骰子の眼

cinema

東京都 新宿区

2017-07-07 18:30


タイのゲイカップルの子育て描くドラマ他、LGBTQ映画祭「レインボー・リール東京」開幕

日本初上映作品目白押し!プログラミング・スタッフがレコメンドする6作
タイのゲイカップルの子育て描くドラマ他、LGBTQ映画祭「レインボー・リール東京」開幕
映画『ファーザーズ』より

1992年より開催され、今年で26回目を迎える「レインボー・リール東京~東京国際レズビアン&ゲイ映画祭~」が7月8日(土)よりシネマート新宿、そして7月14日(金)より青山スパイラルホールにて開催される。

今年は国内外から選出されたセクシュアル・マイノリティをテーマとする全13プログラムを上映。webDICEでは、映画祭プログラミング・チームのレコメンドにより、劇場公開が決まっていない日本初上映作品から6作をピックアップして紹介する。

台湾ではアジアで初めて同性婚が2年以内に法制化されることが5月に決定し、ドイツでも連邦議会で同性婚を合法化する法案が6月30日に可決されるといった世界の変化が報じられるなか、今回の映画祭でも、タイのゲイカップルの子育てを描く『ファーザーズ』や、フィリピン人と台湾人のゲイの青年二人が主人公の『迷い子たちの物語』など幅広いテーマの作品がラインナップされている。

なお、アップリンク渋谷ほかで上映中の世界9ヵ国の育児の現場を追ったドキュメンタリー映画『いのちのはじまり: 子育てが未来をつくる』でも、ブラジルの同性婚カップルの子育てのエピソードが紹介されているので、ぜひ併せて観てほしい。




日本初上映

『ファーザーズ』
7月8日(土)19:00 シネマート新宿
7月15日(土)15:55 スパイラルホール

『ファーザーズ』
『ファーザーズ』

英題:Fathers
監督:パラトポル・ミンポーンピチット
2016年/タイ/96分/タイ語

交際13年のプーンとユクは、孤児の少年を養子として引き取り育てている。小学校に上がった少年は、同級生から父が二人いることをからかわれ、実の母について興味を持ち始める。そんな時、一家のもとに児童権利保護団体のスタッフが現れ、プーンとユクは少年のために大きな決断をすることを迫られるが……。偏見にさらされながら家族愛を貫こうとするカップルを描いた感動のファミリードラマ。プーン役のAsda Panichkulは元MTVアジアの人気VJで、東南アジアでは有名人。ユク役のNat Sakdatornはタイのタレント発掘番組で優勝した実力派シンガーソングライター。共に本作が映画デビューとなる二人のスターの共演をお見逃しなく。




日本初上映

『フィニッシュ・ホールド』
7月11日(火)19:00 シネマート新宿
7月16日(日)16:15 スパイラルホール

『フィニッシュ・ホールド』
『フィニッシュ・ホールド』

英題:Signature Move
監督:ジェニファー・リーダー
2017年/アメリカ/82分/英語

移民問題を扱うパキスタン系の弁護士ザイナブは、ふとしたきっかけから、メキシコ式プロレス、ルチャリブレのトレーニングを受け始める。トレーナーとルチャリブレ式キメ技を探しながら仕事もこなし、と多忙な日々を送るザイナブ。一方、同居中の未亡人である母は家から一歩も出ようとせず、趣味といえばメロドラマを見ることと、街行く人々の中から娘の結婚相手を探すことだけ。ある日、ザイナブはルチャリブレの元レスラーの母を持つ魅力的なメキシコ系のアルマと出会い、急接近する。しかし、母にはアルマとの関係、趣味のルチャリブレの事は秘密のまま。様々なバックグランドを持つ人々が暮らす大都市シカゴを舞台に繰り広げられる、ロマンチックコメディ。




日本初上映

『僕の世界の中心は』
7月14日(金)20:00 スパイラルホール
7月16日(日)13:40 スパイラルホール

『僕の世界の中心は』
『僕の世界の中心は』

英題:Center of My World
原題:Die Mitte der Welt
監督:ヤーコプ・M・エルヴァ
2016年/ドイツ、オーストリア/115分/ドイツ語、英語

サマーキャンプから帰ってきたフィルは、双子の姉妹と母の間に険悪な空気を感じ取る。家での居心地が悪くなり、残りの夏休みを女友達のカットと遊び歩くフィル。新学期が始まると、そこには謎めいた新入生のニコラスが。カットの忠告をよそに、フィルはニコラスと恋に落ちるが……。ドイツで大ヒットを記録した人気ヤングアダルト小説を完全映画化。軽快でポップな演出と重厚な家族のドラマが融合した本作は、グザヴィエ・ドラン監督の諸作を連想させる。2015年東京国際映画祭で最優秀男優賞(『ヒトラーの忘れもの』)を受賞したルイス・ホフマン主演。




日本初上映

『17歳にもなると』
7月15日(土)20:25 スパイラルホール
7月17日(月・祝)19:40 スパイラルホール

『17歳にもなると』 ©Roger Arpajou
『17歳にもなると』 ©Roger Arpajou

英題:Being 17
原題:Quand on a 17 ans
監督:アンドレ・テシネ
2016年/フランス/116分/フランス語、スペイン語

ワガママなダミアンは17歳。母と一緒にフランスのピレネー山脈近くの街で軍人の父の帰りを待っている。ダミアンと農家の養子トマは衝突を繰り返していたが、トマの母が入院したことで、ダミアンの母がトマを一時的に引き取ろうと提案する。『野性の葦』(1994)で知られるフランスの巨匠アンドレ・テシネが『トムボーイ』(第20回上映)の監督セリーヌ・シアマを脚本に迎えて手がけた青春ラブストーリー。アンチュール・ランボーの詩作からインスパイアされた本作は、観る者に青春時代の淡い恋を思い起こさせる。2016年ベルリン国際映画祭コンペティション部門出品。




日本初上映

『迷い子たちの物語』
7月12日(水)19:00 シネマート新宿
7月15日(土)13:45 スパイラルホール

『迷い子たちの物語』
『迷い子たちの物語』

英題:Tale of the Lost Boys
監督:ホセリト・アルタレホス
2017年/台湾、フィリピン/90分/英語、タガログ語、中国語、アタヤル語

妊娠した恋人をマニラに置いて台北を訪れたフィリピン人の整備工アレックスは、偶然出会った台湾人の医大生ジェリーと意気投合する。二人は母との関係に悩んでいた。母に置き去りにされたアレックスと、ゲイであることを保守的な少数民族の両親に告げられずにいるジェリー。二人はジェリーの家族に会いに彼の故郷・宜蘭へ向かうが……。監督のホセリト・アルタレホスはフィリピンのクィア映画界の革新者として有名で、短編がベルリン国際映画祭やシネマラヤ映画祭に出品されている。長編デビューとなる本作は、台湾国際クィア映画祭の第1回出資作品であり、台湾人とフィリピン人のつながりやルーツ、アイデンティティーに着目している。




日本初上映

『キキ ―夜明けはまだ遠く―』
7月10日(月)19:00 シネマート新宿
7月15日(土)11:30 スパイラルホール

『キキ ―夜明けはまだ遠く―』
『キキ ―夜明けはまだ遠く―』

英題:Kiki
監督:サラ・ジョルディノ
2016年/スウェーデン、アメリカ/94分/英語

現在のニューヨーク、セクシュアル・マイノリティの中でもマイノリティである有色人種の若者たちは、社会の抑圧と闘いながら独自のパーティーシーン「キキ」を形成している。4年間にわたって撮影された本作は、圧巻のダンス映像に加え、数多くのインタビューからアンダーグラウンドのカルチャーに迫る。ジェニー・リヴィングストン監督の傑作『パリ、夜は眠らない。』(1990)から25年以上経った今、ニューヨークのクィアカルチャーを新たな視点から見直す。2016年ベルリン国際映画祭でテディ賞最優秀ドキュメンタリー賞を受賞し、世界の映画祭で高く評価された必見の一作。




第26回レインボー・リール東京
~東京国際レズビアン&ゲイ映画祭~
会場:シネマート新宿、スパイラルホール

会期:シネマート新宿
2017年7月8日(土)~7月14日(金) ※夜間のみの上映
スパイラルホール(3F)
2017年7月14日(金)~7月17日(月・祝)
主催:NPO法人 レインボー・リール東京

公式サイト


▼映画『ファーザーズ』予告編

▼映画『フィニッシュ・ホールド』予告編


▼映画『僕の世界の中心は』予告編

▼映画『17歳にもなると』予告編

▼映画『キキ ―夜明けはまだ遠く―』予告編

キーワード:

レインボーリール / LGBTQ


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