骰子の眼

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2018-02-22 23:58


取り残された女たちが一人の男を巡る『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』極上の心理スリラー

「南北戦争時代の女性が男性にどう接したか興味があった」ソフィア・コッポラ監督
取り残された女たちが一人の男を巡る『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』極上の心理スリラー
映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』 ©2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

ソフィア・コッポラ監督が南北戦争時代を舞台に、男子禁制の女子寄宿学園 に助け出された兵士と女性たちの愛憎を描く心理スリラー『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』 が2月23日(金)より公開。webDICEではコッポラ監督のインタビューを掲載する。

『ブリングリング』のティーンの窃盗団をはじめ、これまでも様々なキャラクターを用い「日常の空虚」を描いてきたソフィア・コッポラ監督が今回挑んだのは、クリント・イーストウッド主演の1971年の作品『白い肌の異常な夜』の原作であるトーマス・カリナンの小説「The Beguiled」。『白い肌の異常な夜』が男性目線だったのに対し、コッポラ監督は女性の視点で語られる原作に忠実に映画化している。「傷が治って残念だ」と思わぬ歓迎に最初は喜ぶ北軍兵士、そして彼の気を引こうとおしゃれをして夕食の食卓に座る女性たち。兵士は階段から転げ落ち傷口を広げたことから左足を切断され、女性たちと男の均衡が崩れていく。彼女たちが勉強していた裁縫が思いがけぬかたちで役に立てられるラストへの伏線となっている。世界と隔離されたような穏やかな空気に満ちた女子寄宿学園にうずまく好奇心と欲望を、コッポラ監督は静謐かつサスペンスフルな物語に仕上げている。この作品は、2017年カンヌ国際映画祭にて監督賞を受賞した。


「『原作と設定を変えてみたら?』と言われることもあった。でも私は南北戦争時代の南部の女性が、男性への接し方をどのように教え込まれたか興味があった。優美で魅力的で、もてなし上手であることが重要視され、彼女たちの世界は男性中心に回っていた。そういう時代に男性たちが戦争に行き、自分たちだけで取り残された女性たちは、どのように生活し生き抜いたのか?って」(ソフィア・コッポラ監督)


集団内での人間関係にずっと興味がある

──あなたは個人的な映画を作りたいと言っていましたね。『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』(以下、『ビガイルド』)のどのあたりが個人的ですか?

それはどの作品でも後になるまで分からない。私が見た物や出会った人たちが映画の一部になる。女性同士の人間関係には常に興味があるし、男性が入ってくることでそれに変化が起きるのも見てきた。

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映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』ソフィア・コッポラ監督(撮影:ホンマタカシ)

──『ビガイルド』では「女性の集団や共同体」というテーマを再び扱っていますね。『ヴァージン・スーサイズ』では姉妹という共同体、『マリー・アントワネット』では宮廷という自分たちだけの閉ざされた世界、そして『ブリングリング』では法を犯してしまう窃盗団の話。

そう、私は集団内での人間関係に、とりわけ女性同士が接する時の機微にとても興味がある。このストーリーに惹かれたのは、女性のグループを扱っていて、さらに世間から切り離された女の子たちという意味で『ヴァージン・スーサイズ』を彷彿とさせるものがあったから。今まで幅広い年齢層の女性を扱ったことがなかったから、人生のステージが異なる女性同士の関わり合い方を描いてみたかった。実際この話の中でも、それぞれの女性の男との関わり方は千差万別。

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映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』©2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

──ミス・マーサ、エドウィナ、アリシアと若い子たちの4組ですね。

そう、ミス・マーサはマクバニーを治療しながら惹かれていく、エドウィナはマクバニーから告白される、そしてアリシアは彼を誘惑しようとする。彼女たちはそれぞれマクバニーと独自の関係性を築いている。

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映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』©2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

男女のパワーバランスは普遍的なテーマ

──トーマス・カリナンの小説「The Beguiled」のことは、いつ知りましたか?

友人でプロダクション・デザイナーのアン・ロスが映画版の『白い肌の異常な夜』のことを教えてくれた。私は観たことはなかったけれど、評価の高い作品であることは知っていた。観終わった後、その異様さと予期せぬ展開がずっと心に残っていた。リメイク作品を作ろうとは思わなかったけれど、興味が湧いたので原作小説を読んでみた。それで、女性の視点からこのストーリーを伝え直してみたらどうかと思った。だから本作『ビガイルド』は再解釈と言える。男女のパワーバランスは普遍的なテーマで、男女の間には永遠に解けない謎がある。「彼、なんであんなこと言ったの?」って(笑)。

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映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』©2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

──原作の設定を変えることは考えましたか?

「原作と設定を変えてみたら?」と言われることもあった。でも私は南北戦争時代の南部の女性が、男性への接し方をどのように教え込まれたか興味があった。優美で魅力的で、もてなし上手であることが重要視され、彼女たちの世界は男性中心に回っていた。そういう時代に男性たちが戦争に行き、自分たちだけで取り残された女性たちは、どのように生活し生き抜いたのか?って

──以前にも脚色は経験済みだと思いますが。小説は男性の目線から語られているのですか?

いいえ。著者は男性だけど、各章でそれぞれの女性が自分の話を語るスタイルで語られている。

──映画化するにあたり、原作の中でより強調して取り上げようと思ったところと、逆に外そうと思った要素はありますか?

小説の中に大げさだと思う部分があった。この話自体かなり強烈だけど、それでもなるべく現実的で共感できるものにしたかった。

原作の中では兵士はアイルランド人という設定だった。コリン・ファレルに会って彼の自然なアイリッシュ・アクセントを聞いた時、マクバニーを女性たちにとって、よりエキゾチックな存在にするために、これは使えるって思った。それから原作には、彼がお金をもらって別の男の代わりに従軍しているという言及があった。でもコリンと会って、私は彼を明らかに悪い男じゃなくて、魅力的な人物にするために、女性たちが「彼のことを信じたい」と思えるような、傭兵という設定に変えた。

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映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』マクバニー伍長役のコリン・ファレル©2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

──なるほど。本作の中の彼女たちとマクバニーを見ていると、希望とは言わないまでも、もしかしたら最悪の事態は避けられるのではないか、という気がしてきます。

キルスティン・ダンスト演じるエドウィナをはじめ、女性たちは希望を禁じ得ない。マクバニーにとっては、天国にたどり着いようなもの。女性たちが彼にかかりっきりで洋服まで着せてくれるのだから。魅力的で、でもおそらく信じてしまったら痛い目に遭いそうな男。そこは共感できる話だと思う。

──1971年の映画化では、メエ・マーサ演じるアフリカ系アメリカ人のハリーが登場します。彼女の視点も取り上げることは考えましたか?

『ビガイルド』には奴隷の役は登場させたくなかった。なぜなら奴隷の問題はひとつの大きなテーマで、さらっと触れるようなことはできない。この映画は戦時中に取り残された女性たちの話にした。

ニコール・キッドマンは包帯の巻き方や手細工や刺しゅうも学んだ

──先ほど強烈なストーリーだと言っていましたが、スリラー的なプロットは楽しめましたか?

男が「ゲスト」兼「囚われの身」という点で映画の『ミザリー』を思い出した。1990年の公開時に観に行って記憶の奥に残っていたから。それでもこういうタイプのストーリーは初めてだったから、大変だけどやりがいもあった。自分の得意分野から飛び出して、自分なりのやり方で取り組んだけど、私は普段はさりげないものを好むから、自分を追い込む必要があっ。プロットと美しく詩的な設定の両方がある。こういう組み合わせは初めてだったから楽しめた。

──南北戦争の時代のことをリサーチして一番驚いたことは何ですか?

物資がひどく不足している中での人々の暮らしぶりに驚いた。南北戦争当時のことを再現してくれる方に、当時の医療応用に関して習った。ニコール・キッドマンは包帯の巻き方や手細工や刺しゅうも学んだ。

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映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』ミス・マーサ役のニコール・キッドマン©2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

当時のマナーブックを読んでいたら、こう書いてあった。「女性は褒め言葉を受け取ってはいけない」。なぜなら虚栄心を煽るから。女性たちの淑女然とした面は強調して演じる必要があった。でも彼女たちはそういうことに飽き飽きしていたのだと思う。

──あらゆることが形式的で、例えばお互いの呼び方ひとつ取っても、ミスを付けてファーストネームを呼ぶ。これは台詞をより叙情的にしていますね。

そう。後半の緊迫した状況でも、うわべだけの淑女らしい上品な態度と世間話はやめない。

──ヴィジュアルの面ではどこからインスピレーションを得ましたか?

色々なものに影響を受けた。南北戦争時代の写真や、ウィリアム・エグルストンによる1970年代の女性の集合写真も見た。映画であれば『テス』。サスペンスならヒッチコック映画も参考にした。

──撮影監督のフィリップ・ル・スールと長編映画を撮るのは初めてですね。

彼とはコマーシャルで何回か一緒に仕事をしたことがある。彼は素晴らしいアーティストだから美しく撮ってくれると思った。

ヴィンテージのレンズとフィルムを使って撮影できてすごく満足だった。見た目は、柔らかく薄絹がかかっているように見せる一方で、強い日差しを受けて暑く煙立つ土地の雰囲気も出さなくてはならなかった。そこに性的な抑圧も加わって、登場人物たちはどんどん息苦しくなっていく。

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映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』エドウィナ役のキルスティン・ダンスト©2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

──今回の撮影現場は実在の場所ですね。

オークの木とスパニッシュ・モスのある実在の場所で撮影した。メイドウッド・プランテーション・ハウスは美しい舞台だけど、プランテーションだった過去から暗い影もある場所だった。

私はそこで虫や豊かな大地を味わいたかった。女性たちの人数は減り管理人もいなくなって、もはや整備された状態を保てなくなる。つるは伸び放題で危険な雰囲気を醸し出している一方で、館の中では女性たちがレースのカーテンや良い物を大切にしている。家の中は整然としているのに、外の自然は荒れ放題。そんなコントラストを出したかった。

それからマクバニーと女性たちのコントラスト。パステルカラーのドレスの女性たちのところにボロボロで汚い男が現れる。何枚も重ね着をして熱がこもってしまうけれど、それでもサンドレスは着ることは許されない。どんなに暑くてもきちっとした身なりを保たなければならない。

衣装のステイシー・バタットと話して、「大きく膨らんだスカートはやめよう」と決めた。現代でも着られるようなドレスにしたかった。史実に忠実であると当時に、現代女性の目にも信ぴょう性や現実味があって魅力的に映るようにね。色褪せた色調が混ざり合って、女性のまとまった集団というイメージが強まった。ステイシーは時代物が初めてだったから、彼女にとって新しい試みだった。

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映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』©2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

音楽は最小限に留めておきたかった

──アン・ロスとは複数の映画で仕事をしていますね。

アンと私がムード・ボード(イメージを共有する資料)を作って、スタッフがそれを見て方向性を確認する。長いことチームを組んでいるから、みんな私の考えを理解してくれて いて、細かい説明は必要ないのよ。

──それで26日間で撮影を終えることができたのですね。長期にわたってあなたと組んでいる編集者のサラ・フラックは、早い段階から編集を始めたのですか?

撮影中にサラに映像を渡して、同時進行で編集してもらった。もっと時間があったらよかったのだけど、低予算の映画の場合は「仕事は迅速に」が鉄則だから。

──敷地内の虫の話をしていましたが、虫の音が『ビガイルド』のサウンド・デザインの一部でもあるとも言っていましたね。本作ではほとんど音楽が使われておらず、絶え間ない爆発音がまるで楽曲であるかのように感じます。何マイルも離れたところから聞こえてくるようで、実はそう遠くないところで起きているのですが。

ここでの生活は質素なので、仰々しい楽曲はそぐわないと思った。だから音楽は最小限に留めておきたかった。彼女たちが絶え間ない蝉の声と遠くの大砲の音の中に閉じ込められていることを観客に感じてもらった方が、より緊張感が伝わると思った。戦争が長引く中で、彼女たちはその状態にもう慣れてしまっていて、生活環境の一部になっているから。

──ミス・マーサのキャラクターを再解釈されたと思いますが、ニコール・キッドマンをこの役に適任だと思ったのはなぜですか?

ニコールの演技、特に『誘う女』で演じたちょっとねじれた役どころが大好き。ずっと彼女と一緒に仕事をしたくて、脚本を書いている時も彼女をイメージしてそれが大いに助けになった。彼女がミス・マーサのキャラクターにユーモアや感情を与えて息を吹き込んでくれることは分かっていた。ニコールは威厳をもって演じてくれたから、この集団を彼女が仕切っていることが伝わってくると思う。

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映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』©2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

──マクバニーとのシーンでは、まるでミス・マーサが大将で彼が臨時雇いの兵士のようです。

そう。でも彼女をありがちな怖い校長先生にはしたくなかったの。本作に登場する女性たちは年齢にかかわらず、みな美人。ミス・マーサの「南部婦人」としてのピークは過ぎて楽しい時は終わったかもしれないけれど、今もっと重要な問題は女の子たちを守ることで、そのために辛い局面でも強くあらねばならない、と感じている。

──今回再びキルスティン・ダンストとチームを組んでいます。彼女がどの時代のどこの女性を演じても、素晴らしく上手くはまってしまうのはなぜでしょう?

キルスティンはもちろん現代的な役もできるけど、過去の時代のキャラクターをリアルに演じる才能がある。彼女がその時代の衣装に身を包むと、本当に当時の人に見える説得力がある。

『ビガイルド』では、彼女にエドウィナを演じてほしかった。実際のキルスティンとは真逆で、とても控えめで繊細な学校教師という役どころ。

エル・ファニングに関しても同じことが言える。彼女が可愛らしくて寛大なのに対して、彼女の役アリシアは「悪い子」。女優たちが期待されているイメージを裏切るのを見るのが楽しかった。

──エルは『SOMEWHERE』であなたの作品に出演してから7年経っていますね。女優として随分成長したのではないでしょうか?

『SOMEWHERE』ではまだ11歳だったエルが、『ビガイルド』では18歳に成長していたのは驚きだった。彼女の性格は変わってなく、今も子供らしい輝きを失っていなくて自然体を保っている。7年前も女優としての才能に感心したし、今はそれ以上に感心させられる。

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映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』アリシア役のエル・ファニング©2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

エルはアリシアという役を、自分好きのうぬぼれキャラに作り込んでくれた。アリシアは自分の見せ方を分かっていて、例えばマクバニーと全員で食事の席に着く時に、スカートを広げてマクバニーに視線を送る。原作で彼女は本当の「小悪魔キャラ」として描かれている。

──4人の生徒、エイミー、ジェーン、マリー、エミリーを演じた女優たちは、グループでキャスティングされたのですか?

キャスティング・チームがとても優秀だった。役と同じ年齢であることが重要だったから、該当する年齢層の子たちにたくさん会った。それから、彼女たちの写真を壁に貼って一緒に並べるとどう見えるかチェックした。それぞれが強い個性を持っていて、お互いに被らない独自色があることを求められた。私たちはお互いのお気に入りを組み合わせて、一緒にするとどう見えるか確認をしていったの。それで最終的にこの4人が飛び抜けていた。

4人のうちウーナ・ローレンスとエマ・ハワードの2人は、ブロードウェイの『マチルダ』に出演していて、エイミー役のウーナは歌もこなせるし、エミリー役のエマは映画の舞台となった時代のポートレートから抜け出してきたみたいだった。

オーストラリア出身のアンガーリー・ライスは演技のセンスが素晴らしいので、神経質なジェーン役を演じてもらった。マリー役を演じるアディソン・リーケはすごく面白い子。実際に会って初めてTV番組の「超能力ファミリー サンダーマン」に出ている子だって気付いた。彼女たちは4人の演技のアンサンブルは上手く機能していたし、映画からもそれが伝わるはず。

──女の子たちが同じベッドで眠るシーンでは、仲の良さをさらに強調していますね。

家族から離れた子供たちが同じ部屋にいれば、自然とひとつのベッドに集まってきて一緒に眠るもの。大きな館は子供にとって怖いもので、一緒に固まっていたいはずだから。

──女の子たちの親密度を高めるお膳立てをしましたか?

彼女たちはリハーサルの期間に、当時の女の子たちと同じようなダンスやエチケットやお裁縫のレッスンを受けた。アクティビティに一緒に参加することで絆が生まれたと思う。特にメイドウッドで撮影の時は、よく一緒に出かけて仲良くなったみたい。ハロウィーンには変装して、私たちのいた町を練り歩いていた。

特に低予算の作品では、全員が撮影現場に揃っていて、毎晩自宅に帰ったりできないから、お泊まりキャンプのような連帯感が生まれるのだと思う。

『ビガイルド』では、全員ハンプトン・イン・ホテルに宿泊していて、よくパジャマでロビーに集まっていた。ニューオーリンズの住居で室内の撮影をしていた時は、ポーチに大きなテーブルがあって、そこか裏庭でみんなくつろいでいて、とても心地よい雰囲気だった。

(オフィシャル・インタビューより)



ソフィア・コッポラ(Sofia Coppola) プロフィール

1971年生まれ、アメリカ合衆国出身。映画監督のフランシス・フォード・コッポラの娘として北カリフォルニアで生まれ育つ。長編映画2作品でコスチュームデザインを手がけた後、カリフォルニア芸術大学で美術を専攻した。短編映画『Lick the Star(原題)』で脚本と監督を手がけた後、『ヴァージン・スーサイズ』で長編監督デビューを果たす。続く『ロスト・イン・トランスレーション』でアカデミー賞の脚本賞を受賞し、監督賞と作品賞にノミネート。主演のビル・マーレイとスカーレット・ヨハンソンはともに英国アカデミー賞の主演男優賞と主演女優賞を受賞し、スタッフやキャストは世界各国の様々な賞に輝いた。脚本・監督を務めた長編第3作目『マリー・アントワネット』では、プロデューサーも務め、主演にキルスティン・ダンストを迎え、衣装デザインのミレーナ・カノネロはアカデミー賞の衣装デザイン賞を受賞。『SOMEWHERE』では、主演のエル・ファニングが放送映画批評家協会賞にノミネートされ、2010年ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞(最高賞)の栄冠に輝く。『ブリングリング』は、カンヌ国際映画祭でプレミア上映され、ソフィア・コッポラはウーマン・イン・フィルム・クリスタル・アンド・ルーシー賞のドロシー・アーズナー・ディレクターズ・アワードを受賞した。2015年には共同脚本、製作総指揮、監督を務めた『ビル・マーレイ・クリスマス』を制作。本作で2017年カンヌ国際映画祭の監督賞を女性としては56年ぶりに受賞した。




映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』
2月23日(金)TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国公開

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映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』©2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

1864年。美しい鳥のさえずりが響くバージニア州の森には、遠くから絶え間なく大砲の音が聞こえ、3年目に突入した南北戦争が暗い影を落としていた。キノコ狩りをしていた女子寄宿学園に通うエイミーは、傷を負った北軍兵士マクバニーを発見。手当をするため学園へ連れ帰ることに。マーサ・ファーンズワース女子学園は、園長のマーサ、教師のエドウィナ、そして家に帰ることができない事情を抱えたエイミーをはじめ、アリシア、ジェーン、エミリー(エマ・ハワード)、マリーの5人の生徒が暮らしていた。招かざる敵兵の出現にはじめこそ戸惑うものの、キリスト教の教えに従い回復するまで面倒を見ることになる。

監督:ソフィア・コッポラ
出演:ニコール・キッドマン、エル・ファニング、キルスティン・ダンスト、コリン・ファレル
2017/アメリカ/93分/英語/ヨーロッパビスタ/ドルビーデジタル
原題:The Beguiled
提供:東北新社
配給:アスミック・エース STAR CHANNEL MOVIES
宣伝:REGENTS

公式HP


▼映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』予告編

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