骰子の眼

cinema

東京都 渋谷区

2016-09-27 19:30


日本未公開インド映画まみれの2週間!インディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン

シャールク・カーン主演『ファン』、同性愛テーマの『アリーガルの夜明け』等注目作
日本未公開インド映画まみれの2週間!インディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン

「ボリウッド」と呼ばれるヒンディー映画2016年上半期興業成績トップ3作品や、巨匠サタジット・レイ監督を父に持つ、サンディープ・レイ監督作品『私が恋した泥棒』など最新インド映画13本を紹介する「第5回インディアン・フィルムフェスティバル・ジャパン(IFFJ)2016」が、東京はヒューマントラストシネマ渋谷で10月7日(金)から、大阪はシネ・リーブル梅田にて10月8日(土)から、それぞれ2週間にわたり開催される。

2012年より年1回開催してきた「インディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン」。第5回となる本年は、『ボリウッド・キング」と称される人気俳優、シャールク・カーンが、スターとそのファンの二役を演じる話題作『ファン』や、家族の再生を描いたヒット作『カプール家の家族写真(原題:Kapoor & Sons since 1920)』、史上最大の脱出作戦」として知られるインド人17万5千人のクウェート脱出を指揮した男の実話『エアリフト~緊急空輸~(原題:Airlift)』など、ヒンディー映画 2016年上半期の興業収入上位10作品のうち6本を上映。このほか法律で禁じられた同性愛問題を描いた問題作『アリーガルの夜明け』がジャパン・プレミアで上映される。

初日の10月7日(金)には、ヒューマントラストシネマ渋谷でオープニング・イベントが行われ、日本が誇るボリウッド&バラタナティヤムダンサー、アンジェラ・ラーガさんとインド映画研究家の高倉嘉男さんがIFFJ2016の上映作品の見どころを解説。その後『カプール家の家族写真』、短編作品『ムフティヤー』が上映される。全13作品のうち、映画祭スタッフのレコメンドにより、特におすすめの8本を紹介する。




『カプール家の家族写真』

バラバラになった家族は再び一つになれるのか? 美しい避暑地で展開する家族再生の物語

映画『カプール家の家族写真』より

原題:Kapoor & Sons(since 1921)
監督:シャクン・バトラ
出演:リシ・カプール、シッダールト・マルホートラ、ファワード・カーン、アーリヤー・バット、ラトナー・パータク、ラジャト・カプール
2016年/ヒンディー語/132分

■あらすじ:祖父危篤の知らせで久々に故郷のクヌールに戻ったラーフルとアルジュンの兄弟。どこかぎこちない二人の関係は、不思議な雰囲気を持つ女性ティアが現れいっそう複雑に。一命をとりとめた祖父はバラバラになってしまった「カプール家」が再び一つになることを願うが……。
■見どころ:ボリウッド映画の一大テーマ 「家族愛」。注目の若手監督シャクン・バトラが家族の再生をみずみずしい感性で描く作品。『スチューデント・オブ・ザ・イヤー』のシッダールト・マルホートラとアーリヤー・バットが再共演。ボリウッド2016年上半期のヒット作。
【見どころ要素】(1)ファミリードラマ(2)兄弟の葛藤(3)恋愛(4)おちゃめなおじいちゃん




『ファン』

最高のファンが最悪の敵に! シャールク・カーンがスターとストーカーの二役を演じるスリラー

映画『ファン』より

原題:Fan
監督:マニーシュ・シャルマー
出演:シャールク・カーン、ワルーシャー・デスーザ、シュリヤー・ピルガオーンカル、サヤーニー・グプター 2016年/ヒンディー語/158分

■あらすじ:デリーの下町に暮らす青年ゴウラヴは、映画界のスーパースター、アーリヤン・カンナーの熱狂的ファン。ある出来事をきっかけに、ゴウラヴはアーリヤンと念願の対面を果たすが、アーリヤンに「お前は俺のファンなんかじゃない」と拒絶される。その日からゴウラヴはアーリヤンを狙うストーカーへと変貌していく。
■見どころ:「ボリウッド・キング」シャールク・カーンが、自身の投影のようなスーパースターと、特殊メイクでその狂信的な「ファン」の二役を演じる、大胆な発想の作品。二人のどちらに感情移入するかで、作品の見方が大きく変わる。
【見どころ要素】(1)スリラー(2)アクション(3)スーパースター




『エアリフト ~緊急空輸~』

クウェートからインド人を脱出させろ! 勇気ある行動をとった男、感動の実話

映画『エアリフト ~緊急空輸~』より

原題:Airlift
監督:ラージャー・クリシュナ・メーノーン
出演:アクシャイ・クマール、ニムラト・カウル、プーラブ・コーホリー、フェリーナ・ワズィール
2016年/ヒンディー語/126分

■あらすじ 1990年、オイルマネーに沸くクウェート・シティ。現地在住のインド人実業家のランジートは、イラク軍のクウェート侵攻に遭遇する。単身での脱出を断り現地に踏みとどまったランジートは、逃げ場を失った在住インド人を空路で脱出させるべく奮闘する。
■見どころ
「史上最大の脱出作戦」として知られるインド人17万5千人のクウェート脱出の実話。2016年前半ボリウッド興行収入第1位。
【見どころ要素】(1)ドラマ(2)実話(3)男気




『キ&カ ~彼女と彼~』

キャリア志向の女性と主夫志望の男性。その結婚が思わぬ展開に

映画『キ&カ ~彼女と彼~』より

原題:Ki & Ka
監督:R.バールキー
主演:カリーナー・カプール、アルジュン・カプール
2016年/ヒンディー語/126分

■あらすじ:飛行機で偶然出会ったキャリア志向の女性キアと「主夫」志望の男性カビール。二人は逆転夫婦として結婚。順調だった結婚生活は、カビールが「カリスマ主夫」として人気になったことから歯車が狂い始める。 ■見どころ:大胆でユニークな設定の作品で知られるバールキー監督作品。夫婦の役割を入れ替えたカップルの話だが、それだけでは終わらないひねりが加えられている。演技派カリーナー、若手注目俳優アルジュン、二人の「カプール」の好演も見逃せない。
【見どころ要素】(1)結婚(2)女性の社会進出(3)専業主夫




『私が恋した泥棒』

改心して働き始めた泥棒。彼の目の前に高価な宝石が。盗る? それとも?

映画『私が恋した泥棒』より

原題:Monchora
監督:サンディープ・レイ
出演:アビル・チャテルジー、シャーシュワト・チャテルジー、ライマ・セーン
2016年/ベンガル語/135分

■あらすじ:泥棒のアビルはある家で盗みに失敗するが、その家に住むナンダーに、改心して祖父のもとで働くことを条件に逃がしてもらう。働き始めたアビル。ナンダーとの恋も芽生えるが、家宝の宝石を見て泥棒の本能がうずき出す。
■見どころ:サタジット・レイの息子サンディープ・レイ監督によるヒット作。軽妙なタッチのロマンチック・スリラー。2015年に日本でも公開された『女神は二度微笑む』で個性的な殺し屋ボブを演じた、シャーシュワト・チャテルジーも出演。
【見どころ要素】(1)ドラマ(2)ロマンス(3)スリラー(4)善と悪




『アリーガルの夜明け』

同性を愛することは罪なのか? 同性愛が禁じられたインド社会を描く問題作

映画『アリーガルの夜明け』より

原題:Aligarh
監督:ハンサル・メータ
出演:マノージュ・バージパーイー、ラージクマール・ラーオ
2016年/ヒンディー語/118分

■あらすじ:学園都市アリーガル。大学教授ラームチャンドラは、ゲイであることを理由に大学を追われる。関心を持った新聞記者のディープーは、彼を訪ね、話を聞く。二人の間には確かな友情が生まれる。
■見どころ:実話に基づく作品。インドでは同性愛が今なお刑法で犯罪と規定されており、社会的な偏見も根強く残る。舞台の町アリーガルでは、反対運動のため上映ができなかった。怪優マノージュ・バージパーイーの演技に注目。
【見どころ要素】(1)ドラマ(2)LGBT(3)社会問題




『ニールジャー』

ハイジャック犯との息詰まる駆け引き、乗客を救うべく立ち上がる、若き客室乗務員

映画『ニールジャー』より

原題:Neerja
監督:ラーム・マドゥワーニー
出演:ソーナム・カプール、シャバーナー・アーズミー、シェーカル・ラヴジヤーニー
2016年/ヒンディー語/122分

■あらすじ:1986年9月5日、ムンバイ発ニューヨーク行のパンナム73便は経由地のカラチでパキスタンの武装組織によりハイジャックされた。同機の客室乗務員ニールジャーは恐怖に怯える乗客たちを救うべく懸命に活動する。
■見どころ:実在の客室乗務員ニールジャー・バノートの伝記的作品。ボリウッドのファッションアイコン、ソーナム・カプールが正義感溢れる主人公を渾身で演じる。
【見どころ要素】(1)ドラマ(2)正義のヒロイン(3)家族愛




『恐怖症』

家から出たい。だが出られない。広場恐怖症の恐怖体験を描く、サイコ・ホラー

映画『恐怖症』より

原題:Phobia
監督:パワン・クリパラニ 出演:ラーディカー・アープテー、サティヤディープ・ミシュラ 2016年/ヒンディー語/112分

■あらすじ:アーティストのメーハクは、外出が困難な重度の広場恐怖症。見かねた友人が、新たに彼女を住まわせた家には恐ろしい秘密があった。メーハクに襲い掛かる数々の恐怖の出来事。だが彼女は家から外に出ることができない!
■見どころ:広場恐怖症の女性と、恐怖の家という組み合わせのサイコ・ホラー。ラジニカーント最新作『Kabali』で主人公の妻役を務めたラーディカー・アープテーが、恐怖におののくヒロイン役を演じる。
【見どころ要素】(1)ホラー(2)スリラー(3)ミステリー




第5回インディアンフィルム・フェスティバル・ジャパン(IFFJ)2016
第5回インディアンフィルム・フェスティバル・ジャパン(IFFJ)2016

会期:2016年10月7日(金)~10月21日(金)東京 ヒューマントラストシネマ渋谷
2016年10月8日(土)~10月21日(金)大阪 シネ・リーブル梅田
料金:前売1回券1,500円/3回券3,900円/当日券1,800円(特別興業のため、劇場の割引制度適用外となります)
主催:インディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン2016実行委員会

公式サイト

▼映画『カプール家の家族写真』予告編

▼映画『ファン』予告編

▼映画『エアリフト ~緊急空輸~』予告編

▼映画『キ&カ ~彼女と彼~』予告編

▼映画『私が恋した泥棒』予告編

▼映画『アリーガルの夜明け』予告編

▼映画『ニールジャー』予告編

▼映画『恐怖症』予告編

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