骰子の眼

cinema

東京都 渋谷区

2018-05-02 18:25


大胆にして繊細!造形作家ニキ・ド・サンファルの映画制作 支援募集中

アップリンクが応援するクラウドファンディング『PLAN GO』の第一弾プラン
大胆にして繊細!造形作家ニキ・ド・サンファルの映画制作 支援募集中
撮影:松本路子

アップリンクが運営するクラウドファンディング『PLAN GO』。今回は第一弾プランから「ニキ・ド・サンファルの映画を作ろう! ~プロジェクト VIVA NIKI~」を紹介する。


【ニキ・ド・サンファルの映画を作ろう!プロジェクト Viva Niki】
http://plango.uplink.co.jp/project/s/project_id/58


クリスチャン・ディオールの2018春夏コレクションには、造形作家ニキ・ド・サンファル(1930-2002)から着想を得たカラフルでポジティブなアイテムが揃った。4月上旬には京橋のギャラリーで版画展が開催されるなど、2015年秋の大規模展(国立新美術館)以降、ニキ・ド・サンファルの再評価が国内外で盛んだ。

PLAN GO
撮影:松本路子

そんななか誕生したのが「プロジェクト VIVA NIKI」である。長年ニキとのフォト・セッションを重ねた写真家:松本路子を監督に据えた、ニキ生誕90年にむけたアート・ドキュメンタリー・フィルム制作プロジェクトである。

生の根源的なエネルギーに溢れ、作品に触れる人々を勇気づける作品を多く生み出したニキだが、彼女の人生は波乱万丈である。幼いころ父親から虐待を受けたことが原因で、結婚出産後には精神衰弱を患い、その後心理療法の目的もあって独学で絵を描き始めた。
『ヴォーグ』などのモデルとして活躍する傍ら、絵の具を埋め込んだ銃でレリーフを撃つ「射撃絵画」で一躍アートシーンに躍り出た後、創作活動の中心は巨大な彫刻など立体物へと移っていく。なかでも豊満で色彩豊かな女性が宙を浮きコミカルなダンスを踊っているような「ナナ」シリーズは、生の根源的なエネルギーに溢れている。
イタリア、トスカーナ地方で毎年4月~10月に一般公開される「タロットガーデン」は、巨大彫刻が点在するまさにニキの理想郷。自らデザインした香水の収益もその制作費に充て、完成までに20年以上を費やしている。

撮影:松本路子
撮影:松本路子

写真家・松本路子は1980年代よりヨーコ・オノ、草間弥生、ピナ・バウシュ、レベッカ・ホーンをはじめとする世界各地のアーティストやダンサーの肖像を撮影、写真集、エッセイ集も数多く出版し、個展も多数開催している。
特別な演出をすることなく『個』と向き合った作品群は、作家の存在感をあるがままにとらえたものであり高く評価されている。

1981年にニキ・ド・サンファルの自宅を訪ねてから10数年にわたり交流を温めた松本路子だからこそ撮影できたポートレイトや作品群の数々は、たいへん貴重なものである。

「プロジェクト VIVA NIKI」
プロダクション・マネージャー
岩波久美子さんからのメッセージ
「深い心の傷を経て生きる喜びを爆発させた人」

私が松本路子さんと出会ったのは、写真のワークショップを受講したのがきっかけでした。彼女は心の目が見たような映像をすくい上げ「こういう写真はあなたにしか撮れないわ」と私の根っこのようなものを見出し、肯定してくれた。ずっと自分のことはよく見えず、表現することが苦手だっただけに、それがどんなに嬉しかったことか。そうして今でも迷いながらだが、写真を続けている。さらに縁があり、そのワークショップ〈光を束ねる〉の事務局を担当して12年がたった。

ニキ・ド・サンファルは深い心の傷や苦しみを経て、だからこそ生きる喜びを作品に爆発させた人、というのが私の印象だ。ポップでユーモアがあり、大胆で自由。女性としても共感し、見ていて元気の出る作品。とてもパワフルな表現者!

周囲の人に「松本路子さんが映画監督に挑戦し、ニキの映画を撮るんだよ」と話をすると皆が、「元気の出る、励まされる話しだ!」と、松本さんの挑戦が私たちを勇気づける。

松本さんから時折聞く、ニキとのエピソードは数人だけで聞くのがもったいない。ニキの女性としての魅力、表現者としてのプロ意識……。タロットガーデンのユニークさ!その世界を多くの人に見てもらいたいし、もちろん私も見てみたい。ニキと深い親交のあった松本路子さんでなくてはできない仕事だろう。

松本路子さんは「表現することが生きる力になると思う」という。ニキのようには大胆に表現できないけれど、ニキの世界を通して誰でもその世界で心を遊ばせることができ、きっと力をもらうことができる、と信じている。

私は今、プロダクション・マネージャーとして映画つくりに参加できることにわくわくしている。ぜひあなたもこの映画製作の片棒を担いで、撮影現場レポートや仕上がりを一緒に楽しみませんか?

PLAN GO
岩波久美子さん

活動を支援したい場合は、寄付金額3千円から20万円の6つのコースから希望のものを選択し申し込むことができる。

すべてのコースの特典に、松本自身が撮影したニキとニキの作品のポストカードが含まれ、金額に応じて作品のエンドクレジットに名前掲載や、完成披露試写会への招待、ニキのポートレイト(エディション50部のプリント25万円相当)といった貴重なコレクションも提供される。ニキのファンはもちろん、現代アートファンには嬉しい内容だ。

クラウドファンディングは6月3日に終了し、当月中にフランス、ベルギー、イタリア、アメリカでの撮影を開始、ポストプロダクションを経て完成披露試写会は2019年10月を予定している。


▼ニキ・ド・サンファル MOVIE 01

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