骰子の眼

art

東京都 新宿区

2016-10-19 11:00


Chim↑Pom 歌舞伎町の個展『また明日も観てくれるかな?』に行って見た

いわば突如新宿に出現した「歌舞伎町美術館」でチンポムがオープニング展を開催とか。
Chim↑Pom 歌舞伎町の個展『また明日も観てくれるかな?』に行って見た

Chim↑Pomの歌舞伎町の個展に10月14日の内覧会に行ってきた。場所は、歌舞伎町のTOHOシネマズの裏、アパホテルの裏にある。まさに歌舞伎町のど真ん中。かつて「ラーメン二郎」が1階にあった解体される地下2階上が5階建てのビル一棟を借り切って4階から地下1階まで使用して行われる新作個展『また明日も観てくれるかな? ~So see you again tomorrow, too? ~』

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園子温と中京テレビの花輪が飾られている、1階の入り口に。

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そこでは、書類を渡されサインをしてから入場可能となる。解体されるビルが中も壊されて危険なので、万が一怪我をしても一切の責任は自分にあるという同意書にサインをさせられた。

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まず、エレベーターで4階へ、今日だけというエレベーターガールに案内される。

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壁が削がれたような空間が広がる。

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▲「青写真を描くversion 2」2016 サイアノタイプ、部屋、インスタレーション
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▲「青写真を描くversion 2」2016 サイアノタイプ、部屋、インスタレーション

青写真の感光剤をゲル状にして部屋全面に塗りたくり、紫外線で感光すると家具があった場所以外が青くなるという。日光写真の部屋。

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▲「青写真を描くversion 2」2016 サイアノタイプ、部屋、インスタレーション
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▲「青写真を描くversion 2」2016 サイアノタイプ、部屋、インスタレーション

当時の時間を感じさせる写真に賞状。

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▲「青写真を描くversion 2」2016 サイアノタイプ、部屋、インスタレーション

作品の向こうには今の歌舞伎町が飛び込んでくる。

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床には正方形の穴が空いていて、酔っ払ってこの展覧会にくると、ここから落ちるであろう危険な場所。でも入場時にサインした書類により怪我をしても全て自己責任。

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3階に階段を降りて移動。ビデオが穴の向こうに映されている。

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奥には、歌舞伎町の模型が展示され、数匹のピカチュウカラーのネズミの剥製がビルをシン・ゴジラのように襲っている。

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▲「SUPER RAT -Diorama Shinjuku-」2016 新宿で捕獲したネズミの剥製、新宿の街のジオラマ、ほか
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▲「SUPER RAT -Diorama Shinjuku-」2016 新宿で捕獲したネズミの剥製、新宿の街のジオラマ、ほか

このネズミの右のビルが、今回展覧会に使用されているビル。

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▲「SUPER RAT -Diorama Shinjuku-」2016 新宿で捕獲したネズミの剥製、新宿の街のジオラマ、ほか
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▲「SUPER RAT -Diorama Shinjuku-」2016 新宿で捕獲したネズミの剥製、新宿の街のジオラマ、ほか

会場で森美術館の館長の南條史生さんに出会う。写真横は、作品紹介してくれるチンポムの卯城竜太さん。
「ちゃんとこういうところ見に来るんだね」と南條さん。「ええ、普通のギャラリーや美術館での展示じゃないということなので面白そうなので」と僕。「え、えー、森美術館も来てよ」「今何やっているんですか」「『宇宙と芸術展』だよ」「宇宙ですか、、お、面白そうですね。。」
歌舞伎町の模型を見て南條さんは卯城さんに「森さんならこれ全部地上げしようかとか言いそうだね」。
全部自腹で今回の展示をやっているチンポムと森美術館のチームラボ、どちらが面白いのか今度六本木ヒルズにいってみよう。

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スポーツ紙に広告を出してエロい欲望を持った男とを誘い出し、そこから電話がかかってくるとリアルに会場で電話が鳴る、非通知設定にしてないので、番号がばれているのでぼかしておきます。その男たちのエネルギーにより「スケベの発電」が行われるアート作品。

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▲「性欲電気変換装置エロキテル5号機」2016 ミクストメディア、携帯電話、歌舞伎町振興組合ビルにあった電飾看板、広告
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▲「性欲電気変換装置エロキテル5号機」2016 ミクストメディア、携帯電話、歌舞伎町振興組合ビルにあった電飾看板、広告
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▲「性欲電気変換装置エロキテル5号機」2016 ミクストメディア、携帯電話、歌舞伎町振興組合ビルにあった電飾看板、広告

このコーナーは、ホストが画家になりモデルを描いた絵が展示されている。ヘタウマなのか、ヘタヘタなのか。

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▲「虹を見て思ひ思ひに美しき」2016 イーゼル、似顔絵、ボックス席、名刺、シャンデリア、音声

モデルが座っていたソファでは、メディアの写真撮影の取材をエリイさんが受けていた。

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18歳のデリヘル嬢みらいさん(新宿ラブマシーン)を呼んで、青写真の感光剤を塗った紙の上に横になってもらい紫外線で感光させて撮った作品。

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▲「みらいを描く」2016 壁にサイアノタイプ


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1階下がって2階の展示場。このフロアが普通といえば普通に平面のアートが展示されている。

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切り取ったコンクリの床が"バンズ"で"具"が家具で、"チーズ"がカーペットという題して「ビルバーガー」。

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▲「ビルバーガー」2016 3階分のフロア、事務用品、空調、家具、照明器具、カーペットなど
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▲「ビルバーガー」2016 3階分のフロア、事務用品、空調、家具、照明器具、カーペットなど
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▲「また明日も観てくれるかな?」2016 ビデオ

「ビルバーガー」の横の真っ暗な小部屋の奥では、モニターにNHKの1日の最後の放送、日の丸を見て、「君が代」を聞くエリイさんの映像が映っていた。

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▲「また明日も観てくれるかな?」2016 ビデオ


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地下はクラブ『仁義』。『仁義の墓場』の主人公の墓石が新宿常円寺にあり、その墓石には「仁義」と彫られているので、その墓から魚拓じゃなくて墓拓をしたものが看板になっている。

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▲「仁義」2016 和紙、墨
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イベントが行われるクラブ『仁義』の中。オープニングは「水曜日のカンパネラ」がパーティで登場した。様々なイベントが企画されているので公式サイトでチェックを。クラブは展示の観覧込みで3000円の入場料。

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外に出たところ、指名手配の写真とこちらに向けた監視カメラの映像がモニターに映っている、ネットでも公開ということだったが、プライバシーの問題か中止された模様。そのかわりビル上階からのカメラの映像がネットで見られます(TOCACOCAN 2にてライブ配信中、YouTube上でご覧ください)。

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歌舞伎町のど真ん中で今回の個展、「全て自腹でやっているので美術館形式で1階で1,000円の入場料を払うシステムを取っている」と卯城さん。アップリンクではバンクシーがニューヨーク中を舞台にして作品を発表した『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』を配給したが、今回のチンポムの個展はバンクシーと同じ方法論の上に成り立つ現実と刺し違える気迫とユーモアに満ちた最高のアート作品『また明日も観てくれるかな?』。いいとも!今すぐ見に行くよ!

(文・写真:浅井隆)




『また明日も観てくれるかな?』
~So see you again tomorrow, too? ~
10月31日(月)まで開催中

13:00~22:00
【イベントDAY 2】
2016年10月28日(金)OPEN 20:00 START 21:00~10月29日(土)6:00
会場:歌舞伎町振興組合ビル
(東京都新宿区歌舞伎町1-19-3)[地図を表示]
料金:1,000円(展覧会のみ)、3,000円+1D(イベント+展覧会)
主催 : Chim↑Pom
協力:歌舞伎町振興組合、Smappa! Group、無人島プロダクション
公式サイト

キーワード:

Chim↑Pom / 歌舞伎町


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