骰子の眼

cinema

東京都 渋谷区

2008-02-28 17:34


寺島しのぶが愛について語った『エクストリーム・ラブ』トークイベント
  • 真剣に話に聞き入る寺島しのぶさん

  • 最も過激な愛の表現を描いたフランス映画を集めてノーカット上映。ほぼ日本未公開作品ばかり

現在、渋谷アップリンク・ファクトリーで上映しているフランスのアヴァンギャルド・エロティック映画祭『エクストリーム・ラブ』。2月25日(月)、本映画祭のトークイベントが開催され、女優の寺島しのぶ、廣木隆一監督、フィリップ・グランドリュー監督、カイエ・デュ・シネマ特派員のステファン・サザランが来場した。

さわやかなショットカートヘアに黒いワンピース姿で登場した寺島しのぶさん。今回、トークイベントのテーマとなった『エクストリーム・ラブ=究極の愛』について、廣木隆一監督が「日本では“心中”が究極の愛になるのかな。好きな人の腕で抱かれて死にたいとかね」と言うと、隣で聞いていた寺島さんは「廣木監督の言う通りで、“心中”という命を一緒に落とす行為は美学なんですよね。つまり、究極の愛を貫くということは日本の美学だと思います」と語った。

今回来日した映像作家のフィリップ・グランドリュー監督は、本映画祭の中で作品が上映されている。「愛というものは、結局は究極的なものであると思います。究極の愛というのは普通の愛以上になにか越える」とフランス人らしく熱く語った。

ステファンさんから「芸術映画とポルノ映画の境目というのはどこにあるのでしょうか」との質問に、廣木監督は「アートとポルノという議論はきっと永遠に続くものでしょうし、僕の中でも永遠にきっとあるんだと思うんです。ハードポルノの映像を見せて、それをアートだと思う人もいるし、ポルノだと思う人もいる。ほんとに、すごくあいまいですよね」と語り、グランドリュー監督は「ポルノというと、性的な体の部分を見せるという、性的行為をしているということが普通ですけど、ポルノって実際何なの?と問うときに、もっと政治的な意味、体を見せなくてもポルノであるという場合もあるのではないかと思うのです。アートとポルノというのはなかなか難しい問題です」と、アートとポルノの境界のあいまいさを語りあった。

また、大胆なラブシーンで話題になった映画『ヴァイブレーター』や『愛の流刑地』で熱演した寺島さんは、「私はけっこうR指定の作品に出ることが多いんですけど(笑)、そんなにアートやポルノは関係ないというか…脚本がよければ出演します。いま、日本の映画・テレビ業界というのは、CMに出ているうちはそういう作品に出演できないという政治的な部分があって。私は自由でいたいから、CMはちょっとやっかいですよね」と、女優の立場として素直な思いを語ってくれた。

『エクストリーム・ラブ』は3月2日(日)まで、渋谷アップリンク・ファクトリーにて上映中。

◆エクストリーム・ラブ映画祭
http://www.uplink.co.jp/factory/log/002459.php

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