コーン、ビル・ジャージー
ナレーター:ジェームズ・フランコ
出演:ルシア・イームズ(チャールズの娘)、イームズ・デミトリオス(孫)、ポール・シュレイダー、リチャード・ソウル・ワーマン(建築家、グラフィックデザイナー、TED創設者)、ケビン・ローチ(建築家)、ジェニーン・オッペウォール(元イームズオフィス・デザイナー)、デボラ・サスマン(元イームズオフィス・デザイナー)、ゴードン・アシュビー(元イームズオフィス・デザイナー)
アメリカ/2011年/英語/カラー&モノクロ/HDCAM/84分
配給:アップリンク
宣伝:ビーズインターナショナル
協力:ハーマンミラージャパン
公式サイト:http://www.uplink.co.jp/eames/
公式twitter:https://twitter.com/EamesMovieJp
▼『ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ』予告編
5/11(土)より渋谷アップリンクとシネマート六本木で公開される『ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ』。現在、渋谷~六本木界隈のさまざまなショップでは、映画の世界をより楽しめるイームズ・フェアを開催中!
Mid-Century MODERN
HASAMIとのコラボ・マグカップ発売
昨年12月に青山から代官山に移転リニューアルした、ミッドセンチュリー期の家具・雑貨を専門に扱う老舗ショップ。映画公開を記念して、波佐見焼の陶磁器ブランド、HASAMI(はさみ)とのコラボ・マグカップを限定発売!
→コラボ・マグカップの詳細はこちら
●渋谷区猿楽町11-8 メゾン代官山1F
●TEL 03-3477-1950
●営業時間/11:00~20:00 年中無休
http://www.mid-centurymodern.com
MoMA DESIGN STORE
映画公開を記念してイームズをフィーチャー
イームズ夫妻とゆかり深いニューヨーク近代美術館(MoMA)初の海外出店。MoMAの代表的な商品と、限定商品を含む、美術館のコレクションを象徴するラインナップが揃っています。映画公開にあわせ、4月下旬から5月末までイームズをフィーチャー。MoMAイームズ・チェア・コースターやイームズの家具・雑貨を販売中。
●渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 3F
●TEL 03-5468-5801
●営業時間/11:00~20:00 年中無休(年始・ビル休館⽇を除く)
http://www.momastore.jp
http://www.momastore.jp/search/item020-46830-KT.html
SHIBUYA BOOKSELLERS
"読む"イームズ ─人々の暮らしを変えた、ある夫婦のデザイン─
人とものとが行き交い、新しい知性が生まれる、渋谷の書店。一点一点セレクトされた派幅広いジャンルの本が、新刊・古書問わず並んでいます。5/1~5/31の期間、イームズ書籍特集を開催。
●渋谷区神山町17-3 テラス神山1F
●TEL 03-5465-0588
●営業時間/月~土12:00~24:00 日12:00~22:00(変更有り)
http://www.shibuyabooks.net
seat mania
公開期間中、スペシャル・メニューを提供
イームズのLCW、ラ・シェーズ、DCM、RARをはじめ、パントン、ネルソン、コルビュジェ、ヤコブセン、ベルトイアなど、店内には20脚のデザイナーズ・チェアがあり、お好きなイスでゆったりくつろげるカフェ。公開期間中、コラボメニューとして、イームズのイスを粉糖であしらったパンケーキが登場!
●渋谷区渋谷3-1-9
●TEL 03-5467-8997
●営業時間/平日11:30~20:00 土日12:00~20:00 年中無休
http://seatmania.jp
代官山蔦屋書店・TSUTAYA TOKYO ROPPONGI
4/19よりイームズ・コーナー登場
代官山蔦屋書店およびTSUTAYA TOKYO ROPPONGIでは、イームズ関連書籍やグッズを集めたイームズ・コーナーが登場!
●渋谷区猿楽町17-5
●TEL 03-3770-2525
●営業時間/(1F)7:00~2:00 (2F)9:00~2:00
●港区六本木6-11-1 六本木ヒルズ六本木けやき坂通り
●TEL 03-5775-1515
●営業時間/7:00~4:00 年中無休
タワーレコード渋谷店
プレゼント・キャンペーン実施&パネル展開催
タワーレコード渋谷店2階のタワーブックスでは、イームズ関連商品をご購入のお客様に、豪華なプレゼントが当たるキャンペーンを実施! また、同フロアでは映画のパネル展も同時開催中です。
●渋谷区神南1-22-14
●TEL 03-3496-3661
●営業時間/10:00~23:00(TOWER RECORDS CAFEは23:30)年中無休
http://tower.jp/store/Shibuya
国立新美術館
カリフォルニア・デザイン1930-1965 ─モダン・リヴィングの起源─
国立新美術館では6月3日まで、イームズをはじめとするカリフォルニアにおける「ミッドセンチュリー・モダン」デザインをテーマにした大規模な展覧会を開催中。シネマート六本木にお越しの際はぜひお立ち寄りを!
●港区六本木7-22-2
●TEL 03-5777-8600
●観覧料/当日1,000円(一般)、500円(大学生)
●開館時間/10:00~18:00(入館は17:30まで)毎週火曜日休館
http://www.nact.jp/
本物のイームズ家具を取り扱うショップ
港区北青山2-7-15 NTT青山ビル エスコルテ青山
TEL 03-5772-1112
https://www.hhstyle.com/...
港区南青山5-13-3 FIL南青山ビル1F
TEL 03-5464-5655
http://www.sempre.jp/contents/sempre_aoyama/
渋谷区神宮前4-14-18 表参道J-FLAT 2F-B
TEL 03-6824-9050
http://www.marvelous.jp/index.html
イームズ・チェアに座って食事ができるカフェ/レストラン
渋谷区渋谷1-11-2F
TEL 03-6418-8144
http://www.cafecompany.co.jp/brands/sus/respekt/
港区南青山1-2-6 Lattice青山1F
TEL 03-5771-6886
http://www.cafe246.com/
港区六本木9-7-2 東京ミッドタウン ミッドタウンイースト1・2F
TEL 03-5413-3210
http://www.cafecompany.co.jp/brands/a971/
映画『ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ』
5月11日(土)渋谷アップリンク、シネマート六本木他全国順次公開
監督:ジェイソン・コーン、ビル・ジャージー
ナレーター:ジェームズ・フランコ
出演:ルシア・イームズ(チャールズの娘)、イームズ・デミトリオス(孫)、ポール・シュレイダー、リチャード・ソウル・ワーマン(建築家、グラフィックデザイナー、TED創設者)、ケビン・ローチ(建築家)、ジェニーン・オッペウォール(元イームズオフィス・デザイナー)、デボラ・サスマン(元イームズオフィス・デザイナー)、ゴードン・アシュビー(元イームズオフィス・デザイナー)
アメリカ/2011年/英語/カラー&モノクロ/HDCAM/84分
配給:アップリンク
宣伝:ビーズインターナショナル
協力:ハーマンミラージャパン
公式サイト:http://www.uplink.co.jp/eames/
公式twitter:https://twitter.com/EamesMovieJp
▼『ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ』予告編
1940〜1960年代、アメリカの近代主義から生まれたデザインの潮流“ミッド・センチュリー・モダニズム”の旗手、イームズ夫妻の素顔に迫ったドキュメンタリー映画『ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ』が、5月11日(土)から公開となる。1943年にロサンゼルスのワシントン通り901番地に構えた工房、通称“901”で、イームズ夫妻は45年間にわたり、20世紀のデザイン界に数多の金字塔を築いた。
本作は、チャールズとレイの死後、初めて公にされる二人の往復書簡や写真、膨大な量の作品群、当時“901”にいたスタッフたちや家族へのインタビューと、二人の過去の映像を通じて、知られざるイームズ夫妻の側面を辿る。イームズ夫妻の孫で現イームズ・オフィス代表のイームズ・デミトリオス氏は、本業が映像作家であり、彼が夫妻の死後に“901”を記録した短編『901: After 45 Years of Working』(1992年のサンダンス映画祭で上映された29分の作品)が本作にも一部挿入されている。
2012年12月7日~2013年1月15日に新宿のリビングデザインセンターOZONEで開催された“essential EAMES”展で来日したデミトリオス氏に、イームズ夫妻のデザイン哲学について聞いた。
「デザイナーの役目は、ゲストの期待に応える良いホストになること」が祖父チャールズ・イームズの口癖だった
僕たちの一家はサンフランシスコに住んでいたので、家族でしょっちゅうチャールズとレイに会いにロスに行っていました。“901”ではいつも映画が上映されていたり、大勢のスタッフがいろんな作業をしていたり、展示会用の美しいモデルやイスがたくさんあったり、子供の目には“不思議の国のアリス”の世界のように映りました。僕が16歳のときにチャールズが亡くなって、その後レイはオフィスを縮小して、主に作品の保管作業と、本の執筆・デザインの仕事を中心に過ごしていました。僕は大学卒業後にロスに引っ越したので、レイの晩年も一緒に映画や芝居を見に行ったり、食事をしたりしていました。レイは、永遠に死なないのではないかと思えるほど本当にエネルギーあふれる人だったので、突然の死には非常に驚きました。
建物の耐震性に問題があったこともあり、レイの死後に閉鎖しました。スタジオにあった作品はレイが譲渡先を決めていたので、その手続きや移送作業を私の母(ルシア)が担当しました。家族で相談して、チャールズとレイのアイデアやコンセプトも含めて、すべてを後世に残していくために、イームズ・オフィスを存続させることにしました。901を売却してイームズ・ハウス[※雑誌『アーツ&アーキテクチャー』による“ケーススタディ・ハウス・プログラム”の一環として、1949年にサンタモニカの海岸沿いに建てられたイームズ夫婦の自邸]の税金の支払いに充てました。
今のイームズ・オフィスのミッションは、チャールズとレイの作品を保存すること、彼らのアイデアを伝えること、さらに彼らのアイデアを発展させることです。だから、たとえば今回のような展示を世界各地で行いますし、学校で“大きさ”の概念を学ぶためのツールとして、映画『パワーズ・オブ・テン』[※1977年に完成した、宇宙から素粒子へ、10の25乗メートル(約10億光年)から10分の1ずつスケールを変えて自然界を見せる教育映画]を使ってもらっています。それと、ハーマン・ミラー社が製造してくれているイームズの家具が、チャールズとレイが求めていたものになっているかチェックをするのも、僕たちの仕事です。
チャールズは常々、「デザイナーの役目とは、ゲストの期待に応える良いホストになることだ」と言っていました。ゲストとはつまり、イームズのイスに座る人のことを指します。われわれ残された家族の役目は、チャールズとレイがゲストに体験してほしいと望んだとおりのイスになっているかどうかを確認することです。デザインとは“スタイル”ではなく、問題を解決してより良い世界を築いていくものだ、というのが彼らの哲学でした。
もし、ふたりが21世紀の世界を生きていたら
iPhoneやiPadを面白がったはず
チャールズとレイの作品に、とても深みがあるからだと思います。その理由の1つは、彼らが手がけたジャンルの幅広さにあるでしょう。フランク・ロイド・ライトのように、本業の建築以外に家具を手がけるなどしたデザイナーも多くいますが、チャールズとレイはずば抜けていました。5~6つもの領域すべてにおいて、世界に貢献するような作品を生み出したのです。イスのみでも名声を得たでしょうが、イームズ・ハウスだけ、あるいは映画『パワーズ・オブ・テン』だけでも名を残したはずです。“ハウス・オブ・カード”[※イームズ夫妻がデザインした、積み木のように重ねられる玩具。1952年にタイグレッド社から発売されて以来、現在も続くロングセラー商品]にしても、おもちゃの世界で有名になっただろうし、“マスマティカ展”[※1961年にカルフォルニア科学センターの新棟開設にあたり、IBMからの依頼でイームズ夫妻がプロデュースした「マスマティカ展:数の世界…そしてその向こう(Mathematica: a world of numbers...and beyond)」]だけでも世界的な展示デザイナーになったでしょう。優れたグラフィックの仕事も言うまでもありません。
こうした幅広い領域の仕事を1つ1つ見ていくと、それらすべてにあてはまる共通点があるか気になるものですが、彼らの全仕事を貫く“イームズ・スタイル”のようなものはありません。チャールズとレイが問題にしたのは“見た目”ではなく、“いかに問題を解決するか”だったからです。たとえばイームズ・ハウスとシェルサイド・チェアは、ほぼ同じ時期、1949年前後にデザインされたものです。イームズ・ハウスが非常に直線的なのに対し、イスは曲線的で有機的です。「私たちのスタイルは直線的だから、イスにも直線を使おう」といった枠組みがまったくなかったのです。とにかく、そこにある課題をうまく解決することが第一で、スタイルがデザイナーの中心になってはならない、という考え方だったからこそ、今でも人の心を動かす力を持ち続けているのだと思います。
彼らの作品の中心には常に人間があり、“もてなしの心”(guest-host relationship)がありました。日本はタクシーに乗るときでも、食事のときでも、いつもお客さんを気にかけてくれる、もてなしに満ちた文化であり社会だと感じます。そして、日本だけではなく、たとえば砂漠にいて歩いていて誰かとすれ違ったら、「水を飲みますか?」と訊ねるような心遣いは、ユニバーサルなものだと思うのです。「レス・イズ・モア(Less Is More)」という哲学はデザインにおいて重要ではありますが、その哲学が先にきてしまうと、人間が後になってしまう。チャールズとレイはそういったデザインを求めてはいなかったのです。
確かに映画に出てきた“フランクリンとジェファーソンの世界展”は、アメリカでは批判されましたが、それはリッチ過ぎるレイヤーに対してではなく、歴史中心の展覧会が美術館で行われたことに対する抵抗でした。ヨーロッパでの反応はとても良かったので、タイミングとしては早すぎはしなかったと思います。今回のこの展覧会はデザイン・センターで行われているわけですが、このように意外な会場で意外なコンテンツを見ることが出来るのは時代の流れですね。チャールズとレイはiPhoneやiPadをすごく面白がったはずです。それを使って、やはりもてなしの精神で、ユーザによりリッチな旅を提供したと思います。
チャールズとレイが、「PUSH AGAIN MACHINE(もう一度押す機械)」というものを造ったことがありました。展覧会場にボタンが設置されていて、押すと「これが何々のイスです」という説明が流れる。もっと知りたければ、もう一度押すと、さらに深い情報が入ってくる、という選択肢がある機械です。それはタッチパッド式のタブレットとよく似た考え方で、それを彼らは美術館に応用していたのだと言えます。チャールズとレイがなぜ画期的だったかというと、客をもてなすという精神をデザインの世界に置き換えたからなんですね。彼らはモダニストだとよく言われますが、私はそうではなく、とても人間思いな二人だったと思っています。
時に自分が大河であることもあれば、小川であることもある、という例えがわかりやすいかもしれません。祖父母の仕事を紹介する面において、自分は小川だと思っています。自分自身のプロジェクトとしては、映画以外にも“カイマエクシアー”(Kcymaerxthaere)という、89カ所、19か国に及ぶ巨大なプロジェクトを手掛けています。世界各地でフィクションをブロンズの銘板などに記して、ストーリーを多次元で語るプロジェクトで、小説のページが色々な場所にあるようなしくみです。わかりづらいかもしれませんが、実は原始的な考え方で、たとえば読書をしているとき、目は文字を追っているけれども、頭の中に広がっているのは、その本に描かれている世界ですよね。砂漠の中で、あるいはどこか街の路地で、このようなパラレルワールドを体験できたら、世界を新しい目で見られるのではないかと思ったんです。このプロジェクトで3ヵ月前には北海道も訪れました。映像作家としての仕事は、イームズ・オフィス代表としての仕事とはまったく違いますが、2つをやることで多くの学びを得られますし、両方に関われることを幸運に思っています。
(聞き手/浅井隆)
1962年サンフランシスコ生まれ。母親はチャールズの娘ルシア。映像作家、マルチメディアアーティスト、作家。ハーバード大学を卒業後、フリーランスで映像の仕事を請け負いながら、自身の映像作品を手がけ、1993年よりイームズ・オフィスのディレクターを務める。フィルム作品に『Mind Map』、『901: after 45 years of working』、『Powers of Time』他がある。著書『イームズ入門』(日本文教社出版刊)、『Wartime California』、『Changing Her Palette:Painting by Ray Eames』など。
公式サイト:http://www.eamesdemetrios.com/
映画『ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ』
5月11日(土)渋谷アップリンク、シネマート六本木他全国順次公開
監督:ジェイソン・コーン、ビル・ジャージー
ナレーター:ジェームズ・フランコ
出演:ルシア・イームズ(チャールズの娘)、イームズ・デミトリオス(孫)、ポール・シュレイダー、リチャード・ソウル・ワーマン(建築家、グラフィックデザイナー、TED創設者)、ケビン・ローチ(建築家)、ジェニーン・オッペウォール(元イームズオフィス・デザイナー)、デボラ・サスマン(元イームズオフィス・デザイナー)、ゴードン・アシュビー(元イームズオフィス・デザイナー)
アメリカ/2011年/英語/カラー&モノクロ/HDCAM/84分
配給:アップリンク
宣伝:ビーズインターナショナル
協力:ハーマンミラージャパン
公式サイト:http://www.uplink.co.jp/eames/
公式twitter:https://twitter.com/EamesMovieJp
▼『ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ』予告編