骰子の眼

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東京都 渋谷区

2017-05-23 16:00


人は他人を受け入れることについて語るストーリーを求めている『ムーンライト』監督インタビュー

「僕が好きな映画はウォン・カーウァイ、ゴダールだった」アップリンク渋谷で上映
人は他人を受け入れることについて語るストーリーを求めている『ムーンライト』監督インタビュー
映画『ムーンライト』メイン・ビジュアルは主人公シャロンの少年・青年・大人時代の顔を組み合わせている © 2016 A24 Distribution, LLC

本年度のアカデミー賞で作品賞、脚色賞、助演男優賞を受賞した映画『ムーンライト』が、5月27日(土)よりアップリンク渋谷にて上映。webDICEでは、バリー・ジェンキンス監督のインタビューを掲載する。

ブラッド・ピットの製作会社プランBが製作を手掛けた本作は、アメリカ・マイアミの貧困地域リバティ・シティに暮らす黒人男性シャロンと彼が惹かれる男友達ケヴィンとの関係が描かれる。「リトル」「シャロン」「ブラック」という3つのパートに分かれており、主人公の少年、青年、大人時代を3人の俳優が演じている。今回のインタビューでは、その3人のキャスティングについてもジェンキンス監督の意図が語られている。

ゲイの黒人男性をめぐる人種やジェンダーの問題、麻薬中毒の母親やドラッグ・ディーラーがはびこる劣悪な社会環境を題材にしながらも、同時に極めてシンプルで普遍的なラブストーリーとなっている。独特なカラーリングによりキラキラと輝く海そしてパームツリーといったマイアミの風景や、シャロンとケヴィンの再会のきっかけとなるバーバラ・ルイスの「ハロー・ストレンジャー」をはじめとする音楽も美しく物語を彩っている。

トランプが当選した米大統領選の前後で、人がこの映画についてどう語るかは、大きく変化した。人は、他人を叩くのではなく、受け入れることついて語るストーリーを求めているんだ。この映画で、キャラクターは、他人からひどい目に遭わされる。だが、映画全体は受け入れることを伝えているのだと、人はわかってくれると思う。(バリー・ジェンキンス監督)


観た人自身が映画の中に沁みていく

──すばらしい映画でした。心にじわっと染みるというか、見終わった後も余韻が消えない映画ですね。

ありがとう。撮影監督とも話したんだけど、映画が心に染みるというよりも、君自身が映画の中に沁みていく、という感じじゃないかな。だから映画館を出ていくとき、君はまだ、登場人物の体の中にいるような気がしてしまうんだよ。キャラクターの意識が、まだ君の中にあるんだ。

映画『ムーンライト』バリー・ジェンキンス監督 ©AP/アフロ
映画『ムーンライト』バリー・ジェンキンス監督 ©AP/アフロ

──作品を完成させるにあたり、気を付けた点は?

軽いタッチにすることは、最初から意識していたよ。君の言うとおり、ここには数々の問題が出てくる。だけどそれらの問題は、主人公の人生の一部にすぎない。僕はこの映画でふたつのことをした。ひとつめは、キャラクターの心情を反映した、美しい映像を作ること。もうひとつは、君の言ったような数々の問題を、単に主人公をめぐる状況として描くこと。ここではっきり言っておきたいが、このキャラクターに起こることは、全部、僕自身か、元の戯曲を書いたタレル・アルヴィン・マックレーニーにも起こっているんだ。

たとえば、彼の母が麻薬中毒なのもそう。誰かに、「どうしてこの子の母親を麻薬中毒にする必要があったのですか」と聞かれたことがある。「僕の母は麻薬中毒だった。タレルの母もだ。僕らは自分たちの人生を反映する映画を作ろうと思った」というのが、僕の答。いろんな問題を入れすぎてしまうのはよくないかと恐れてその要素を省いたとしたら、僕は自分の顔を鏡で見られないと思う。観客がどう思うかを気にしすぎて変えたなんてさ。君が今言ってくれてうれしかったんだけど、僕は、それを話の中心にはしなかった。それらは、あのキャラクターの人生のリアルな要素にすぎないんだ。それはそれ。僕は、自分が語りたいというストーリーを語ったんだ。

映画『ムーンライト』 © 2016 A24 Distribution, LLC
映画『ムーンライト』麻薬ディーラー、フアンを演じ本年度アカデミー賞助演男優賞を受賞したマハーシャラ・アリ © 2016 A24 Distribution, LLC

──この映画がこれほどまで人の心を揺さぶると思っていましたか?

僕が映画好きになったとき、主に外国映画を観ていた。ウォン・カーウァイとか、ジャン=リュック・ゴダールとかだ。僕は、この映画のキャラクターと同じところで育った。僕は香港にも、フランスにも行ったことがなかった。英語以外の言葉はしゃべれないし、それどころか、フランス語や中国語を話せる人を、ひとりも知らなかった。だけど、それらの映画に共感ができたんだよ。キャラクターの体験が、自分のもののように感じられて、良い意味で、世界はそんなに大きくないのかもしれないと、僕は思ったものだ。すごく遠くに住んでいる人たちのことが、こんなにわかるんだからね。『ムーンライト』で、僕はそれと同じことをやったように思う。東京や、パリや、コペンハーゲンでこの映画を観る人たちが、マイアミにいるこのキャラクターの人生を体験してくれるんだから。

特に影響を受けた映画は、ウォン・カーウァイの『ブエノスアイレス』。ブラックが、車でジョージアからフロリダに戻る時に、カエターノ・ヴェローゾの「ククルクク・パロマ」がかかる。これは『ブエノスアイレス』への直接的なオマージュなんだ。ハイウェイを走るシーンの撮影の仕方まで『ブエノスアイレス』と同じにしたほどだ。もう何年も前だけど、初めて観た時のことは鮮明に憶えている。僕にとって、初めて観る同性愛を描いた映画だった。『ブエノスアイレス』は僕にたくさんのことを与えてくれたから、『ムーンライト』を観にきた、それまでカエターノ・ヴェローゾの事なんて知らなかったお客さんが、僕と同じようにアルゼンチンを通してアジアを知り、彼を発見してくれればうれしいね。

映画『ムーンライト』 © 2016 A24 Distribution, LLC
映画『ムーンライト』高校生のシャロン役のアシュトン・サンダース(右) © 2016 A24 Distribution, LLC

──オリジナルとなった戯曲は、舞台劇として制作されることはなかったのですよね?

そうだ、制作はされていない。それに、これを戯曲と呼んでいいのかどうかも微妙なんだよね。タレルがこれを書いたのは2003年のことだ。彼は、イェール大学の大学院でドラマを学ぼうとしていて、そのために書いたんだ。僕が読んだところ、それは舞台劇と映画の中間くらいの作品だった。あのままでは舞台劇にはできないし、映画にもできないという状態だった。僕のところにそれが回ってきたのは10年後。その間、何も手が加えられていなかった。それは、僕が映画を作り始めて12年くらいたった頃だったんだが、それまで僕は、自分の故郷を舞台にした映画を作ろうと思ったことはまったくなかったんだ。だが、タレルはまさにそれをやっていた。それも、すごく微妙なニュアンスをもたせた、美しい形で。とてもリアルでもあった。それで僕は、自分はこれで作らなければと思ったんだ。

映画『ムーンライト』 © 2016 A24 Distribution, LLC
映画『ムーンライト』麻薬ディーラー・フアンの恋人テレサをミュージシャンのジャネール・モネイが演じている © 2016 A24 Distribution, LLC

3人の俳優がお互いに会うことを許さなかった

──ブラッド・ピットはどんな形で関わるようになったのですか?

僕は2008年に『Medicine for Melancholy』という映画を作った。その映画がきっかけで、プランB(ブラッド・ピットが代表を務める製作会社)の人々に会ったんだ。2009年、僕らはいろいろなアイデアについて話をしたが、具体的には何も生まれないままだった。僕はテルライド映画祭でプログラムの担当もしているんだが、2013年、そこで『それでも夜は明ける』のプレミアがあったんだ。僕はそのプレミアの舞台に立って映画の紹介をし、上映後のQ&Aにも出演した。ブラッドもそこにいたし、ジェレミー・クライナーとデデ・ガードナー(ともにプランBのプロデューサー)もいたよ。彼らに、「ところで君は今、何を作ろうとしているの?ちょっとごぶさたしているよね」と言われて、僕は「この劇を映画にしようとしているんです」と言った。3年後、僕は、その映画、つまり『ムーンライト』をテルライド映画祭でプレミアすることになったんだ。

──ブラッド・ピットのプランBは、『それでも夜は明ける』を実現させ、オスカーに導きました。

さらに彼らは『グローリー/明日への行進』もやったよね。彼らはすごくおもしろいことをやっているんだよ。ブラッド・ピットは、最大のスターだ。好き勝手なことをできる彼は、あえて、こういう興味深いストーリーを語るための会社を作った。それがどんなストーリーであれ、誰が語ろうとしているのであれ、興味深いのであれば、実現できる方法があるはず、というのが彼らの姿勢。A24は、配給をするだけで、この映画の資金は出していない。プランBが、お金を集めてきてくれたんだよ。この映画を信じてくれたから。

映画『ムーンライト』 © 2016 A24 Distribution, LLC
映画『ムーンライト』高校生のシャロン役のアシュトン・サンダース(左)、テレサ役のジャネール・モネイ(右) © 2016 A24 Distribution, LLC

──たった25日で撮影したと聞きましたが、大変だったのではないでしょうか。

大変だったけど、前の映画は15日で撮ったんだよ。もっと少ないお金でね。僕が師匠と仰いでいるジェームズ・シェイマスは、「ビジュアルの美しさは予算で決まる」と言った。予算上、僕らは25日でやる以外になかった。その中で、最高のことをやってみるしかない。自分たち達成してみせたことについて、僕はとても誇りに思っているよ。

──シャイロンが3人いるわけですが、どのようにスケジュールを組んだのですか?3人のシャイロンは、お互いと会ったのでしょうか?

いや、彼らがお互いに会うことを、僕は許さなかった。予算がなかったからリハーサルもいっさいやっていないし、彼らにはほかのシャイロンの映像を見ることを禁じたよ。ほかの俳優の演技を見て、自分もそれに通じることをやろうとしたら、正直でなくなる。ほかの役者がどうやったのかを考えることもしてほしくなかった。僕らは、この映画をパート1、パート2、パート3の順番どおりに撮っている。だが、母親役のナオミ・ハリスはビザの問題もあるので、彼女の部分だけはまとめて撮らなければいけなかった。撮影期間最後の3日に、ナオミのシーンをまとめたんだ。それは難しかったね。その時だけは、3つのパートをごちゃごちゃに撮ることになったから。

映画『ムーンライト』 © 2016 A24 Distribution, LLC
映画『ムーンライト』母親ポーラ役のナオミ・ハリス © 2016 A24 Distribution, LLC

──3人のシャイロンは、どのように決めたのですか?

とても難しかったよ。すごく時間がかかった。理由のひとつは、キャスティングを始めた時に、スクリーン上の相性を最大重視して選ぼうとしたことにある。つまり、10代のシャイロンと10代のケヴィンの組み合わせ、大人のシャイロンと大人のケヴィンの組み合わせというふうに見たわけさ。相性でキャスティングを決めるのは、当たり前のことだからね。だけど、それじゃうまくいかないと気づいた。それで、僕らは、同じフィーリング、同じ雰囲気、同じ要素をもつ俳優を探そうと思った。

ウォルター・マーチが書いた『映画の瞬き』という本がある。彼はフランシス・フォード・コッポラの映画の編集や音響を手がけた人だよ。本の中で、彼は、「目は魂を見せる窓だ」と語っている。つまり映画において、目は、観客のための窓なんだ。だから僕は、同じ雰囲気を感じさせる目をもつ3人を探したのさ。パート3のシャイロンは大きくて筋肉もあるが、彼の目に子供の頃のシャイロンを感じさせるものがあれば、観客は着いてきてくれる。彼は、自分を守らないといけないから、あんな体になった。いじめられたり、攻撃されたりしないためには、ああいう見た目でないといけないと、社会に教えられた。だけど、中身は、まだあの少年なんだよ。

映画『ムーンライト』 © 2016 A24 Distribution, LLC
映画『ムーンライト』リトル(シャロン)役のアレックス・ヒバート(左)麻薬ディーラー、フアン役のマハーシャラ・アリ © 2016 A24 Distribution, LLC
映画『ムーンライト』 © 2016 A24 Distribution, LLC
映画『ムーンライト』高校生のシャロン役のアシュトン・サンダース © 2016 A24 Distribution, LLC
映画『ムーンライト』 © 2016 A24 Distribution, LLC
映画『ムーンライト』大人になったシャロンを演じるトレヴァンテ・ローズ(右)、ケヴィン役のアンドレ・ホーランド(左) © 2016 A24 Distribution, LLC

アメリカという国を
いろんな角度から語っていくことが重要

──トランプ政権が誕生しようとしているアメリカでは、今、排他的な声が多く聞かれます。そんな中でこの映画が受け入れられているという事実を、どう感じますか?

すごく興味深いと思うよ。この映画の製作が始まったのは、3年半前。あの頃、まさか彼が大統領になるなんて、僕は想像もしていなかった。だが、そうなってしまった。この8年の間に、この国に前からあったもののいくつかが表面に出てきたんだと、僕は思っている。僕らは、思っていたよりも、実際にはずっと二極化していたのかもしれない。その事実が、今回大統領に誰が選ばれたかということによって、明らかになったんだ。

『ムーンライト』に関して言うと、僕は、アメリカという国を、いろんな角度から、いろんなバージョンで語っていくことが重要だと思っている。そのどのストーリーも、全部アメリカなのだというのを伝えるべきだ。この映画が人々に気に入ってもらえたのは、キャラクターの人間性に共感してもらえたからだと、僕は思う。パート3に出てくる、筋肉もりもりのシャイロンの外見だけを見たら、自分と全然関係のない人だと思うだろう。彼が子供の時に鏡の前でダンスしたなんて、絶対に想像しないはずだ。彼は、理由があって、ああいう外見になった。社会が彼をあんなふうに形作った。自分を守るために。人は、そういう映画を観たいのではないかと僕は思う。

選挙の前後で、人がこの映画についてどう語るかは、大きく変化した。人は、他人を叩くのではなく、受け入れることついて語るストーリーを求めているんだ。この映画で、キャラクターは、他人からひどい目に遭わされる。だが、映画全体は受け入れることを伝えているのだと、人はわかってくれると思う。

映画『ムーンライト』 © 2016 A24 Distribution, LLC
映画『ムーンライト』大人になったケヴィンを演じるアンドレ・ホーランド © 2016 A24 Distribution, LLC

──昨年は、「白すぎるオスカー」や、「ハリウッドのホワイトウォッシング」が大きな論議を呼びましたが。

そうだよね。今年は、「白すぎるオスカー」を受けて出てきたように見える映画がたくさんあるが、そもそも、僕は、「#OscarsSoWhiteのハッシュタグはフェアじゃないと思ったんだよね。悪いのはオスカーじゃなくて、業界なんだよ。だけど君も言ったとおり、この映画は3年前に始まっている。『フェンス』は20年くらい前から作ろうとしてきたんじゃないかな。これらの映画はどれも、こういった人々の声が反映されていないという気持ちから立ち上がったもので、「白すぎるオスカー」という特定の論議が出たからといって生まれたものではないんだ。僕は、希望を持っているよ。来年も、こういう多様な映画が出てくると思っている。そして、賞がらみの会話にからんでくるだろうと。そういった違った人たちのストーリーは、語られなければいけないんだ。

映画『ムーンライト』 © 2016 A24 Distribution, LLC
映画『ムーンライト』大人になったシャロンを演じるトレヴァンテ・ローズ(左)、ケヴィン役のアンドレ・ホーランド(右) © 2016 A24 Distribution, LLC

──今作の成功は、もしかしたら、大手スタジオのトップの人たちの考え方にも、多少なりとも影響を与えるかもしれないと思いますか?

あるかもしれないね。でも今作だけじゃないよ。『マンチェスター・バイ・ザ・シー』だって、普通なら興行的に成功しそうにないと思われる映画だ。だけど、実際にはすごく成功している。『ラ・ラ・ランド』もそう。これらの映画が、スタジオに成功を導くためのやり方はひとつだけじゃないということや、観客はいろいろな映画を求めているのだということを見せてくれることを望むよ。

──近年、ますます大手スタジオはスーパーヒーロー映画にこだわっています。

そうだよね。でもスーパーヒーロー映画だけであるべきじゃないんだよ。スーパーヒーロー映画が悪いとは言わない。スーパーヒーロー映画ではないけど、僕が2016年に一番好きだった映画のひとつは『バーニング・オーシャン』なんだ。あれは最高だった。スタジオ映画だが、クオリティが高く、しっかり作られていた。観客は、おもしろい視点から語られる優れたストーリーを求めているんだ。

(パンフレット掲載、2017年1月取材のオフィシャル・インタビューより転載)



バリー・ジェンキンス(Barry Jenkins) プロフィール

1979年11月19日生まれ、アメリカ・フロリダ州マイアミ出身。フロリダ州立大学で英文学の文学学士と映画の美術学士を習得後、ロサンゼルスに移り住み、2005年に『彼らの目は神を見ていた』〈未〉で監督助手を務める。長編デビュー作『Medicine for Melancholy』(08)はニューヨークタイムズ紙のA・O・スコット選で“2009年の最優秀作品”に選ばれた。2010年、ジェンキンスはCM会社ストライク・エニウエア・フィルムズを共同で設立。最近、ニューヨークタイムズ紙の世界の映画界で“見るべき20人の監督”の1人に選出された。『ムーンライト』は長編2作目の作品である。




映画『ムーンライト』 © 2016 A24 Distribution, LLC
映画『ムーンライト』 © 2016 A24 Distribution, LLC

映画『ムーンライト』
5月27日(土)よりアップリンク渋谷にて上映

監督・脚本: バリー・ジェンキンス
エグゼクティブプロデューサー: ブラッド・ピット
出演:トレヴァンテ・ローズ、アンドレ・ホーランド、ジャネール・モネイ、アッシュトン・サンダース、ジャハール・ジェローム、アレックス・ヒバート、マハーシャラ・アリ、ナオミ・ハリス
脚本: タレル・アルヴィン・マクレイニー
プロデューサー: アデル・ロマンスキー、デデ・ガードナー、ジェレミー・クライナー
撮影:ジェームズ・ラクストン
編集:ナット・サンダーズ / ジョイ・マクミロン
音楽:ニコラス・ブリテル
配給:ファントム・フィルム
© 2016 A24 Distribution, LLC

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