骰子の眼

cinema

2018-05-13 13:05


カンヌ映画祭、アニエス・ヴァルダやケイト・ブランシェットら82人の女性が抗議行動

「映画業界の階段は、すべての人に開かれていなければなりません」
カンヌ映画祭、アニエス・ヴァルダやケイト・ブランシェットら82人の女性が抗議行動
「5050x2020」のインスタグラムより、カンヌのレッドカーペットに立つ82人の女性クリエイター

5月19日までフランスのカンヌで開催されている「第71回カンヌ国際映画祭」で、女優や映画関係者ら82人の女性たちが、映画業界における性差別に対する抗議行動を12日の19時にレッドカーペットで実施。「カンヌのウィメンズ・マーチ」とも形容されるこの抗議で、コンペティション部門審査員長のケイト・ブランシェットとアニエス・ヴァルダ監督がスピーチを行なった。

この日、ケイト・ブランシェットは英語で、そしてアニエス・ヴァルダはフランス語で交互にスピーチ。「女性は世界の少数派でありません。しかしこの映画業界では違います。女性として、私たちはひとりひとりこの問題に直面してきました。しかし今日、私たちは前に進む決意と約束の象徴として、一緒にこの階段を登ります。私たちとは、脚本家、プロデューサー、女性、撮影監督、エージェント、編集者、ディストリビューター、セールス・エージェント、そして映画業界に関わる全てです」というブランシェットの言葉の後、ヴァルダは「映画業界の階段は、すべての人に開かれていなければなりません。さあ、登りましょう」とスピーチした。

この抗議行動は映画界の男女平等を提唱する団体「5050x2020」が主導となり実施され、コンペティション部門の審査委員長ケイト・ブランシェットや審査員のクリステン・スチュワートやエヴァ・デュヴァネイのほか、マリオン・コティヤール、レア・セドゥ、サルマ・ハエック、パティ・ジェンキンス、ヴァレリー・ドンゼッリら計82人が参加した。82という数字は、これまでの71年の映画祭の歴史のなかで映画祭にコンペティション部門に出品された男性監督の作品が1,688作であるのに対し、女性監督の作品がわずか82作である、ということを表現しているという。このうち、最高賞パルムドールを獲得した女性監督は、ジェーン・カンピオン(『ピアノ・レッスン』[1993年])と、今回登壇したアニエス・ヴァルダ(パルムドール名誉賞[2015年])の2人。

今回のアクションはエヴァ・ハソン監督『Girls of the Sun』の上映前に行われた。今年の「カンヌ国際映画祭」コンペティション部門ノミネート18作のうち、女性監督の作品はこの『Girls of the Sun』のほか、ナディーン・ラバキー監督『Capernaum』、アリーチェ・ロルヴァケル監督『Lazarro Felice』の3作品だった。




▼ケイト・ブランシェットとアニエス・ヴァルダのスピーチ[via Variety

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