新型コロナウィルスの影響で、映画館、映画製作者、そして映画配給会社は困難な時代を迎えているなか、日本の独立系配給会社が、この難局を乗り越えるため「Help! The 映画配給会社プロジェクト」を立ち上げ、その緊急アクションとして「配給会社別見放題配信パック」をオンライン映画館「アップリンク・クラウド」で配信をスタートする。
アップリンク・クラウド「Help! The 映画配給会社プロジェクト 配給会社別 見放題配信パック」
https://www.uplink.co.jp/cloud/features/2408/
※配給会社により作品数が異なり、配信期間、料金も異なります。
ステートメント:
新型コロナウィルスの影響で、日本全国の人々、そして事業者の誰もがかつてない難局を迎えています。それは映画業界も同様です。13 の特定警戒都道府県では映画館の休館がさらに続き、緩和容認や解除となった34 県でも休館を続けざるを得ない映画館があり、再開できても以前のような集客は不可能で、やがてくる「第二波」「第三波」も想定すると、映画界にとって「コロナの時代」は長くなると覚悟せざるを得ません。
このような状況の中で、小規模映画館<ミニシアター>を守るための「ミニシアター・エイド基金」や、日本映像職能連合(映職連)の政府への補償要望書の提出など、数々のアクションが始められましたが、私たち、独立系配給会社も、この難局を乗り越えるために何をすべきか模索してきました。
配給会社は、映画館や監督・俳優たちと違って、直接的に観客と触れ合うことの少ない、黒子の存在です。洋画の場合で言えば、まず映画を発見し、買い付けをし、日本全国の映画館に上映を依頼し、宣伝し、映画を公開し、DVD・VOD・テレビでも映画を見てもらえるように活動します。そして、大手配給会社と比べると、独立系配給会社は収益の多くを映画館収入から得ており、その映画館の多くは、小さくとも存在感のある全国のミニシアターです。また、アメリカ映画や邦画だけでなく世界中のさまざまな地域の映画を紹介している点も独立系の特色です。収益から製作者にお金を戻すことで、世界中の製作者の次の映画への一助ともなってきました。
映画館に観客が行けない今、独立系配給会社にはほとんど収入がありません。しかし、私たちがここで倒れては、ミニシアターに映画を届けることができなくなり、世界の映画人が日本の観客に映画を見てもらう機会が失われてしまいます。そして小さな会社といえど、私たちにも大切なスタッフがいて、字幕翻訳者、グラフィックデザイナー、予告編制作者、web デザイナー、パブリシスト、通訳など多くの仕事仲間がいるのです。もちろん、国や自治体の補償を訴えることも大切ですが、待っていては倒産する配給会社も出るでしょう。私たち自身の足で立って、歩かなければなりません。私たちの財産は、映画しかありません。世界の多様な映画です。配信で、そうした多様な映画を見てもらうことで観客の力を借り、この難局を乗り越えたいと思うのです。配信は過去作に限り、あくまで新作は映画館で公開してミニシアター映画館の収益を確保しながら、過去作の配信によって少しでも経営を安定させ、映画館や仕事仲間達と築いてきたこの事業の継続を目指したいと考えています。
そしてこのプロジェクトによって、今まで見えにくかった「映画配給」という仕事を一般の方々にも知っていただき、各配給会社の個性も感じていただきながら、いま、世界中の国々が物理的な鎖国状況にある中で、映画で世界とつながることの価値を感じていただけたらと願っています。2020年5月
「Help! The 映画配給会社プロジェクト」発起人:キノローグ、クレストインターナショナル、ザジフィルムズ、 サニーフィルム、セテラ・インターナショナル、チャイルド・フィルム、ミモザフィルムズ、ムヴィオラ
「未来よ こんにちは」 ©2016 CG Cinéma · Arte France Cinéma · DetailFilm · Rhône-Alpes Cinéma
「イタリアは呼んでいる」 ©Trip Films Ltd 2014
■クレストインターナショナル見放題配信パック 3ヶ月2,480 円(税込)
https://www.uplink.co.jp/cloud/features/2409/
1.『ピクニック』ジャン・ルノワール
2.『愛して飲んで歌って』アラン・レネ
3.『アンジェリカの微笑み』マノエル・ド・オリヴェイラ
4.『未来よ こんにちは』ミア・ハンセン=ラブ
5.『めぐりあう日』ウニー・ルコント
6.『いとしきエブリデイ』マイケル・ウィンターボトム
7.『イタリアは呼んでいる』マイケル・ウィンターボトム
8.『嘆きのピエタ』キム・ギドク
9.『それから』ホン・サンス
10.『夜の浜辺でひとり』ホン・サンス
11.『正しい日 間違えた日』ホン・サンス
12.『クレアのカメラ』ホン・サンス
今年創立30 周年を迎えるクレストインターナショナルはヨーロッパの作品を中心に手掛けてきました。 今回セレクトした配信ラインナップは、何度見ても至福に包まれるジャン・ルノワール監督の『ピク ニック』、アラン・レネ監督のチャーミングな遺作『愛して飲んで歌って』、最高齢監督の記録を持つ マノエル・ド・オリヴェイラの『アンジェリカの微笑み』といった巨匠たちの作品から、フランス映 画界の若手監督として才能を発揮するミア・ハンセン=ラブ、ウニー・ルコントまで揃えました。 また今や『パラサイト 半地下の家族』の成功で世界中が注目する韓国映画からは、キム・ギドク監督 のベネチア映画祭グランプリ作とホン・サンス監督と女優キム・ミニのコラボ作4 本。世界中で大ヒ ットし、シリーズ化となったマイケル・ウィンターボトム監督の『イタリアは呼んでいる』には抱腹 絶倒です。どうぞ多様な映画の魅力をご堪能ください。
「女は女である」 ©1961 STUDIOCANAL - EURO International Films S.p.A.
「家族の肖像」 ©Minerva Pictures
■ザジフィルムズ見放題配信パック 3ヶ月2,980 円(税込)
https://www.uplink.co.jp/cloud/features/2410/
1.『女は女である』ジャン=リュック・ゴダール
2.『女と男のいる舗道』ジャン=リュック・ゴダール
3.『ゴダールのマリア』ジャン=リュック・ゴダール
4.『5時から7時までのクレオ』アニエス・ヴァルダ
5.『幸福』アニエス・ヴァルダ
6.『ジャック・ドゥミの少年期』アニエス・ヴァルダ
7.『ローラ』ジャック・ドゥミ
8.『天使の入江』ジャック・ドゥミ
9.『不滅の女』アラン・ロブ=グリエ
10.『ヨーロッパ横断特急』アラン・ロブ=グリエ
11.『嘘をつく男』アラン・ロブ=グリエ
12.『エデン、その後』アラン・ロブ=グリエ
13.『快楽の漸進的横滑り』アラン・ロブ=グリエ
14.『囚われの美女』アラン・ロブ=グリエ
15.『魔術師』イングマル・ベルイマン
16.『仮面/ペルソナ』イングマル・ベルイマン
17.『叫びとささやき』イングマル・ベルイマン
18.『夏の嵐』ルキノ・ヴィスコンティ
19.『家族の肖像』ルキノ・ヴィスコンティ
20.『ロゴパグ』パゾリーニ/ゴダール/ロッセリーニ他
21.『豚小屋』ピエル・パオロ・パゾリー二
22.『フレンチ・カンカン』ジャン・ルノワール
23.『ミステリアス・ピカソ/天才の秘密』アンリ=ジョルジュ・クルーゾー
24.『モンパルナスの灯』ジャック・ベッケル
25.『聖なる酔っぱらいの伝説』エルマンノ・オルミ
26.『ボイス・オブ・ムーン』フェデリコ・フェリーニ
27.『ファスビンダーのケレル』ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
28.『アリス』ヤン・シュヴァンクマイエル
29.『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』ラッセ・ハルストレム
30.『最初の人間』ジャンニ・アメリオ
ゴダール、ヴァルダ、ドゥミら、ヌーヴェルヴァーグの監督たちの過去の名作の数々を“渋谷系カル チャー”全盛の90 年代からスクリーンでリバイバル上映してきたザジフィルムズが贈る「ザジフィル ムズパック」。ゴダール×アンナ・カリーナの『女は女である』、『女と男のいる舗道』、昨年亡くなっ たアニエス・ヴァルダの代表作『5 時から7 時までのクレオ』、『幸福』を始め、一昨年開催されたレト ロスペクティブが異例のヒットとなったアラン・ロブ=グリエの6 作品など、珠玉のフランス映画を 堪能することが出来ます。またスウェーデンからはベルイマンの3 作品、イタリアからはフェリーニ、 ヴィスコンティ、パゾリーニ等々ヨーロッパの名監督の作品を網羅しています。
「あの頃エッフェル塔の下で」 ©JEAN-CLAUDE LOTHER - WHY NOT PRODUCTIONS
「マーラー 君に捧げるアダージョ」 ©2010, Pelemele Film, Cult Film, ARD, BR, ORF, Bioskop Film GmbH
■セテラ・インターナショナル見放題配信パック 3ヶ月2,480 円(税込)
https://www.uplink.co.jp/cloud/features/2411/
1.『あの頃エッフェル塔の下で』アルノー・デプレシャン
2.『ファウスト』アレクサンドル・ソクーロフ
3.『コーヒーをめぐる冒険』ヤン=オーレ・ゲルスター
4.『ふたりのヌーヴェルヴァーグ 』ゴダールとトリュフォー エマニュエル・ローラン
5.『不機嫌なママにメルシィ!』ギヨーム・ガリエンヌ
6.『あしたのパスタはアルデンテ』フェルザン・オズペテク
7.『巴里祭 4K デジタル・リマスター版』ルネ・クレール
8.『リラの門 4K デジタル・リマスター版』ルネ・クレール
9.『危険な関係 4K デジタル・リマスター版』ロジェ・ヴァディム
10.『TOMORROW パーマネントライフを探して』メラニー・ロラン、シリル・ディオン
11.『ナショナル・ギャラリー 英国の至宝』フレデリック・ワイズマン
12.『セザンヌと過ごした時間』ダニエル・トンプソン
13.『マーラー』君に捧げるアダージョ パーシー・アドロン
14.『夜ごとの美女』デジタル・リマスター版 ルネ・クレール
15.『悪魔の美しさ』デジタル・リマスター版 ルネ・クレール
セテラ・パックには名監督、巨匠、新しい才能の個性的な監督作品の一押しがずらりと並びました。 フランスのデプレシャン、イタリアのオズぺテク、巨匠作品としては、ロシアのソクーロフが描いた 壮大な『ファウスト』、ドキュメンタリーのワイズマン、『バクダッド・カフェ』のパーシー・アドロ ンの意欲作『マーラー 君に捧げるアダージョ』。そして監督処女作でドイツアカデミー賞を総ざらい した『コーヒーをめぐる冒険』、フランスのセザール賞を獲得した『不機嫌なママにメルシィ!』 『TOMORROW』などです。芸術、アート好きには『ナショナル・ギャラリー』や『セザンヌと過ごした 時間』、そして映画の原点、クラシック作品ではフランスのエスプリ香るルネ・クレールを堪能できて、 至宝ジェラール・フィリップ主演作品も3作品お楽しみいただけます。
「大いなる沈黙へ」 ©A Philip Groning FilmProduction
「アスファルト」 © 2015 La Camera Deluxe - Maje Productions - Single Man Productions - Jack Stern Productions - Emotions Films UK - Movie Pictures - Film Factory
■ミモザフィルムズ見放題配信パック 3ヶ月2,480 円(税込)
https://www.uplink.co.jp/cloud/features/2412/
1.『母の身終い』ステファヌ・ブリゼ
2.『大いなる沈黙へ ―グランド・シャルトルーズ修道院』フィリップ・グレーニング
3.『ザ・トライブ』ミロスラヴ・スラボシュピツキー
4.『EDEN/エデン』ミア・ハンセン=ラヴ
5.『アスファルト』サミュエル・ベンシェトリ
6.『ホームレス ニューヨークと寝た男』トーマス・ヴィルテンゾーン
7.『静かなる情熱 エミリ・ディキンスン』テレンス・ディヴィス
8.『女の一生』ステファヌ・ブリゼ
9.『修道士は沈黙する』ロベルト・アンドー
10.『最初で最後のキス』イヴァン・コトロネーオ
11.『ディヴァイン・ディーバ』レアンドラ・レアル
12.『シシリアン・ゴースト・ストーリー』ファビオ・グラッサドニア、アントニオ・ピアッツァ
ミモザフィルムズ・パックでは、ヨーロッパを中心に名匠から新たに発掘された監督作品まで厳選さ れた珠玉のラインナップをお届けいたします。まずは、大ヒットを記録した異色の長編ドキュメンタ リー『大いなる沈黙へ ―グランド・シャルトルーズ修道院』。フランスのステファヌ・ブリゼ監督か らは、尊厳死を描いた『母の身終い』とヴェネツィア国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞したモー パッサン原作の『女の一生』の2 作品。イタリアから名匠ロベルト・アンドー監督の社会派ミステリ ー『修道士は沈黙する』や、実際に起きた誘拐事件を元にした『シシリアン・ゴースト・ストーリー』。 他にも、イザベル・ユペール主演の『アスファルト』やシンシア・ニクソン主演の『静かなる情熱 エ ミリ・ディキンスン』、全編手話で描かれカンヌ国際映画祭で批評家週間グランプリを受賞した話題作 『ザ・トライブ』など、文芸作品からドキュメンタリーまで幅広い名作たちが揃いました。
「光りの墓」 © Kick The Machine Films / Illuminations Films (Past Lives) / Anna Sanders Films / Geißendörfer Film-und Fernsehproduktion /Match Factory Productions / Astro Shaw (2015)
「鉄西区」 © Copyright 2002 by Wang Bing. All rights reserved.
■ムヴィオラ見放題配信パック 3ヶ月2,480 円(税込)
https://www.uplink.co.jp/cloud/features/2413/
1.『世紀の光』アピチャッポン・ウィーラセタクン
2.『光りの墓』アピチャッポン・ウィーラセタクン
3.『鉄西区 三部作』ワン・ビン
4.『鳳鳴ー中国の記憶』ワン・ビン
5.『無言歌』ワン・ビン
6.『三姉妹ー雲南の子』ワン・ビン
7.『収容病棟 前後編』ワン・ビン
8.『苦い銭』ワン・ビン
9.『郊遊<ピクニック>』ツァイ・ミンリャン
10.『ラサへの歩き方』チャン・ヤン
11.『草原の河』ソンタルジャ
12.『すれ違いのダイアリーズ』ニティワット・タラトーン
13.『祝福~オラとニコデムの家』アンナ・ザメツカ
14.『フォンターナ広場~イタリアの陰謀』マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ
15.『パプーシャの黒い瞳』ヨアンナ・コス&クシシュトフ・クラウゼ
16.『オレンジと太陽』ジム・ローチ
17.『追憶と、踊りながら』ホン・カウ
18.『もうひとりの息子』ロレーヌ・レヴィ
19.『ヴィオレット-ある作家の肖像-』マルタン・プロヴォ
20.『ルイ14 世の死』アルベール・セラ
21.『わたしは、幸福(フェリシテ)』アラン・ゴミス
世界映画の最先端にいるアピチャッポン・ウィーラセタクン監督やワン・ビン監督、ツァイ・ミンリ ャン、チャン・ヤン、ソンタルジャといったアジアの才能、異形の天才アルベール・セラ、アフリカ 系作家映画の旗手アラン・ゴミスなど刺激的な映画人の作品群と、イタリアのマルコ・トゥリオ・ジ ョルダーナやポーランドのクシシュトフ・クラウゼら名匠たちの挑戦的な作品、アンナ・ザメツカや ホン・カウら今後の活躍が期待される若い映画人の作品、そしてシンプルに強く心に響く『オレンジ と太陽』『もうひとりの息子』『すれ違いのダイアリーズ』など、多様な映画と多様な世界の扉を開く 作品をあつめました。本邦初配信の作品を13 本ラインナップしています。