(写真)渋谷ザニー氏
ドキュメンタリー映画『ビルマ、パゴダの影で』のDVD発売記念上映&トークイベントが9月7日(日)にアップリンク・ファクトリーにて開催される。トークイベントのゲストとして、ビルマ難民出身でファッションデザイナーとして活躍中の渋谷ザニー氏を招いて話を聞く。
渋谷氏は、1988年の軍事クーデーター後、弾圧を逃れて日本へ来た民主化運動幹部の父親を追い、5年後に8歳で母親と共に来日した。
難民として小中高と日本の学校へ通い、雑誌やショーのモデルの仕事をしながら大学を卒業し、現在はフリーランスのファッションデザイナーとして数社のアパレルブランドと契約している。昨年末、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)日本の冊子で自分が難民である事を告白し、仕事で関係するアパレルの10店舗から協力を得て、UNHCRの募金箱の設置活動を開始した。
普段、見ようとしなければ見えてこない日本で暮す「難民」の生活。平和な国で暮す私達には遠い言葉に聞こえるかもしれないが、日本では毎年100人以上の人達が日本政府に難民認定を申請している。遠いようで、実は近いのだ。今回、渋谷ザニー氏に「難民」についてお話を伺った。迫害から逃れてきたはずの彼等が日本で直面する困難とは何なのだろうか。
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―ビルマの軍事政権の監視下の中、祖国を出て日本にくるのは並大抵のことではないと思います。具体的にどのようにして日本までたどり着いたのですか?どのような人たちがサポートしてくれたのでしょうか?
「軍人であった母方の祖父のかつての部下達のコネクションでパスポートを手に入れ、父はバンコクに亡命しました。その後マカオに渡り、カジノのスタッフをしていた父は、その後のビジネスのために日本へやってくることになりました」
―日本では「難民」と認定されるまで短くて半年、長くて数年とお聞きしましたが、渋谷さんの場合はどれくらいの期間がかかりましたか?難民と認定される前と後では、日常生活では何が変化しましたか?
「小学5年の冬に認定手続きを始め、高校2年生の夏に認定され、両親は喜んでました。“これで家族離れ離れになる心配もなく、安定した暮らしを手に入れた”と考えたからなのでしょう。高校2年生になっていた私は特別な思いはなく、自分の夢に向かって前進することしか考えていませんでした。しかし、その夢の途中で難民がゆえのさまざまな現実と出会いました」
―『ビルマ、パゴダの影で』ではいくつかの少数民族が描かれていました。この映画を観て、初めて同国の少数民族の存在を知ったというビルマ人の方もいらっしゃいました。渋谷さんはこの映画を観てどう思われましたか?
「もしも、“初めて同国の少数民族の存在を知ったというビルマ人の方”がいるのであれば、その方は無知以外の何者でもありません。少数民族とのビルマの歴史は初のビルマ統一王朝・パガン王朝の時代から存在するのです。もしも、“少数民族の存在を知らなかったビルマ人”というのが第三国で生まれ育った子供であれば、親に問題があるのでしょう。母国の問題だからこそ特にですが、国際社会の問題を十分認知し、理解するのが国際社会に生きる先進社会の人々に必要なエチケットです」
もっと彼のトークを聞きたい人は『ビルマ、パゴダの影で』の上映後に行いますので下記のイベントに参加ください。
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『ビルマ、パゴダの影で』
http://www.uplink.co.jp/burma/
観光用PR番組の撮影と偽りビルマ(ミャンマー)に潜入した撮影クルーは国境地帯へ少数民族の証言を求めて旅をする。そこには軍事政権による強制移住や強制労働、拷問や殺害を含む様々な人権侵害から逃れるため、幾千、幾万もの人々が過酷な生活を強いられていた。当局から許可無く撮影された本作は、今なお迫害され続ける人々の叫びを伝える貴重なドキュメンタリーである。
監督:アイリーヌ・マーティ
2004年/スイス/Video/74分/16:9/英語、ビルマ語、カレン語、シャン語、他
■DVD発売記念上映+トークイベント『ビルマ、パゴダの影で』
日時:2008年9月7日(日) 開場18:30/開映19:00~/トーク20:20~
会場:アップリンク・ファクトリー[地図を表示]
(東京都渋谷区宇田川町37-18トツネビル1F)
料金:1,500円(映画+トーク込み)
http://www.uplink.co.jp/factory/log/002753.php
【予約方法】
当イベントへの参加をご希望の方はお電話、またはメールにてご予約ください。メールの場合件名を「ビルマDVD発売記念イベント」とし、下記の要項を明記の上指定のアドレスまでお申し込みください。
(予約者数が定員に達し次第、受付を締め切りますので予めご了承下さい)
【予約要項】(1)お名前 (2) 予約人数 (3)電話番号 (4) 住所
【予約先】03-6825-5502/factory@uplink.co.jp