webDICE 連載『BLANK MUSEUM』 webDICE さんの新着日記 http://www.webdice.jp/dice/series/30 Mon, 16 Dec 2024 20:19:17 +0100 FeedCreator 1.7.2-ppt (info@mypapit.net) BLANK MUSEUM閉幕!原美術館で4日間にわたって行われたクロスカルチャー・イベント http://www.webdice.jp/dice/detail/2609/ Mon, 30 Aug 2010 07:18:22 +0100
飴屋法水たち『馬』より



東京都品川区の原美術館で8月26日から4日間にわたって開催されたクロスカルチャー・イベント『BLANK MUSEUM』が終了した。




最終日『LOOKING FOR THE SHEEP day2』はがらんどうの1Fギャラリーに突然現れたJON(犬)のパフォーマンスでスタート。マイア・バルーが炎天下のカフェで情熱的に独自のミクスチャー感覚を3ピースで表現すると、ホナガヨウコ企画が原美術館内を伸びやかなダンスでガイドツアーする。種子田郷はさとうじゅんこととも庭の中央にセッティングし、芝生の上でくつろぐ観客達に立体的なサウンドアートを構築。




東野祥子は異なるギャラリーで同時多発的に起こるパフォーマンスをスクリーンでリンクさせ、身体感覚とサウンドで新たな時空を生み出す。一方、庭でライブを開始したテニスコーツは算数塾の面々とA Take Away Showsの「BAIBABA BIMBA」さながらに庭から屋上へと歌いながら館内を移動し、歌を紡いでいく。




飴屋法水たちはテルミン演奏の大西ようこなどゲストを迎えて馬へのオブセッションを館内をひとつの邸宅として利用し表現する。トリを務めたエミ・マイヤーは、彼女が得意とするジャズやソウルのセンスをピアノの弾き語りというシンプルなスタイルにより、生々しくエモーショナルな聴かせる。フィーチャーされたShing02のフロウともぴったり息を合わせ、4日間に渡る原美術館での多様性に満ちたイベントをソウルフルにまとめあげた。




BLANK MUSEUMは出演者、参加スタッフ、そしてオーディエンスに至るまでジャンル分けをすることなく、実に変化に富んでいた。タイムテーブルを公表せず、ステージと客席さえなくしたことで、その多様性がさらに混沌となり、どう楽しむかということも自由に任されている。多様性原理主義フェスとも言えるこのようなイベントにこそ、新しい創作や文化の発芽があるのではないか。夏の終わりの美術館で勃発したイベントをきっかけに、これに関わった人たちがそれぞれに何か行動を起こすきっかけとなってもらえたらと思ってやまない。


(文:駒井憲嗣 撮影:山川哲矢)



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ナビゲーターの羊(ひつじのさんぽ/のぎすみこ)







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JON(犬)




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マイア・バルー


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マイア・バルー




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ホナガヨウコ企画


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ホナガヨウコ企画


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ホナガヨウコ企画





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ナビゲーターの大石麻央(動物マスクの人体彫刻)







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種子田郷+さとうじゅんこ






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東野祥子


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東野祥子


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東野祥子


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東野祥子




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ナビゲーターの羊(ひつじのさんぽ/のぎすみこ)




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テニスコーツ


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テニスコーツ



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テニスコーツ




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飴屋法水たち


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飴屋法水たち


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飴屋法水たち


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飴屋法水たち







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エミ・マイヤー feat.Shing02



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エミ・マイヤー


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Shing02


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飴屋法水たち




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羊にみちびかれた4日間は終了した



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■羊がいざなうカオスな世界、原美術館で開催中のBLANK MUSEUM3日目フォトレポート




[youtube:b4yHLSQ46rk]
[youtube:W7iJiy8cVzU]
BLANK MUSEUM予告編 /全日程VJとして中庭に面したスタジオで、中継映像をその場でミックスしプロジェクターからシューティングする、三代川達(ワタナベカズキ、シラヤナギタク)が編集。





『BLANK MUSEUM』原美術館






●2010.8.26(木)『LUCIFER NIGHT』


Screening:ケネス・アンガー作品

16:30開場/17:30上映開始

LIVE:灰野敬二+ジム・オルーク


●2010.8.27(金)『BLUE NIGHT』


Screening:デレク・ジャーマン『BLUE』

16:30開場/17:30上映開始

Installation

ライティング・インスタレーション:仲西祐介

出演:渋谷慶一郎、やくしまるえつこ(特別出演)



●2010.8.28(土) “LOOKING FOR THE SHEEP day1”


Performance:飴屋法水たち、東野祥子、ホナガヨウコ企画

LIVE:伊東篤宏+山川冬樹、勝井祐二(音楽)+迫田悠(映像)、日比谷カタン、山本精一+JOJO広重 (ゲスト:穂高亜希子)

Navigator:のぎすみこ(ひつじのさんぽ)、大石麻央(動物マスクの人体彫刻)



●2010.8.29(日)“LOOKING FOR THE SHEEP day2”


Performance:飴屋法水たち、東野祥子、ホナガヨウコ企画

LIVE:エミ・マイヤー feat.Shing02、種子田郷+さとうじゅんこ、テニスコーツ、マイア・バルー

Navigator:のぎすみこ(ひつじのさんぽ)、大石麻央(動物マスクの人体彫刻)

Overture:JON(犬)


http://www.webdice.jp/blankmuseum/




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羊がいざなうカオスな世界、原美術館で開催中のBLANK MUSEUM3日目フォトレポート http://www.webdice.jp/dice/detail/2608/ Sun, 29 Aug 2010 06:09:53 +0100
勝井祐二(音楽)+迫田悠(映像)


現在休館中の東京都品川区の原美術館で『BLANK MUSEUM』が開催、8月28日は『LOOKING FOR THE SHEEP day1』が行われた。

8月26日から4日間にわたって開催されるクロスカルチャー・イベントの第3日となる『LOOKING FOR THE SHEEP day1』は、前の2日間と趣を変え、3組のパフォーマンスと4組のライブ、さらにはポールダンサーも加えて行われた。観客はナビゲーターの羊に連れられて原美術館を探検をしながら、常設展示とともに館内をそれぞれに見てまわった。

炎天下の中庭に突如、回転すると発電するポールと扇風機(!)を持って登場したのは、DOMMUNE出演でも話題を呼んだポールダンサー、メガネとアンダーウェア。続いて「あー夏休み」まで交えての野外フェス仕様で挑み最後の「対話の可能性」まで存在感を提示した日比谷カタン。間髪入れずホナガヨウコ企画は『スポーツバンドと美術館ツアー』というタイトルの通り、スポーティーで快活な踊りで庭で遊ぶ子供も踊らせた。人間味溢れるノイズを放出した山本精一+JOJO広重のアクトでは穂高亜希子がゲストとして出演し、今年発売されたオムニバス『日曜日のうた』からの楽曲も披露した。東野祥子は『Looking for the BLACK SHEEP.』と題し、演出・音楽にカジワラトシオ、映像に斉藤洋平、さらに音楽に中原昌也を迎え、脳内を刺激する。

伊東篤宏と山川冬樹は原美術館の屋上から壁に蛍光灯をつるし、伊東のOPTRON、山川の心音、ホーメイとイギルというセッションによりテクノのミニマリズムと原初的なリズムをノイズのなかに融合させる。飴屋法水たちには、ZAKや伊藤ガビンといった豪華スタッフ陣も加わり、『馬』を題材に、館内のインスタレーションとともに、緑の芝生の上に日常に生まれる裂け目を描く。ラストは原美術館の白い壁面に映された迫田悠の映像と、勝井祐二のエレクトリック・バイオリンが崇高かつサイケデリックなビジョンを原美術館の上空に浮かばせた。
多様なパフォーマー、ミュージシャンがもともと邸宅であったという原美術館の建物を存分に利用し、なにも展示されていない美術館だからこそ可能な完成度の高い表現を行うことで、『LOOKING FOR THE SHEEP day1』はすこぶるカオスな内容となった。

最終日となる8月29日(日)『LOOKING FOR THE SHEEP day2』にはホナガ、東野、飴屋に加え、Shing02、エミ・マイヤー 、種子田郷+さとうじゅんこ、テニスコーツ、マイア・バルーが出演、当日券も発売される。


(文:駒井憲嗣 撮影:山川哲矢)







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オープニングに特別出演したポールダンサー、メガネとアンダーウェア







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日比谷カタン




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ホナガヨウコ企画




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山本精一+JOJO広重と穂高亜希子



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ナビゲーターの羊(ひつじのさんぽ/のぎすみこ)





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東野祥子



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伊東篤宏+山川冬樹




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飴屋法水たち






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■夏の終わりフェスBLANK MUSEUM BLUE NIGHTレポート、原美術館がブルー一色に染まった夜




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BLANK MUSEUM予告編 /全日程VJとして中庭に面したスタジオで、中継映像をその場でミックスしプロジェクターからシューティングする、三代川達(ワタナベカズキ、シラヤナギタク)が編集。








『BLANK MUSEUM』原美術館





●2010.8.29(日)“LOOKING FOR THE SHEEP day2”


Performance:飴屋法水たち、東野祥子、ホナガヨウコ企画

LIVE:エミ・マイヤー feat.Shing02、種子田郷+さとうじゅんこ、テニスコーツ、マイア・バルー

Navigator:のぎすみこ(ひつじのさんぽ)、大石麻央(動物マスクの人体彫刻)

Overture:JON(犬)

VJ:BLANK MUSEUMスタジオ:三代川達(ワタナベカズキ、シラヤナギタク)

14:00開場/15:00開演/20:00終演

料金:当日6,000円 ※当日券は13:00より会場受付にて販売



詳しくはhttp://www.webdice.jp/blankmuseum/まで






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夏の終わりフェスBLANK MUSEUM BLUE NIGHTレポート、原美術館がブルー一色に染まった夜 http://www.webdice.jp/dice/detail/2607/ Fri, 27 Aug 2010 10:47:22 +0100
仲西祐介による窓の外から差し込まれる青い光により、原美術館の館内は幻想的な雰囲気に包まれた。


東京都品川区の原美術館で開催中のクロスカルチャー・イベント『BLANK MUSEUM』の2日目となる『BLUE NIGHT』が行われ、デレク・ジャーマン『BLUE』の上映と、渋谷慶一郎と相対性理論のやくしまるえつこが出演しインスタレーションを披露した。

午後4時半開場というゆったりとした時間取りで行われたこの日、前売がほぼソールドアウトという人気を博しながら、平日ということもあり、庭に面したカフェの椅子席はドリンクを手に暑さをしのごうとする観客で少しずつ埋まっていく。




映画の上映までは、1Fの階段付近では大石麻央(動物マスクの人体彫刻)が自らの作品を被り出演。昨日行われたLUCIFER NIGHTのピリッとした緊張感と変わり、今日の館内はリラックスしてくつろげるムードに満ちている。従来のフェスティバルにはない自由度を目指すBLANK MUSEUMの多元性がこんなところにも見える。







上映開始の時間となり、館内のすべてのギャラリーで、デレク・ジャーマンがエイズの闘病を続けながら、最初から最後までを青一色で描いた『BLUE』が日本語字幕付きで上映。彼の遺作であり、病気に伴う肉体的/精神的な信じがたい痛み、宗教観、人間の意識、青という色にある神話性など様々なイメージを綴っていく。数百もの観衆がただブルーの画面を見ていることから生まれる不思議な共有感は、自宅でDVDで鑑賞する行為では決して味わえない。知覚の扉が開かれるこの体験により、決して感傷ではなく、この映画にある〈生きることの喜び〉というシンプルで力強いメッセージをまごうことなく感じることができる。



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デレク・ジャーマンの『BLUE』を日本語字幕付きで上映。


続いて、各ギャラリーで照明家・仲西祐介によるライティング・インスタレーションが行われる。ギャラリーIIの『BLUE SCREEN』では、スモークがたかれたギャラリー内のそこここに角度をつけた鏡が置かれ、青い光が投影されることにより、直前まで青い映像が映されていた壁に見ている人たちの影が次々と映される、部屋ごとのコンセプトに基づいた照明によるBLUEのバリエーションは、まさに体験するインスタレーションと言えるもので、他にも『BLUE WIND』『BLUE WALL』『BLUE SHADOW』と、デレク・ジャーマンが青に込めた精神を新たなかたちで表現していた。







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ギャラリーIIで展開された『BLUE SCREEN』。





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ギャラリーIVの『BLUE WALL』。何の変哲もない壁を窓から覗くとそこには……?




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明滅する光により観客のシルエットが青く壁に映し出されるギャラリーVの『BLUE SHADOW』。






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揺れる水面が淡くサイケデリックな文様を有むギャラリーIIIの『BLUE WIND』。



一方、中庭のほうでは美術館の壁面に『BLUE』の映像が映されるインスタレーションがスタート。白い原美術館の外観が青く染められ、そこに『BLUE』のサウンドトラックが流れるという趣向だ。すべての欲や執着がほどけていくかのような気分で青のなかに浸っていると、ほどなくして渋谷慶一郎が登場し、緑豊かな中庭に置かれたスタンウェイのグランドピアノによりデレク・ジャーマンの『BLUE』に新しい息吹を与える。



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初日に続き庭の中央に鎮座するミラーボールが夕暮れを彩る。


様々な音や言葉が連なるサウンドトラックと重なるように、彼は音の〈気配〉を青い色で敷き詰められた館内に丁寧に生み出していく。そこに、この夜の特別出演であるやくしまるえつこが加わり、『BLUE』の台詞の日本語訳のリーディングをため息の出るようなタイミングで加えていく。それは決して激しくはないけれど、『BLUE』という作品自体が持つのと同様の、古い慣習を打破せんとする静かな力を感じてやまなかった。




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暗闇に青く浮かび上がる原美術館の中庭。



サウンドトラックとのめくるめくコラボレーションのあと、ふたりは相対性理論+渋谷慶一郎『アワーミュージック』に収録の「BLUE」を演奏。やくしまるの「おやすみなさい」という言葉とともに、BLUE NIGHTは終了した。これからの日本の音楽シーンを担うふたりのクリエイターが『BLUE』という共通項で繋がれ、この作品にある終末感ではなく、生命力に転化させることには大きな意味があり、この作品の精神をこれからの若い世代に伝えていくきっかけになったことは言うまでもない。



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原美術館そのものがインスタレーション作品となった夜。


終演後の会場にはマドンナ「ライク・ア・ヴァージン」など、この作品の制作当時である80年代ゲイカルチャーのブライトサイドとも言える楽曲が流れ、『BLUE』という作品の普遍的な魅力を逆説的に浮き彫りにしていた。その最後のBGMも含めて、『BLUE NIGHT』は鬱屈した世情を吹き飛ばす、極めて開放感に溢れた一夜だった。

BLANK MUSEUMは残すところあと2日。28日(土)、29日(日)は羊が先導役になり注目のパフォーマーそしてミュージシャンが多数出演する『LOOKING FOR THE SHEEP』だ。




(文:駒井憲嗣 撮影:山川哲矢)


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飴屋法水、東野祥子、ホナガヨウコが新作披露、原美術館『BLANK MUSEUM』8/26より開催

BLANK MUSEUM開催中!ケネス・アンガー、灰野敬二、ジム・オルークが織りなしたLUCIFER NIGHTレポート





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BLANK MUSEUM予告編 /全日程VJとして中庭に面したスタジオで、中継映像をその場でミックスしプロジェクターからシューティングする、三代川達(ワタナベカズキ、シラヤナギタク)が編集。








『BLANK MUSEUM』原美術館



【前売券の販売について】

アップリンク店頭では29日(日)の前売券を28日(土)22:00まで販売しております。

イープラスでの前売券の販売は全日終了いたしました。

またBLANK MUSEUM開催中の原美術館でも29日(日)の前売券を販売しております。



【当日券の販売について】

28、29日ともに13:00より販売いたします。



詳しくはhttp://www.webdice.jp/blankmuseum/まで





●2010.8.28(土) “LOOKING FOR THE SHEEP day1”


Performance:飴屋法水たち、東野祥子、ホナガヨウコ企画

LIVE:伊東篤宏+山川冬樹、勝井祐二(音楽)+迫田悠(映像)、日比谷カタン、山本精一+JOJO広重 (ゲスト:穂高亜希子)

Navigator:のぎすみこ(ひつじのさんぽ)、大石麻央(動物マスクの人体彫刻)

VJ:BLANK MUSEUMスタジオ:三代川達(ワタナベカズキ、シラヤナギタク)

14:00開場/15:00開演/20:00終演

料金:前売5,500円/当日6,000円




●2010.8.29(日)“LOOKING FOR THE SHEEP day2”


Performance:飴屋法水たち、東野祥子、ホナガヨウコ企画

LIVE:エミ・マイヤー feat.Shing02、種子田郷+さとうじゅんこ、テニスコーツ、マイア・バルー

Navigator:のぎすみこ(ひつじのさんぽ)、大石麻央(動物マスクの人体彫刻)

Overture:JON(犬)

VJ:BLANK MUSEUMスタジオ:三代川達(ワタナベカズキ、シラヤナギタク)

14:00開場/15:00開演/20:00終演

料金:前売5,500円/当日6,000円




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BLANK MUSEUM開催中!ケネス・アンガー、灰野敬二、ジム・オルークが織りなしたLUCIFER NIGHTレポート http://www.webdice.jp/dice/detail/2605/ Thu, 26 Aug 2010 11:19:06 +0100
LUCIFER NIGHTに出演した灰野敬二(右)とジム・オルーク(左)


8月26日から29日までの4日間、東京都品川区の原美術館で行われるイベント『BLANK MUSEUM』が開幕、本日26日は映画作家ケネス・アンガーの作品上映、そして灰野敬二とジム・オルークによるライブ・パフォーマンスが行われた。



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入り口では大石麻央による動物マスクの人体彫刻が迎えてくれる



原美術館の休館日だからこそ、からっぽの空間を味わってほしいというコンセプトで企画されたこのイベント。開演まではイサムノグチや宮島達男、奈良美智といったアーティストによる常設展示を楽しむ時間として設定されており、残暑のなかの清涼剤のような〈何もない空間を楽しむ〉という時間をそれぞれに楽しもうという観客が、開場時より多数訪れた。

会期中は大石麻央による動物マスクの人体彫刻が入り口や館内、そして庭に設置されており、その人間とぬいぐるみの中間に位置するような彫刻に、観る者はほのぼのとした感覚を覚えるのと同時に、人と人との距離感とはなんなのかという実存的な疑問を受け取ることになる。

その後、館内のギャラリーそしてホール計5つのスペースを使って映画作家、ケネス・アンガーの上映が行われた。いまなお強い影響をクリエイターそしてアーティストたちに与えるアンダーグラウンド映画の巨匠による強烈な映像世界を一挙に堪能できる、映像作品の回顧展とあってギャラリーに入りきれないほどの参加者は食い入るように映像に見入っていた。60年代の伝説的作品『スコピオ・ライジング』と2000年代に入ってからの短編『マン・ウィー・ウォント・ハング』が同じギャラリーでプログラムされていたように、彼の作風である新旧の呪術的な世界を同時に観ることで、あらためてケネス・アンガーという作家の異様なまでの存在感を感じることのできる上映会だった。



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ギャラリーIIの様子



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ホールでは『ラビッツ・ムーン』『ルシファー・ライジング』が上映された



仲西祐介によるライティングが暮れゆく原美術館を紫と青に染めていくなか、灰野敬二とジム・オルークがステージとなるカフェに登場。庭の芝生に座ったオーディエンスを前に、ライブがスタートした。灰野はハーディ・ガーディ、そしてジムはライブでは初となるガット・ギターを用いてのパフォーマンス。灰野の奏でる民族的と言えそうな音色とドローンに、ジムはギターをスティックで叩き打楽器的に鳴らしたり、バイオリンのように弓で弾いたり、さらにそこにブルースハープを重ねていくなど、絶妙なポイントで灰野の声と音に反応していく。灰野のプリミティブとさえ形容できる音にジムが現代的なセンスとコード感で切り込んでいくアンサンブルは、極めて緊張感に溢れている。



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照明家として数々の映画や舞台を手がける仲西祐介が4日間の照明を担当するのもBLANK MUSEUMの見どころのひとつだ





とっぷりと暮れた原美術館に鳴り響く虫の声と、ふたりのつま弾く音がミックスされ、寂寞と甘美な感覚の双方が互いに押し寄せてくる。ライブ後半のクライマックスでは、スタート前と同じくミラーボールが再びゆっくりとまわり、カタルシスを高めていく。永遠とも思えるドローンの後、気がつくと演奏は終了していた。たっぷり1時間のパフォーマンス、サングラス越しにさえ満足げな表情を感じさせる灰野は、ジムとがっちり握手を交わし、ステージを後にした。

ケネス・アンガーと灰野そしてジムのアートに対する真摯かつフェティッシュな指向が一致し、奇跡的な美しさを放ってBLANK MUSEUMの第一目は終了した。



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灰野敬二


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ジム・オルーク





それにしても、今日の夕暮れに原美術館に出現したあの光景──ケネス・アンガーの映画の上映が終わると三々五々庭に集まり、芝生に座って、自然とアーティストの美しいアンサンブルに思い思いに耳を傾ける姿──は、クロスカルチュラルなBLANK MUSEUMのコンセプトが象徴されたシーンだったと言えるだろう。

BLANK MUSEUMは29日(日)まで開催。デレク・ジャーマンの『BLUE』をテーマに渋谷慶一郎そして相対性理論のやくしまるえつこが出演する『BLUE NIGHT』は当日券の発売が朝11時に発表されるほか、28日(土)と29日(日)に羊をナビゲーターに多彩なアーティストによるパフォーマンスやライブがひとつのタイムラインの上で繰り広げられる『LOOKING FOR THE SHEEP』は当日券の発売が決定している。〈ここでしかできない体験〉を能動的に求め楽しみたい人ならば、きっと満足してもらえるイベントであることは間違いない。


(文:駒井憲嗣 撮影:山川哲矢)


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BLANK MUSEUM予告編 /全日程VJとして中庭に面したスタジオで、中継映像をその場でミックスしプロジェクターからシューティングする、三代川達(ワタナベカズキ、シラヤナギタク)が編集。








『BLANK MUSEUM』原美術館



【前売券の販売について】

前売券のアップリンク店頭での販売は各イベント前日の22:00まで販売しております。

イープラスでの前売券の販売はそれぞれの日程の前々日の18:00までです。

またBLANK MUSEUM開催中の原美術館では翌日以降の前売券を販売しております。

8/27(金)BLUE NIGHT ※イープラスでの販売を終了いたしました

8/28(土)LOOKING FOR THE SHEEP day1 ※イープラスでの販売を終了いたしました。


8/29(日)LOOKING FOR THE SHEEP day2=8/27(金)18:00まで販売中です。



【当日券の販売について】

雨天・晴天に関わらず28(土)、29(日)は13:00より販売いたします。

27(金)BLUE NIGHTは晴天の場合のみ、15:00より若干数を販売いたします。当日11時にtwitterにて発売の有無を告知いたします。



詳しくはhttp://www.webdice.jp/blankmuseum/まで




●2010.8.27(金)『BLUE NIGHT』


Screening:デレク・ジャーマン『BLUE』

16:30開場/17:30上映開始

Installation

ライティング・インスタレーション:仲西祐介

出演:渋谷慶一郎、やくしまるえつこ(特別出演)

18:45開始/20:00終了

料金:前売2,800円/当日3,300円



●2010.8.28(土) “LOOKING FOR THE SHEEP day1”


Performance:飴屋法水たち、東野祥子、ホナガヨウコ企画

LIVE:伊東篤宏+山川冬樹、勝井祐二(音楽)+迫田悠(映像)、日比谷カタン、山本精一+JOJO広重 (ゲスト:穂高亜希子)

Navigator:のぎすみこ(ひつじのさんぽ)、大石麻央(動物マスクの人体彫刻)

VJ:BLANK MUSEUMスタジオ:三代川達(ワタナベカズキ、シラヤナギタク)

14:00開場/15:00開演/20:00終演

料金:前売5,500円/当日6,000円




●2010.8.29(日)“LOOKING FOR THE SHEEP day2”


Performance:飴屋法水たち、東野祥子、ホナガヨウコ企画

LIVE:エミ・マイヤー feat.Shing02、種子田郷+さとうじゅんこ、テニスコーツ、マイア・バルー

Navigator:のぎすみこ(ひつじのさんぽ)、大石麻央(動物マスクの人体彫刻)

Overture:JON(犬)

VJ:BLANK MUSEUMスタジオ:三代川達(ワタナベカズキ、シラヤナギタク)

14:00開場/15:00開演/20:00終演

料金:前売5,500円/当日6,000円




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アップリンク版夏(の終わり)フェス、原美術館で開催!羊が導く4日間のクロスカルチャーイベント http://www.webdice.jp/dice/detail/2560/ Wed, 28 Jul 2010 18:35:39 +0100

なにも展示してない原美術館の休館日に行われる音楽と映像とパフォーマンスといったオールジャンルをクロスさせたイベントが『BLANK MUSEUM』です。

1938年に竣工された邸宅を79年に改装し開館した原美術館。その美術館の展示室と廊下、階段、屋上など館内全てと緑の芝生の庭を使用して行う4日間、1日300人限定のイベントです。訪れた観客はイベントと同時に美術館の常設展示作品である宮島達男、森村泰昌、奈良美智など現代アーティストたちの作品を見る事もできます。

8月26日はケネス・アンガー作品上映+ライブの『LUCIFER NIGHT』、27日は美術館全館をブルーに染めた中でのデレク・ジャーマンの『BLUE』上映とインスタレーションの『BLUE NIGHT』。28、29日は3組のパフォーマンスと4組のライブが庭と館内を使ってタイムライン上で交互に行われる『LOOKING FOR THE SHEEP』。観客がイベントを求めて美術館全館を歩き回るという演出で、案内役は一匹の“羊”です。




『BLANK MUSEUM』

2010年8月26日(木)、27日(金)、28日(土)、29日(日)


公式サイト



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