骰子の眼

cinema

東京都 千代田区

2008-10-20 20:55


ハリウッド映画とは異なる、ヨーロッパならではの味わいと深みがあるスペイン時代劇『アラトリステ』クロスレビュー

『イースタン・プロミス』のヴィゴ・モーテンセンが、剣の腕だけを頼りに生きる一人の男・アラトリステを見事に演じた大スペクタクル・ドラマ!
ハリウッド映画とは異なる、ヨーロッパならではの味わいと深みがあるスペイン時代劇『アラトリステ』クロスレビュー

© Estudios Picasso / Origen PC / NBC Universal Global Networks España 2006

世界中でベストセラーになった小説を壮大なスケールで映画化した作品『アラトリステ』。

17世紀、スペイン。無敵艦隊をエリザベス女王率いる大英帝国軍に撃破されて以来、権勢を失いつつあるこの国を舞台に、孤高の剣士アラトリステの愛と闘いの日々を描く。原作は、スペインの人気作家アルトゥーロ・ペレス=レペルテの国名小説。歴史上の事実や実在の人物たちの中に架空の主人公アラトリステを登場させたそのユニークかつ波乱に満ちた物語は、世界中で多くのファンを獲得している。

アラトリステを演じるのは、『イースタン・プロミス』において壮絶なる役者魂を発揮し、2008年アカデミー賞・主演男優賞にノミネートされたヴィゴ・モーテンセン。本作の壮大な歴史と人間ドラマに魅了され、全編スペイン語のセリフに挑戦。心身ともに成熟したまさに旬のアクターとして、激動の時代を生きた男をスクリーンに再現した。

ヴィゴ・モーテンセンは本作のテーマについて、
「『アラトリステ』は、さまざまな人間関係や愛の形を描いた素晴らしい物語だ。父子のような愛、恋人同士の愛、仲間に対する愛情。そんな多くの愛が詰まった作品なんだ。監督はすべての人物像を描ききったと思うし、原作の精神も見事に反映させている。原作者のレベルテが私にそう話してくれた。彼は監督をとても尊重していたよ。私自身もすべての面において監督に感謝している」

17世紀の歴史と芸術を専門にする学者だった監督のアグスティン・ディアス・ヤネスは、ペネロペ・クルス&ガルシア・ベルナル共演の『ウェルカム!ヘブン』以降、スペインのみならずハリウッドでも注目を集めている。

監督:アグスティン・ディアス・ヤネス
出演:ヴィゴ・モーテンセン/エドゥアルド・ノリエガ/ウナクス・ウガルデ
原作:「アラトリステ」アルトゥーロ・ペレス=レベルテ
2006年/スペイン/145分

■『アラトリステ』
http://www.alatriste.jp/
2008年12月、シャンテ シネほか全国順次ロードショー

レビュー(4)


  • kerakutenさんのレビュー   2008-10-07 01:53

    17世紀スペインを堪能しました

    スペイン史はイギリスやフランスのようには学校で学ばないので 難しいものと思いこんでしまうのですが・・・ 現在公開中の「宮廷画家ゴヤはみた」より1~2世紀前の17世紀の スペインが舞台となっています。 アラトリステはその時代に生きた架空の兵士(...  続きを読む

  • MUYBONITAさんのレビュー   2008-10-10 01:08

    格差社会…財政破綻なハプスブルグ・スペインとMr.騎士道なアラトリステ

    17世紀スペイン…無敵艦隊がエリザベスのイギリスに敗れ…衰退へ向かう国。 戦争による散財と宮廷費の増大によって、 広がる格差社会…財政破綻なハプスブルグ・スペイン… アラトリステはそんなスペインの暗く混沌とした時代に翻弄された… というか、生...  続きを読む

  • wankoさんのレビュー   2008-10-10 10:37

    スペイン版大河ドラマ

     西ヨーロッパと南北アメリカ大陸にまたがる広大な領土の支配に翳りが見えてきた17世紀のスペイン。女好きで無能な国王と、権力争いと保身に走る寵臣たち、狂信的な異端審問所の神父、といった歴史好きにはたまらない時代背景のもと、剣の腕だけを頼りに生きる一人の...  続きを読む

  • まつばらあつしさんのレビュー   2008-10-12 13:50

    ●重厚なライティングが印象的なスペインの時代劇

     スペイン映画、というと何があったんだか良く思い出せないというか、そういえば「蝶の舌(ホセ・ルイス・クエルダ監督)」とか「ボルベール<帰郷>(ペドロ・アルモドバル監督)」がスペイン映画だったなあ、と、Wikipedia眺めてやっと思いだせる程度に、日...  続きを読む

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