骰子の眼

cinema

京都府 京都市

2019-10-23 12:00


「アップリンク京都」2020年春オープン

4スクリーン、計215席 アップリンクが提唱する「ミニシアター・コンプレックス」第3弾
「アップリンク京都」2020年春オープン

多様な価値観の文化を感じられる映画体験を

文/浅井隆

この度、アップリンクは渋谷、吉祥寺に続き京都の烏丸御池に「アップリンク京都」を来春オープンすることを発表します。京都の新風館の地下1階に映画館を作る計画は、昨年末吉祥寺にオープンする以前の2年半前からNTT都市開発と計画を進めてきました

映画は、様々な価値観からなる世界を知ることができるメディアです。例えば書物はテキストにより論理的に世界を捉えることができます。絵画や音楽は感情に訴えることができます。漫画はその両方を兼ね備えています。映画はそれに加えて時間があるので、描かれている世界に没入でき、疑似体験することができるメディアです。その映画体験は、自分の中ですぐに言語化ができなくとも、心に小さな塊としていつまでも残ります。

現在の世界は、自分と違う価値観に不寛容で、自分が属する社会から異物を追い出そうとする傾向が強まり、異なる価値観がぶつかり合い、社会が分断される傾向が強まっています。だからこそ、たとえ頭と心で理解ができなくとも、違う価値観を持った他者とスクリーンの中で接して、多様な価値観の文化を感じられる映画というメディアの可能性は、より重要だと思います。

そのためには多様な映画を数多く上映する必要があります。小さな客席数のスクリーン数を増やし、多くの作品を上映する。それがアップリンクが提唱する映画館「ミニシアター・コンプレックス」のコンセプトです。「アップリンク京都」は、渋谷の3スクリーン、吉祥寺の5スクリーンの中間となる4スクリーンのミニシアター・コンプレックスとなります。

僕の実家は阪急宝塚線の曽根にあり、映画や演劇に強く関心を持ち始めた高校生の頃、休みの時には阪急電車の十三駅で乗り換え、大阪とは違う京都のカルチャーの場によく行っていました。自分自身が若い頃に様々なカルチャー体験をした京都に映画館を作ることは、とても感慨深い思いがあります。

「アップリンク京都」は、映画を中心としたアートや音楽、トークなどインディペンデント・カルチャーの発信の場としていきたく思っています。

今後、アップリンクでは映画館の設備や内装を充実させるために、クラウドファンディングを行う予定です。またスタッフ募集も行います。ぜひ応援をよろしくお願いします。


有限会社アップリンク(東京都渋谷区、代表取締役社長:浅井隆)は、2020年春、京都市中京区の「新風館再開発計画」(事業主:NTT都市開発株式会社)に4スクリーン、計215席の映画館「アップリンク京都」を開業する。

アップリンクとしては、2005年から東京・渋谷で運営しているミニシアター「アップリンク渋谷」、2018年末に吉祥寺パルコ地下2階にオープンした「アップリンク吉祥寺」に次ぐ、3館目の映画館となる。

地下鉄・烏丸御池駅直結で、アジア初進出となる「エースホテル京都」の出店が決まっている「新風館再開発計画」。地下1階の「アップリンク京都」は、計215席、それぞれ73席、60席、44席、38席のコンパクトな4つのスクリーンで構成され、それぞれコンセプトの異なる内装と、「アップリンク吉祥寺」で高い評価を得た独自の音響システムを導入した、ミニシアター・コンプレックスとなる。

地域に根差した映画文化をお客様と育んできた経験をもとに、2021年までに文化庁の移転が発表され、ますます活性化する京都のカルチャーシーンに貢献していくことを目指す。


【「アップリンク京都」施設概要】

所在地:京都市中京区烏丸通姉小路下ル場之町586-2外 地下1階
事業者:有限会社アップリンク
スクリーン数(予定):4スクリーン
座席数(予定):計215席
スクリーン1:73席
スクリーン2:60席
スクリーン3:44席
スクリーン4:38席
オープン(予定):2020年春
設計:アビエルタ建築・都市 北嶋祥浩


キーワード:

アップリンク / UPLINK / 京都


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